2013-05-31

青山一丁目で打ち合わせ。主に帯の話。 行き帰りの電車で増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読み進めました。プロ柔道旗揚げ~崩壊から加速を始めて、すごく面白いです。1951年のブラジル遠征でエリオ・グレイシーに挑戦されて、まず加藤幸夫が敗北。ついに木村vsエリオが実現! そして力道山が話の軸になったところです。読み進めます。

ところで前田光世と戦ったプロレスラー、ブッチャー・ボーイという人、本当に存在するのか疑っていました。名前からして『空手バカ一代』のムエタイ・チャンピオン、キングコブラみたいだし。でもJohn Pieningという、ちゃんと存在した人だそうです。

GIORGIO MORODER feat. DJ CHRIS COX @ビルボードライヴ

ジョルジオ・モロダーfeat.クリス・コックスの来日公演に行きました。初日のセカンド・ショー。

基本的にDJセットで、モロダーはヴォコーダーを通してしゃべり/歌ったり、トラックパッドでドラム・サウンドやハンドクラップをやったりしました。

まず21:30を少し回ったところでクリス・コックスがステージに上がり、「Radio Ga Ga」と「Play That Funky Music」。21:45ぐらいにモロダーが登場、以下の曲をやりました(正式な曲名表記とか調べていません)。

MacArthur Park / Love Kills / From Here To Eternity / Racer (new song for Google) / Love To Love You Baby / Bad Girl / Never Ending Story / Beat The Clock / vocoder solo inc Call Me & Satisfaction / Hot Stuff / Flashdance What A Feeling / The Chase / I Feel Love / Call Me // Giorgio By Moroder

あとどこかでE=MC2、I Wanna Rock You、THREE DEGREESのJump The Gunをやったかも知れません。他にもやった曲とか、間違いがあるかも。

今月頭のニューヨークのセットとは曲順がけっこう異なりますね。

2013-05-25

遅ればせながら増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読んでいます。電車の中とかで読んでいるので、なかなか進みません。木村政彦に柔道で土を付けた阿部謙四郎が秩父の老人ホームで亡くなったところまで読みましたが、先はまだ長いです。戦後に乗じて武徳会や高専柔道を潰した講道館が悪者みたいになっていますが、今後どうなるのかドキドキです。最初に原田久仁信の漫画版(週刊大衆で連載中)から入ったので、増田俊也というと原稿用紙を前にして泣いているばかりの人かと思ったのですが、すごく面白いです。

ところで山口利夫はプロレスラーになる以前、早大柔道部→南満州鉄道柔道部で”満州の虎”と呼ばれた強豪で、1936年に大連で木村との対決が実現していますが、ドローに終わったそうです。満州に移民した日本人たちの中に、ほぼ全盛期の木村に匹敵する選手がいたというのがファンタジーをかき立てますね。

————

AIRBOURNEの新作『BLACK DOG BARKING』のタイトル曲で、「ポーザーどもの時代は終わりだ!ギターの弾き方ってやつを教えてやる!」と言った後、何を弾くかと思ったら「Smoke On The Water」!…というタイミングが絶妙で、思わず聴いていて噴き出してしまいました。相変わらずAC/DCがテストで0点を取ったようなロックンロールが全面炸裂で、もちろん前作・前々作と区別がつきません。素晴らしいです。

イン・ザ・ダークネス

f:id:yamazaki666:20130524101145j:image

『女子大生恐怖のサイクリングバカンス』(1970)を名作たらしめていたのは、言葉が通じなくて無愛想な外国人の不気味さに加えて、パメラ・フランクリンのフリークス的な魅力だったわけですが、DVDサブタイトルの”美少女(ロリータ)サスペンス”というのは如何なものでしょうか。彼女はいわゆるロリータとは違う気がします。彼女が出ていた『ヘルハウス』も名作です。

で、『女子大生恐怖のサイクリングバカンス』のリメイク『イン・ザ・ダークネス』(2010)は”イギリス娘2人がフランスの田舎にサイクリングしにいく”というオリジナルの設定を”アメリカ娘2人がアルゼンチンの田舎にサイクリングしにいく”に変更。パメラ・フランクリン役をアンバー・ハードが演じています。『ドライヴ・アングリー』『ザ・ウォード監禁病棟』『ゾンビランド』と、素敵なフィルモグラフィーのお姉さんですが、健康的なホットパンツの生足で、不健全なオリジナルとはまったく異なります。

さらにオリジナルではフランス人がなんだか意味不明で不気味だったのが、リメイクではアルゼンチンからパラグアイに人身売買するという明確な目的があるし、誰がイイモノで誰がワルモノか途中で明らかになってしまうので、ミステリアスな不穏さがありません。

アルゼンチンの田舎の廃墟町は良かったですが、サスペンスアクションとしても平坦だし、あまり面白くなかったです。オリジナルはとてもドゥームな映画なので見ましょう。

The Lords Of Salem

f:id:yamazaki666:20130524014833j:image

『映画秘宝』誌7月号で久しぶりに記事を書かせていただきました。1692~93年のセイラム魔女裁判について。ここ最近、年末ベスト&ワーストだけ参加させてもらっていて、誰だこいつ的なポジションでいつ切られるか判らないので、これからもっと映画をきちんと勉強して、もっと書かせてもらえるように頑張ります。

で、ロブ・ゾンビ監督最新作『The Lords Of Salem』は超最高なのです。既存のキーワード/イメージを巧く取り入れながら、”ちゃんとした”ストーリーに囚われることなくインパクト重視の作りは少なからず”MTV的”ともいえますが、それは決して悪い意味でなく、これとかこれみたいに、MTVでしか出来ない素晴らしい表現があるので、ポジティヴな意味で言っているのです。悪魔とか血とか裸の女とかがたくさん出てきて、基本的には嬉しいです。でも裸の女が婆さんだったり肥満体だったり、あまり嬉しくないです。裸ではありませんが、DEEP PURPLEの新曲「Vincent Price」の尼さんの方が嬉しいです。

出演しているのは相変わらず、ホラー映画コンベンションのサイン会とかで食っていそうな人たちですが、スターシステムというか、”ロブ・ゾンビ一座”が形成されつつある感じです。今回はジュディ・ギーソンが大家のおばさんで仲間入り。彼女が出ていた『茂みの中の欲望』(1967)はTRAFFICが主題歌をやっているのでいずれ見ようと思っていますが、まだ見ていません。写真を見ると、なんだか1967年当時と基本的に雰囲気が同じですね。

僕は1993年にセイラムに行ったことがあって、基本的にはピーボディ美術館とか”魔女の家”とかちゃらい観光をしてクラムチャウダーを食べて帰ってきたのですが、事前に電話帳で中古レコード屋を調べて行ったら、なんだか寒々しく、犯罪でなく超自然的な身の危険を感じるような場所にありました。シェリ・ムーン・ゾンビがドラッグを買うシーンで、ちょっと思い出しました。しかも品揃えがしょぼくて何も買いませんでした。

とにかく『The Lords Of Salem』は超最高なので見ましょう。日本では今年秋に劇場公開するそうです。

あと今月号の『映画秘宝』はアウトローヒロイン特集でした。僕の中でアウトローヒロインといえばクレオパトラ・ジョーンズで、オランダに住んでいた頃、通っていた小学校で「今日の夜、テレビで『クレオパトラ危機突破』やるぜ」みたいな話になって、見たのを記憶しています。アフロのでかいお姉さんが男をボコボコ殴っていました。翌日クラスのみんなが見ていて、今から思えばどういう小学校だよと思います。後になって知ったのですが、タマラ・ドブソンという名前もドスが効いていて強そうです。

さらに裏表紙にイライジャ・ウッド主演の『マニアック』リメイクというのが載っていて、今更知って倒れました。ジョー・スピネルが顔面汗だくでブツブツ独り言を言わなくて、キャロライン・マンローが出てこない『マニアック』というのがどういうのか想像もつきませんが、ニコラス・ケイジ版『ウィッカーマン』みたいに変なケミストリーを起こす可能性もないとは言えないので、見てみたいです。

MELVINS: EVERYBODY LOVES SAUSAGES

f:id:yamazaki666:20130523182634j:image

MELVINS初のカヴァー・アルバム『EVERYBODY LOVES SAUSAGES』のライナーノーツを書かせていただきました。

MELVINSがやるカヴァー・アルバムということで、実はすべてが悪意を込めたネタではないか?と疑ってしまうのですが、どの曲もインスピレーションに富んだカヴァーぶりで、SPINのインタビューを読むとどの曲も本気で好きみたいなので、疑った自分の心の黒さを反省したくなります。以前インタビューした際にも基本的に真面目に答えてくれたので、あまり偏見を持ってはいけないのかも知れません。しかし相手はMELVINSなので、油断は出来ません。

ジム・フィータスが参加した「Station To Station」(言うまでもなくデヴィッド・ボウイの曲)はオリジナルをさほど壊していないのに全然違って聞こえるのが素晴らしいです。映画『フィメール・トラブル』主題歌をカヴァーするというのも実にMELVINSらしいです。THE JAMの「Art School」はかなり意外でしたが、聴いてみるとなるほどとなります。全曲、オリジナルとカヴァーを交互に聴きましたが、とても楽しい経験でした。

カヴァー・アルバムというものは、あまりオリジナルに忠実だと”だったら別にカヴァーしなくていいのに”と言われ、あまり壊すと”冒瀆”となってしまうので難しいですが、本作は両者の極めて微妙な一線を綱渡りしている成功例だと思います。

ところでジェロ・ビアフラ参加のROXY MUSICのカヴァー「In Every Dream A Heartache」にケヴィン・ラトマニスが参加しているので「2004年のセッションからの音源の可能性もある」と僕は書いていますが、CDブックレットにあるバズ・オズボーンのセルフ・ライナーノーツ(僕が原稿を書いた時点では未着でした)には「ケヴィンとまた一緒にやれて嬉しい」と書いてあるので、最近になってのセッションのようです。ただ、もしかしたら2004年に録ったのに皮肉でそう言っているのでは…?と疑ってしまう自分の心の黒さが憎いです。

どういう曲をカヴァーしているかはSPINのインタビューに載っています。

QUEENS OF THE STONE AGE: …LIKE CLOCKWORK

f:id:yamazaki666:20130507162120j:image

【急告】明日正午から新曲全曲演奏ライヴのストリーミング放送があるそうです。

QUEENS OF THE STONE AGEのニュー・アルバム『…LIKE CLOCKWORK』のライナーノーツを書かせていただきました。あと歌詞対訳もやらせていただいています。

約6年ぶりの新作、過去作を受け継ぎながら、さらに新しい次元に到達しています。サウンドにしても曲構成にしても歌メロにしても歌詞にしても刺激的で聴くたびに発見があって、2013年で最も多く聴くアルバムになりそうです。聴くたびに自分の中で評価が上がっていって、現時点で傑作レベルなので、今年の終わりごろには神の領域に達しているかも知れません。

ところでこのアルバム、いろんな豪華ゲストが参加していますが、誰がどの曲に参加しているか今日時点で判っているのは「Fairweather Friends」にエルトン・ジョン(ここ情報)、「Kalopsia」にトレント・レズナー、「I Appear Missing」にデイヴ・グロールぐらいです。SCISSOR SISTERSのジェイク・シアーズはディスコ調?の「Smooth Sailing」参加かな?という気がしますが、正式なクレジットは未だありません。

来日の話も少しだけ噂レベルで聞きますが(本当にゴシップレベルで、信憑性も何もなし)、本当のところは知りません。この人たちは正式発表があったからといって油断ならないので、このアルバムを聴きながら祈りましょう。

2013-05-21

レイ・マンザレクが亡くなったそうです…

——-

元RAINBOWのデヴィッド・ストーンへのインタビュー。いろいろ興味深いです。『ON STAGE』でプレイしたと主張しているのは、実際にはスタジオで録ったテイクがあるのか、それとも「ゴールドディスクをもらったから自分はプレイしているのに違いない」という錯覚なのか。あと、クビになったのではなく自分から辞めたのだと強調しています。 ロニー・ディオがBLACK SABBATHに加入する前にソロ・アルバムを作ろうとしていたというのも、僕には初耳でした。 さらにリッチーについて「He was always prejudiced against African-American people」とか。

続・アフィ乞食受難の時代

昨年8月にアマゾンのCDアフィリエイト代が2%に下げられたわけですが、今度は書籍が3%に下げられました。アマゾンアフィはたまにCDをタダでもらえるのが嬉しかったのですが、そんなささやかな幸せも奪おうというのか。

Amazonアソシエイト・プログラム紹介料率変更のお知らせ

平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。

Amazonアソシエイト・プログラムでは長期的なサービス品質向上を念頭に、Amazonアソシエイト・プログラム運営規約第15条に従い、2013年6月1日より一部商品カテゴリにおいてアソシエイト紹介料率を改訂いたします。

改訂となるカテゴリおよび新紹介料率は下記の通りです:

PCソフト(ダウンロード商品を除く)/ おもちゃ(ホビー含む): 固定2%(1商品1個の売上につき紹介料上限1,000円))

本(Kindle本を除く):固定3%(1商品1個の売上につき紹介料上限1,000円)

また、紹介料受取り方法にAmazonギフト券を指定している場合の紹介料受取り下限を、現状の1,500円以上から500円に引き下げます。この変更に伴い、より手軽かつ簡単に紹介料を受け取ることが可能になります。

何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

Amazonアソシエイト・プログラム

モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦【ややネタバレ】

f:id:yamazaki666:20130518172816j:image

映画『モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦』を見ました。

『セレブリティ・デスマッチ』のモンスター版という感じで、フランケンシュタインの怪物とか狼男とかゾンビとか吸血鬼とかスワンプシングとかが対決するわけですが、設定だけで話が完結してしまっているので、誰が優勝しようがどうでもよく、予告編だけでも十分な気がします。

フランケンシュタインの怪物を演じるのは、W★INGで来日したことがあるゴライアス・エル・ヒガンテで、彼がトーナメントに優勝した後、「俺と戦え!」と迫るのがゾンビ化したケヴィン・ナッシュ。どの映画も大した役柄ではないくせに、ナッシュが出演しているというだけで映画そのものがしょっぱくなってしまいますが、オチがゴライアス・エル・ヒガンテvsナッシュというのはしょっぱ過ぎます。

あとリングアナウンサーがWWFの名物マネージャー、ジミー・ハートだったり、レフリーがUFCのハーブ・ディーンでした。

The Girl

f:id:yamazaki666:20130518165857j:image

TV映画『The Girl』を見ました。

先日見た映画『ヒッチコック』は『サイコ』撮影時に嫁さんが他の男によろめきかけたとかそういう話でしたが、本作は『鳥』制作秘話(のようなもの)が描かれています。

ヒッチコックが外見・内面共にとても気持ち悪いフリークスな人に描かれていて、ティッピ・ヘドレンにセクハラ粘着します(車中でチューを迫ったり、誰もいないスタジオで「触ってくれ」と言ったり)。でも彼女がなびかないので、公衆電話に鳥が突っ込んでガラスが割れるシーンとか、鳥に襲われるシーンとか、嫌がらせ?と思わせる危ない撮影をします。『鳥』完成後もまだ粘着して、次の作品『マーニー』にも起用して、「you must be sexually available to me at all times ( ー`дー´)キリッ!」と宣言したりしますが、やっぱりなびかないので、それで絶縁します。途中で「俺は嫁さんとしかセックスしたことないんだ!」と叫んだりします。

アンソニー・ホプキンスが演じるヒッチコックがまだ”愛すべき天才”的な部分を残していたのに対し、トビー・ジョーンズが演じるヒッチコックはとても気持ち悪く感情移入できない名演技を見せてくれます。ティッピ・ヘドレンを演じるのは『G.I.ジョー』でヒロインを演じていた姉ちゃんです。

TV映画だからといって『ヒッチコック』より質が落ちるわけではなく、よりエグい作りで面白かったです。

Beware Of Mr. Baker

f:id:yamazaki666:20130518162316j:image

ジンジャー・ベイカーのドキュメンタリー映画『Beware Of Mr. Baker』のDVDが出たので見ました。

ジンジャーといえばずいぶんとクセのある人で知られており、ロンドンでの映画公開時のトークショーでもいろいろあったようですが、この映画の撮影中には監督が鼻骨をへし折られています。自伝『Hellraiser』でも毒を吐きまくりですが、映画中でもいろんな人をボロカスに貶しています。

内容はジンジャー本人へのインタビューあり過去映像ありの1時間半で、特典映像とかは無し。

ミック・ジャガーがアレクシス・コーナーのBLUES INCORPORATEDのステージに上がってきたとき、ジンジャーは「何だこの若僧は?」と思って、わざと難しいジャズのパターンを演奏して困らせたりしたそうです(ジャック・ブルースも一緒になってやっていた)。そのことを語るとき、少しだけミックの真似?みたいなのをしていて笑えます。

ビル・ラズウェルとの出会いについて、僕とのインタビューでは「俺がイタリアに住んでいるのを、探し当ててきた」と語っていましたが、ジョン・ライドンに「ジンジャー・ベイカーを見つけてくれ」と依頼されたのだそうです。

演奏シーンも多いのに加え、俳優として出演したTVドラマ『Nasty Boys』のシーンを見ることが出来たり、CREAM再結成のギャラで馬を24頭買ったとか、南アフリカの牧場の管理人の名前がカイ・ハンセンだとか、面白いエピソード満載です。 ちなみにHAWKWINDとBBMの話題は一切出てきませんでしたが、それを抜きにしても必見でしょう。

本作でインタビューを受けているのは:ジョン・ライドン/エリック・クラプトン/スチュワート・コープランド/マーキー・ラモーン/チャド・スミス/ジャック・ブルース/チャーリー・ワッツ/ピート・ブラウン/デニー・レイン/ニール・パート/ビル・ワード/カーマイン・アピス/ラーズ・ウルリッヒ/ニック・メイスン/ミッキー・ハート/カルロス・サンタナ/スティーヴ・ウィンウッド/サイモン・カーク/ボニー・ブラムレット/トニー・パーマー/フェミ・クティ/ポール・ガーヴィッツ/ビル・ラズウェル/クリス・ゴス などです。