『映画秘宝』誌7月号で久しぶりに記事を書かせていただきました。1692~93年のセイラム魔女裁判について。ここ最近、年末ベスト&ワーストだけ参加させてもらっていて、誰だこいつ的なポジションでいつ切られるか判らないので、これからもっと映画をきちんと勉強して、もっと書かせてもらえるように頑張ります。
で、ロブ・ゾンビ監督最新作『The Lords Of Salem』は超最高なのです。既存のキーワード/イメージを巧く取り入れながら、”ちゃんとした”ストーリーに囚われることなくインパクト重視の作りは少なからず”MTV的”ともいえますが、それは決して悪い意味でなく、これとかこれみたいに、MTVでしか出来ない素晴らしい表現があるので、ポジティヴな意味で言っているのです。悪魔とか血とか裸の女とかがたくさん出てきて、基本的には嬉しいです。でも裸の女が婆さんだったり肥満体だったり、あまり嬉しくないです。裸ではありませんが、DEEP PURPLEの新曲「Vincent Price」の尼さんの方が嬉しいです。
出演しているのは相変わらず、ホラー映画コンベンションのサイン会とかで食っていそうな人たちですが、スターシステムというか、”ロブ・ゾンビ一座”が形成されつつある感じです。今回はジュディ・ギーソンが大家のおばさんで仲間入り。彼女が出ていた『茂みの中の欲望』(1967)はTRAFFICが主題歌をやっているのでいずれ見ようと思っていますが、まだ見ていません。写真を見ると、なんだか1967年当時と基本的に雰囲気が同じですね。
僕は1993年にセイラムに行ったことがあって、基本的にはピーボディ美術館とか”魔女の家”とかちゃらい観光をしてクラムチャウダーを食べて帰ってきたのですが、事前に電話帳で中古レコード屋を調べて行ったら、なんだか寒々しく、犯罪でなく超自然的な身の危険を感じるような場所にありました。シェリ・ムーン・ゾンビがドラッグを買うシーンで、ちょっと思い出しました。しかも品揃えがしょぼくて何も買いませんでした。
とにかく『The Lords Of Salem』は超最高なので見ましょう。日本では今年秋に劇場公開するそうです。
あと今月号の『映画秘宝』はアウトローヒロイン特集でした。僕の中でアウトローヒロインといえばクレオパトラ・ジョーンズで、オランダに住んでいた頃、通っていた小学校で「今日の夜、テレビで『クレオパトラ危機突破』やるぜ」みたいな話になって、見たのを記憶しています。アフロのでかいお姉さんが男をボコボコ殴っていました。翌日クラスのみんなが見ていて、今から思えばどういう小学校だよと思います。後になって知ったのですが、タマラ・ドブソンという名前もドスが効いていて強そうです。
さらに裏表紙にイライジャ・ウッド主演の『マニアック』リメイクというのが載っていて、今更知って倒れました。ジョー・スピネルが顔面汗だくでブツブツ独り言を言わなくて、キャロライン・マンローが出てこない『マニアック』というのがどういうのか想像もつきませんが、ニコラス・ケイジ版『ウィッカーマン』みたいに変なケミストリーを起こす可能性もないとは言えないので、見てみたいです。