エロール・フリンふたたび

あまり家の台所事情をあからさまにするのは按配が良くないと思うのですが、先月スペインに行ったときのクレジットカードの払いで困窮のどん底なのでした。

でまあ連休ではありますが、家でDVDでも見ていようと。

そして買ったまま放置してあった『ロビン・フッドの冒険』(1938)を見たわけです。

素晴らしいッ!!

ガキの頃から何度となく見てきた映画ですが、やはり傑作中の傑作です。

あまりに快男児に描かれているため、ピンチになったりすることもなく、そういう意味でスリルはないのですが、とにかくカッコ良すぎ。

『海賊ブラッド』も『シー・ホーク』も大好きだけど、やはりこれがエロール・フリン最高傑作です!

大人になったらエロール・フリンになりたい!という思いを新たにしました。

最後の剣戟、特にロビン・フッドと悪代官がチャンバラする光景がシルエットに映るシーンは鳥肌が立ちっぱなしです。

映画本編も最高に凄いのですが、さらにこのDVDで凄いのはボーナス・ディスク。

ボツシーン、撮影時のフッテージに加え、ルーニー・テューンズ『Rabbitt Hood』『Robin Hood Daffy』、1938年に作られたいろんなワーナー系映画のNGシーン集。

特にテクニカラーの歴史をたどった1時間のドキュメンタリー『Glorious Technicolor』が最高!

『百萬弗の人魚』のダンス・シーンはストーナーもサイケも超えた発狂もので、金がないにも拘わらず、『ザッツ・エンタテインメント』DVD BOXは絶対に買う!と心に決めました。

この『ロビン・フッドの冒険』、12月には廉価盤が出ますが、ぜひ皆様にはボーナス・ディスク付きの2枚組で押さえて欲しいです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000DJWMP/stonersunshin-22

ロジャー・ムーアその5

『ゴールド』Gold (1974)は当時ブームとなっていたパニック映画ブームの流れで日本公開されたそうですが、南アフリカの金鉱で鉄砲水が噴き出すという以外、あまりパニックしてません。

株とか出世がどうとかいう、難しい話がメインです。

レイ・ミランドがフィーチュアされたDVDジャケットからも、華のなさが漂ってきます。

ムーアは金鉱採掘会社のジェネラル・マネージャーで、同僚だか上司だかの嫁さんとデキています。

アクションやバトルは少なく、出世したり、暖炉の前でよその嫁さんとセックルしたり、混浴したり、一緒に土人ダンスを鑑賞しています。

しかし、その嫁さん役がスーパーマンの母ちゃんことスザンナ・ヨークなので、あまり嬉しくもありません。

でも最後、自ら決壊した金鉱に赴いていくあたりは、さすが口ジャー・ムーア!です。

手が挟まってギャー!と叫ぶあたりはちょっと可哀想です。

これもウィルバー・スミス原作ですね。

この他、口ジャー・ムーア冒険映画はいろいろありますが、またの機会に。

ところでムーアといえば007以前にTVシリーズ『天国野郎セイント』でブレイクしているわけですが、現在完全版がDVD化されているのはフランスのみ。

(イギリスではシーズン1が出ているので、いずれ全部出るはず)

一度はamazon.frで注文したのですが、スペインに行って困窮のどん底なので、キャンセルしてしまいました。

今度まとまった金が入ったら購入するつもりです。

ロジャー・ムーアその4

『北海ハイジャック』North Sea Hijack(1980)でのムーアはヒゲ顔、女嫌い、猫が大好き。

ジェームズ・ボンドとは一番距離がありそうですが、沈着冷静な海洋テロ対策スペシャリストという、かなり007が入ったキャラを演じています。

アンソニー・パーキンス演じるテ口リストが北海の油井を乗っ取って、膨大な身代金を要求。油井が爆破されたら、イギリス経済への大損失と人命の損失がある。イギリスの女首相は悩んだあげく、民間スペシャリストのフォルクス(ムーア)を雇うことにした、という内容です。

ムーアとパーキンスの知能戦が手に汗握る作品で、今回観た5作の中ではベストかも知れません。

フォルクスFFOLKESのFFOを鏡に映すと077になるわけで、タイトルも007へのオマージュなんだとか。

ロジャー・ムーアその3

『口ジャー・ムーア/冒険野郎』Shout At The Devil(1976)は第ー次世界大戦直前、アフリカでの話。

ムーアがイギリス人冒険家、リー・マーヴィンがアメリカ人密猟者がドイツ軍を敵に回して大冒険、軍艦を破壊せよ!というものです。

マーヴィンの娘とムーアの間に出来た赤ちゃんがドイツ軍の手先のアフリカ黒人に殺されるなどのシリアスな展開もありますが、基本的にムーアとマーヴィンの漢っぷりと拳の応酬を楽しむ作品です。

『007は二度死ぬ』のショーン・コネリー日本人コスブレを思わせる、ムーアの黒人コスブレも一見の価値あり。

原作はウィルバー・スミスです。

かつてウィルバー・スミスやアリステア・マクリーン、デズモンド・バグレイの冒険小説はかなりの人気があった筈ですが、最近はどうなのでしょうか。

レン・デイトンは『ボーン・アイデンティティー』が比較的最近映画化されましたが、あれも昔の小説だし。

ロジャー・ムーアその2

『ワイルド・ギース』(1978)はリチャード・バートン率いるプロフェッショナル傭兵軍団がアフリカ某国で幽閉されている元・元首を救出する戦場アクションです。

男にゃめっぽう強いが女にゃめっぽう弱い飛行機操縦のプロフェッショナル、ムーア。『オルカ』とか『ジャガ一ノート』とか『ハリー・ポッター~』など、ラフでタフなアイルランド人を演じさせたらピカイチのリチャード・ハリス。今いち影が薄いハーディ・クルーガーを筆頭に、私設軍隊が情け容赦なく黒人を殺しまくります。

で、手に手に銃や蛮刀を持った黒人軍隊に追われ、脚に怪我を負ったハリスの眉間をバートンが一撃!

「あの黒人どもに捕まったら肉片にされてしまう。その前に殺した方が奴のためだ」。

全体的にそんなドライな空気が流れており、あんまり力タルシスはありません。

この映画を作った会社が速攻で潰れ、リチャード・バートンが死んでしまったため、『ワイルド・ギース2』はまったく違った映画になりました。ムーアも出ていません。

ロジャー・ムーアその1

口ジャー・ムーアといえば三代目007として有名ですが、それと同時期に数々のアクション映画に出演していたことでも知られていますね。

でも、その多くは日本では忘れ去られ、DVD化すらされていないものも少なくない状況。

そんな口ジャー・ムーア裏番組映画をイギリス盤DVDで5作入手したので、感想などを簡単に記しておきます。

どの作品も以前映画館あるいはテレビの洋画劇場で観たものばかりですが、記憶がダンゴになっていたので、これを機会にメモしておかねばと考えた次第です。

『オフサイド7』Escape To Athena(1979)は第ニ次世界大戦中のギリシャを舞台に、多国籍レジス夕ンスがナチのミサイル基地をぶっ壊す話です。

ムーア、テリ一・サヴァラス、デヴィッド・ニーヴン、リチャード・ラウンドトゥリー、エリオット・グ一ルド、サニー・ボノ、ステファニー・パワーズ、クラウディア・力ルディナーレと芸達者な面々が繰り広げる大冒険!

8人いるのに邦題が『オフサイド7』なのは事情がよく判りませんが(パンフとかで説明してるのかも)、

事実上の主人公は刑事コジャックことサヴァラス。現地の女たちをナチ相手の売笑婦にして情報収集にいそしみ、敵の基地に潜入して大暴れ。

最後にはギリシャ・ダンスも披露してくれます。

で、ムーアは男にゃめっぽう強いが女にゃめっぽう弱いナチ将校ですが、あっさり金銀財宝目当てにレジス夕ンス側に寝返ります。

はっきり言って賣国奴ですが、「オレはオーストリア人だからドイツはどうでもいいんだよ!」の一言で済ませてしまいます。

それにしてもムーアのドイツ訛りはヘタクソ。

けっこうライトタッチのアクション物なので、軽い気分で見ることが出来ます。

監督は後に『ランボー怒りの脱出』とか『コプラ』とかのスタローン物で成功するジョージ・P・コスマトス。

ナチ秘密基地の兵士がショッカ一の戦闘員みたいですが、史実でもあんなだったのでしょうか。

ペーパーバック・ライター

もう10年前ぐらいでしょうか、少女小説を書こうと思いたったのは。

氷室冴子に年間1万通、女子高生からファンレターが来ると知って、俺も書くしかない!といろいろアイディアを練り始めたのですが、

「バスケ部のちょっと不良が入った先輩が実はモサドだった」

とか

「バスケ部のちょっと不良が入った先輩が実は宇宙人だった」

とかで、タイトルも

『有刺鉄線電流爆破ちんこ』

とかしか浮かばなかったので、頓挫していました。

しかし、モグワイのライヴを見ているとき、突然天啓があったのです。

「OLを主人公にした恋愛小説を書くのだ」、と。

さっそくストーリーを練ってみました。

主人公は30代にリーチがかかった独身OL。

派遣社員で彼氏ナシ、週末は友達と飲みにいったり、年1~2回は海外旅行に行ったりして、それなりに充実した毎日を送っている。

でも、そろそろ変化が欲しい今日この頃…。

そんなある日、職場にM.B.A.留学していた男性社員がやってきた。

ものの考え方が妙にアメリカナイズされていたりして、小さな衝突もあったりするが、彼女は徐々に彼に惹かれていく。

だが、彼にはちょっとした秘密があった。

…そう、彼は実はモサドの一員だったのだ!