GARY MOORE @ソウルオリンピック公園フェンシング競技場 (Olympic Gymnasium #2)

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会場は武道館のアリーナに代々木第二のスタンドが付いたようなところ。わかんないけど3,000人ぐらいでしょうか。満員に近い状態でした。

開演前、スクリーンにプロモーターAccess Entertainmentが過去に招聘したアーティストの映像が次々と。METALLICA、DREAM THEATER、SLIPKNOT、LINKIN PARK、ジャミロクワイ…「AND NOW」とテロップが出て、GARY MOOREとロゴが。観客大ヒートアップ。

開演は8時を少し回ってからで、日本公演と同じ「Oh Pretty Woman」からスタート。観客は座ったまま。大阪公演にしてもそうだけど、一番暴れそうな人たちなのに着席したままなのですね。でも座ったままなのに歓声は日本より凄かったです。「Have You Heard」前のカウントでも笑いをとれていました。

ゲイリーの演奏とセットリストは基本的に日本公演と同じでしたが、「Too Tired」をカット。各曲前のギター・ソロも省略が多く、日本と較べてややあっさりめでした。それでも弾くときは弾きまくり、極東ツアーを締めくくるに相応しい熱いライヴでした。

「Still Got The Blues」を演る前、カンペを手にして「この曲をイー・ジュンファン(だか誰だか。名前は忘れました)と、亡くなった人々に捧げる」とMCで言っていました。

アンコールでゲイリーが観客に立つことを促すと、一気にみんな立ち上がって盛り上がります。「Hey!Hey!」「The Blues is Alright!」のかけあいのところ、みんな曲を知らないのか「Hey!Hey!」「Hey!Hey!」と返し、ゲイリーが困った顔をして途中から自分で全部歌っていましたが、盛り上がりは凄かったです。

ラストはもちろん「Parisienne Walkways」。男同士で抱き合って泣く観客もいます。ゲイリーは「また来年来るよ!」と言ってステージを後にしました。

Tシャツやパンフレットなどのグッズはなし。場外売店では『BAD FOR YOU BABY』『CLOSE AS YOU GET』『OLD NEW BALLADS BLUES』韓国盤CDが売られていました。『CLOSE AS YOU GET』『OLD NEW BALLADS BLUES』はデジパックで、ブックレットが付いていません。(c)が2008年になっているし、カタログ番号も隣り合っているので、『BAD FOR YOU BABY』リリースにあわせて再発したっぽいです。カタログ番号はそれぞれSSGのCMCC-8236とCMCC-8237。通常13,500ウォンのところ10,000ウォンで、3枚いっぺんに買うと25,000ウォンというディスカウントぶりでした。

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↑場外売店。

終わった後のトッポギとオデン(オデン汁飲み放題)がうまかったです。そしてさらに焼肉。

ソウル初日

Murder in the skies, came without a warning~♪ と鼻歌を歌いながら、韓国のソウルに行ってきました。

韓国は初めてです。今まで特に行く用事もなかったし、飛行機で2時間弱と近いからいつでも行けると思っていて、機会がありませんでした。

ソウル到着後、宿に荷物を置いて、ひとまずミョンドン(明洞)に。

フェヒョン(会賢)地下街の中古レコード店エリアに行きました。それなりに店の数は揃っているものの、クラシックや韓国歌謡曲の占める割合が多く、英米ロックのLPは韓国盤より英米盤が目立っていて、ちょっと期待外れでした。もっと隅から隅まで探せばいろいろあったのかも知れませんが、時間もないので、ササッと見ただけ。

何も手続きとかしてないのに、携帯に日本から電話がかかってきました。

THE HEADS: LIVE AT KOKO

2009年10月11日、ロンドンのCamden Kokoでのライヴを収録。46分37秒、全8曲ですが、CDのチャプターはひとつです。

新旧の曲にひゅんひゅんスぺーシーなエフェクトが駆け巡るフル・ライヴで、聴いていて酔います。限定150枚。最初の50枚にはTHE WHOの『LIVE AT LEEDS』みたいな紙袋が付いているそうですが、僕が持っているのは105番なので、付いていません。でも内容が極濃なので、にたにた笑いが止まりません。

NEBULA / QUEST FOR FIRE: split 7”

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これがNEBULA最後の音源となってしまうのでしょうか。カナダのQUEST FOR FIREとのスプリット7”です。

NEBULAの「The Perfect Rapture」はちょっと暗めのミッドテンポ・リフの曲。佳曲ではあるのですが、これで終わりだとしたら惜しいなあ。QUEST FOR FIREの「In Place Of The Storm」もリフ・ロックの佳曲です。赤盤。

THRONES: Wage War b/w Trmph Lfe

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HIGH ON FIREやHARVEY MILKに加入しながら短期間で脱退、THRONESを復活させて現在NADJA、OVOとのヨーロッパ・ツアー中のジョー・プレストンですが、コンピレーション『DAY LATE, DOLLAR SHORT』以来の新音源7″が登場(実際には2年ぐらい前の音源だとか)。意外にまっすぐなヘヴィ・スラッジ・ロックで、聴きやすいです。この路線でフル・アルバムを作ってくれたら、そうとう凄いものになると思います。

Conspiracy Recordsのサイトでは「Late For Dinner」というタイトル表記になっています。青盤は100枚オンリー、通常盤はクリア盤。

MELVINS: THE BRIDE SCREAMED MURDER

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MELVINSの新作『THE BRIDE SCREAMED MURDER』を聴きました。

近年の『(A) SENILE ANIMAL』(06)と『NUDE WITH BOOTS』(08)はぶっとい背骨が通ったストレートなヘヴィ・ロック・アルバムでしたが、BIG BUSINESSとの合体によるツイン・ドラムス編成、そしてトシ・カサイがサウンドメイキングに深く関わるようになって音そのもののテキスチャーに凝るようになりました。今回はさらに曲構成そのものにもひと捻り入れています。

1曲目「The Water Glass」からしてイントロはガツンとヘヴィなリフで攻めますが、途中から海兵隊のコールみたいになります。「Evil New War God」も前半はヘヴィ・ロックで、後半ドラム・ソロが入ります。「Pig House」「I’ll Finish You Off」も凝った構成だし、「Inhumanity And Death」は最初アップテンポのハードコアかと思ったら途中でグルーヴ・メタルに変化する肉体派ナンバーでありながら、曲の端々にちょっとした工夫があり、スピーカーで大音量で聴くのとヘッドフォンで聴くのと異なった楽しみ方を出来ます。

THE WHOの「My Generation」をカヴァー、原曲の面影がほとんどないスローにひきずるリフ・アレンジがまた良いです。

ラスト「P.G. x 3」はピアニカ~アカペラ~子供の声~カウントという、何が何だか判らないけど荘厳な曲です。

前半ヘヴィ・ロックをやって後半変なことをやるという二分化が明確な曲が多いので、よくわからないことをやっているわりには支離滅裂になってしまわないのが特徴でしょうか。それでも全編油断がならない危険なアルバムです。ぜひこのアルバムからの曲をライヴで見たいです!

GARY MOORE @東京国際フォーラムホールA

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大盛り上がりの中、ジャパン・ツアー終了。ゲイリーは花束を持ってきた女性をステージに上げてハグするご機嫌ぶり。

いっぺんに5回もゲイリーのライヴを見たのは初めてなので、もう感無量です。

GARY MOORE @JCBホール

演奏も良く、会場の音も良く、観客のノリも良く、大いに盛り上がりました。ゲイリーは弾いて弾いて弾きまくって、「Parisienne Walkways」のロング・フィードバックは3回、おまけに最後にもフィードバックをかまし、そのせいでラストのアイリッシュ・モチーフに入る箇所をちょっとトチりました。でも、あまりに凄まじいギターの昂ぶりの前には、そんなのは些細なことに過ぎません。

「また来年来るぞ。来年来て欲しいかーっ!」と強調していました。

いよいよ明日がジャパン・ツアー千秋楽!

ところで今日ようやくツアー・プログラムを購入したのですが、本当に翻訳が酷すぎ。「2010年のGaryはどちらかというと、音楽的なクロスロードにいます。」から延々と、中国製の花火の但し書きみたいな糞翻訳が続きます。あとはフォトショップで加工したみたいな写真が延々と続くので、買わなくていいと思います。

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ジャニーズJrさんのお母さまが真壁刀義のお母様と友達だという衝撃事実が発覚。

GARY MOORE @グランキューブ大阪

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やはり超最高のライヴでしたが、渋谷AX、名古屋と較べるとややあっさりめ?観客の大半が着席していて、ゲイリーに煽られて本編ラスト「Walking By Myself」から立ち上がりました。「Have You Heard」イントロのカウント「ワーーン、ツーー、スリーー、フォーー」がえらく長いのは他公演ではウケていましたが、大阪のみ反応なし。そのせいでしょうか、曲イントロの遊び的フレーズが少なく、「The Blues Is Alright」最後の、曲が終わってから「もう一丁!」と再開するrepriseがありませんでした。

グランキューブ大阪はかなり大きな会場でしたが、観客動員は上々。やや大人しめではあったものの、ゲイリーに熱い声援を送っていました。

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朝、こまごまとした用事をこなして、新宿にパスポートを取りに行って、その足で新幹線で大阪へ。

タイムボムキングコングGraveをちょっと覗きました。タイムボムがレンタルを始めていました。それから御堂筋を難波から梅田まで散歩して、ライヴ会場に向かいました。

終演後はさっさと深夜バスで帰京。

ALCATRAZZ再発

去年末から今年4月末までリリースされてきたALCATRAZZの9作のライナーノーツを書かせていただきました。全作品のライナーノーツはすべて異なった内容です。共通バイオグラフィに個別解説を付けてお茶を濁すような真似はしません。頑張りました。さらに購入特典ブックレット用のグラハム・ボネット1万字インタビューも書きました。ALCATRAZZだけでトータル4万5千字ぐらい。ひえー

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JOURNEY: LIVE IN MANILA

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JOURNEYの去年3月の来日公演後、マニラで撮影されたDVD『LIVE IN MANILA』を見ました。

日本公演でも新加入のフィリピン人シンガー、アーネル・ピネダの気合いが入りまくりだったのですが、地元マニラでの凱旋公演ということで、さらにテンションが高いです。自分の存在を100%以上アピールするべくとにかく歌いまくり動きまくり。フィリピン人で顔(というか鼻)がスティーヴ・ペリー似というのがちょっと笑えますが、ヴォーカルはスティーヴ・ペリー以上にスティーヴ・ペリーしています。アーネル・ピネダのステージ・アクションと鼻を見ているだけで元気をもらえます。

GARY MOORE @Zepp Nagoya

そしてゲイリー・ムーアは名古屋でも最高だったのでした。

ゲイリーと観客のあいだに緊張感が張り詰めていた初日と較べ、余裕の笑顔すら浮かべながらも、やはり弾いて弾きまくります。名古屋だからあまり観客動員は良くないかな?と甘く見ていたら、ずいぶんと入っていて、しかも大盛り上がりでした。

「Parisienne Walkways」はイントロに「Black Rose」でおなじみ「Will You Go Lassie Go」(だっけ?)を挿入、ラストには2005年ダブリンでも披露されたアイリッシュ・モチーフを取り入れるなど、すっかり“フィル・ライノットに捧げる曲”になった感があります。

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朝起きて家のこまごまとしたことをやって11時ぐらいに出かけて、13時半過ぎに名古屋到着。ETERNAL ELYSIUM岡崎さんおすすめのドゥーム味噌カツ屋『味処 叶』に向かうも、14時で昼の部が終わってしまっていて、仕方なく矢場とん本店に行ってランチしました。

それからバナナレコードレコードショップアンサー、同じビルのマージービート、格闘技専門店公武堂などを回って、17時に再び『味処 叶』へ。店内には芳香剤の臭いが。そして味噌カツ丼(大盛り)はもはや何の肉か判らない濃厚な味わいでした。ドス黒い色彩の味噌ソースを覆い隠すオプションのネギ、具のでかいアサリ味噌汁も堪能しました。名前こそ味噌カツでも、矢場とんとはまったく別の料理でした。

華やかな大津通りを”光”とするならば、横道を入った『味処 叶』は”闇”でしょうか。闇の味に溺れました。誰かを道連れにしたくなる味です。

さすがに昼食夕食とも味噌カツというのはダメージが大きく、ライヴ中えらく胃もたれしました。

そしてライヴ終演後、新幹線に乗って東京に戻りました。

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WWEからフナキ、シェルトン・ベンジャミン、ジミー・ワン・ヤン、スラムマスターJ、ミッキー・ジェイムズ、ケイティ・リー・バーチル、マイク・ノックスが解雇されたそうです。

GARY MOORE @渋谷AX

21年ぶりのジャパン・ツアー初日。この日が日本初演となる「Still Got The Blues」、もう20年間プレイしてきた曲だというのにヴォーカルをトチって照れ笑いしてしまうゲイリーがいとおしくてたまりません。

しかしブルース路線に入って何回かライヴを見ましたが、ここまで速弾きを決めまくりなのは初めて。「Too Tired」ラストなんて「End Of The World」イントロみたいでした。

ギターの音色も体型も、さらにごっつくぶっとくなっていました。バック・バンドは見事に老人ばかりでした。

ブルース路線に入った当初は生真面目なところが目立っていましたが、20年経って良い形でラフに崩れて、もはやブルースがどうとかロックがどうとか関係ない孤高の世界に到達しています。今、世界でこういう音楽をやっている人は他にいません。

ギターを情念のおもむくまま弾きまくり、泣かせまくる約1時間40分、胸がいっぱいです。

日本のファンが21年間待ったかいのあるライヴだったと思います。

Oh Pretty Woman / Bad For You Baby / Down The Line / Since I Met You Baby / Have You Heard / All Your Love / I Love You More Than You’ll Ever Know / Too Tired / Still Got The Blues / Walking By Myself // The Blues Is Alright // Parisienne Walkways

明日からゲイリー・ムーア21年ぶりのジャパン・ツアー開始

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ゲイリー・ムーアの『CORRIDORS OF POWER』が、本格的にハード・ロックを聴くようになる入り口でした。それから四半世紀以上、さらにヘヴィな音楽へと進んでいき、しまいにSUNN O)))の日本盤CD全タイトルのライナーノーツを書くまでに至りました。

ゲイリーの人生を変えたアルバムがJOHN MAYALL’S BLUESBREAKERSの『BLUESBREAKERS WITH ERIC CLAPTON』だという記事を読み、さっそく図書館でLPを借りて、それをきっかけにブリティッシュ・ブルースを聴くようになりました。それからアメリカ黒人ブルースにも進んでいき、B.B.キングやバディ・ガイ、ジョン・リー・フッカー、ピーター・グリーン、ジョニー・ウィンターなどにインタビューするようになりました。

ゲイリーがSKID ROWやCOLOSSEUM IIなどのプログレッシヴ系ロック・バンドに在籍していたせいで、アンダーグラウンドなオールド・ブリティッシュ・ロックを少しずつ掘り下げるようになりました。

ゲイリーが何種類もリリースしたシングルや過去参加したセッション音源のレコードをひとつひとつ集めるようになったせいで、蒐集癖がつきました。今でも部屋はいろんなアーティストのレコードやCDでいっぱいです。

音楽について文章を書くことになったのは、今はもうないGold Waxという雑誌でゲイリーについて書いた時でした。気がついたら、それが仕事になっていました。

1994年にBBMのロンドンでのライヴを見たくて、ちょっとだけ勤めた会社を辞めました。それから1995年・1997年・1998年・1999年・2002年・2005年・2006年とイギリスやアイルランドにゲイリーのライヴを見に行きました。

音楽ライターとしては、これまでゲイリーに12回インタビューしました。

(1995.05.19 – 1996.11.28 – 1997.04.20 – 1999.10.26 – 2001.02.26 – 2002.08.21 – 2004.11.01 – 2005.10.05 – 2006.04.28 – 2007.06.11 – 2008.10.06 – 2009.07.03)

ゲイリーは少年時代の僕の音楽の聴き方に影響をおよぼし、新しい世界への扉を開いてくれ、今なお刺激を与えてくれる存在です。

そのゲイリーが21年ぶりに日本上陸。明日からジャパン・ツアーを開始します。好きなアーティストのライヴを見るときはいつもドキドキしますが、普段以上に胸が高鳴ると思います。

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ミスター・ヒトが亡くなったそうです。

CATHEDRAL: THE GUESSING GAME

CATHEDRALの新作『THE GUESSING GAME』を聴きました。ここ数作が初期と較べるとパワーダウンで、しかも5年近くご無沙汰という状態のため、もう終わったのではないかと不安だったのですが、えらく良いですよ!

アルバムは2枚組で、長い曲が多いです。イントロに続く「Funeral Of Dreams」からしてドゥーム・メタルとイタリアン・ダーク・メタルを融合させた8分半の面妖な曲。それ以降も1曲の中に起承転結の旅路があるプログレッシヴかつ怪しげな曲が続きます。「Cats, Incence, Candles & Wine」の曲展開とメロディの逸脱ぶりも見事に怪しいです。「The Running Man」は「21st Century Schizoid Man」風の硬質リフが8分半を経て徐々に崩壊していきます。

タイトル曲「The Guessing Game」は3分のインストで、メロトロンとフルート(あるいはそのサンプリング)が英国叙情垂れ流しです。

でも怪しげな曲ばかりではなく、「Casket Chasers」は「Hopkins」を思わせるアップテンポのメタル・ナンバーです。あと「Requiem For The Voiceless」は正調ドゥーム・メタル。

これまで『CARNIVAL BIZZARE』の「Night Of The Seagulls」、『ENDTYME』の「Templars Arise!」で『エルゾンビ』大好きっ子ぶりを露わにしてきた彼らですが、今回は『エルゾンビIII/死霊船大虐殺』を歌った「Ghost Galleon」!どれだけ好きなんだ!

ラスト「Journey Into Jade」はバンドの20年の軌跡をたどる曲。紆余曲折の道程を描いた10分半の叙事詩がオールド・ファンを泣かせます。

もちろん懐古に終始するわけでなく、時代を超えたユニークな音を作っていて素晴らしいです。

アルバム発表を記念して、サイトのCATHEDRALコーナーの更新もしていきたいです。

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Die Teufel Von Loudun

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クシシュトフ・ペンデレツキのオペラ『ルダンの悪魔』DVDを見ました。

ルーダンの悪魔憑きについては今年1月6日の日記にも書いています。

1968年に書かれたオペラで、最初CDで音だけ聴いたのですが、不協和音の合唱とかトーン・クラスターとか不安をかき立てる音楽が秀逸な一方、普段オペラとか聴きつけていないもので、物語をフォロー出来なくてどうもピンと来なかったのです。ドイツ語だし。それでDVDで見ることにしたのでした。

このDVDは1969年にTV用に撮影されたもので、マレク・ヤノウスキ指揮、ハンブルク市交響楽団演奏。尼僧ジョアンナがTatiana Troyanos、グランディエはAndrzej Hiolskiが演じています。

だいたい流れ的にはケン・ラッセルの映画『肉体の悪魔』と同様で、修道尼たちがレズ乱交したりグランディエが拷問火あぶりにされたりする描写もあります。どちらも原作がオルダス・ハクスリー『ルーダンの悪魔』なのですが、『肉体の悪魔』は1971年製作なので、あちらが影響を受けたのかも知れません。

音声がモノラルなのは残念なものの、音楽も映像も素晴らしく、英語字幕も付いているし、約1時間40分の異形の空間を堪能できました。

映画『シャッターアイランド』サウンドトラックでペンデレツキが再び注目を集めている今、ぜひ見てみましょう。ピャウ

2010-04-19

現時点で、ゲイリー・ムーア来日公演に関して変更はないようです。なにぶん天変地異のことなので、今後どうなるかは判りませんが。

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SOUNDGARDENが4月16日、シアトルのThe ShowboxでNUDEDRAGONSの変名で行ったライヴの音源を聴きました。「Beyond The Wheel」のクリス・コーネルのヴォーカルに背筋が凍りました。『SCREAM』で死んだかと思っていたのに凄すぎる

ディファイアンス

映画『ディファイアンス』をDVDで見ました。2008年製作。第二次大戦中のベラルーシの森の中でナチと戦うパルチザン3兄弟の話。悪人顔007のダニエル・クレイグがベラルーシのユダヤ人を演じています。題材ゆえに大ヒットは望めないけど、題材ゆえに必要以上に評価されそうでもある作品です。実話のまんまだと地味すぎるので最後のバトルを追加したそうですが、それでも十分地味な作品です。でも面白かったですよ。

エドワード・ズウィック監督作品は南北戦争で黒人が戦う『グローリー』とか明治維新で不平士族が戦う『ラストサムライ』とか、大きな戦争の中で戦うマイノリティの映画が多い気がします。でもどっちも見てないです。

ところでこの映画でダニエル・クレイグが話しているのはベラルーシ語なのでしょうか?

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バンコクの中古レコード屋に関する記述。今度行くときに備えてメモ。

ACID EATER / 奇形児 / VIVIAN BOYS / NOISE A GO GO’S @新大久保アースダム

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山崎マゾ率いるACID EATERの2枚目のアルバム『BLACK FUZZ ON WHEELS』レコ発ライヴ東京編。ファズでアシッドでガレージでロックンロールしていて良かったです。

奇形児は恥ずかしながら音を聴くのが初めてでした。ひえーすみません。意外にオーセンティックなハード・ロック(キーボード入り)に近かったです。かっこよかったです。しかし歌詞が微妙にこそばゆいものも

NOISE A GO GO’S、どこか見たことがあるような気がしたら、GORE BEYOND NECROPSYが改名したんですね。ヴォーカルの人は助っ人なんですか。

MIKE PATTON: MONDO CANE

マイク・パットンがイタリアンムード歌謡を歌う『MONDO CANE』を聴きました。

FAITH NO MOREで「Easy」とか「I Started A Joke」を情感たっぷりに歌うパットンがどこまで本気でやっているのかよくわからんのですが(再結成FAITH NO MOREのライヴでもマイケル・ジャクソンの「Ben」を真顔で熱唱しているし)、このアルバムでもオーケストラを従えて、朗々と50s&60sイタリアン・ポップを歌い上げています。「Urio Negro」ではギョエーと歌っているパートもあるのですが、あくまで例外。澄んだ目でじっと見つめられるようで、斜めからやられるよりも居心地悪く感じてしまうのは、彼の人徳でしょうか。

原曲は1曲も聴いたことがありません。