荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

『ジョジョの奇妙な冒険』はずっと読んでいるのですが、最近のゴリ押しぶりにはどうも乗れずにいます。アニメも第1話で「何をするだァーッ」がなかったので、それっきり見なくなってしまいました。2011年に出た『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』もなんだか読まずにいたのですが、たまたま読んでみたら、けっこう面白かったです。

『アイ・アム・レジェンド』をベスト10に入れているのには少なくないホラー映画ファンが…ハァ?となると思うのですが、それなりに納得のいく理由を記していて、後半がトホホであることもちゃんと踏まえています。

いろんなホラー映画が紹介されていて楽しいですが、むしろ”紹介されていない映画”の方が興味深かったりもします。

スティーヴン・キング映画についてはわざわざ1章を割いているのに、”秘密政府機関から超能力少女が脱走して、ネイティヴ・アメリカンの殺し屋に追われる”『炎の少女チャーリー』や”アメ車が壊れても自己修復する”『クリスティーン』への言及がないとか、どこかで名前を聞いたことがある気がする『クジョー』『ザ・スタンド』にも一言も触れていないとか。

それから『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』や『ゾンビ』については愛情を込めて長々と書いているのに、”女性の背後を、ゾンビ達の手が何本も壁を破って出てくる”『死霊のえじき』はいちおう三部作の完結編なのに、まったく何も書かれていません。

もちろん新書本1冊で、世にあるホラー映画すべてを網羅できるわけではないものの、それらの映画について触れられていないのは少しばかり不自然なので、何らかの意志が働いているのかな?と邪推したくなったりもします。

もちろん僕はそんなことでジョジョをあげつらおうという訳ではなく、むしろ『ジョジョリオン』だけのためにウルトラジャンプを買うぐらいのファンです。本書についても、そんな裏の読み方をするのも楽しいので、一読の価値はあると思います。

ところでスティーヴン・キングも1981年に『死の舞踏』というエッセイ本を出していて、ホラー映画について語ったり、おすすめホラー映画リストを載せたりしています。

投稿者:

yamazaki666

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