ELVIS PRESLEY: VIVA ELVIS

THE WiLDHEARTSはやはり殺気が必要だと思うのです。90年代の彼らはマスコミやレコード会社との軋轢を抱え、初期数回の来日公演は毎回が解散ツアー(後で撤回はしたけども)。そんな状況下、ジンジャーの書く曲は名曲揃いで、ライヴも凄まじかったのでした。

もちろん近年もアルバムは良いものばかりで、最新作『CHUTZPAH』もたっぷり楽しませてもらったのですが、かつての殺気はありません。あと最近のライヴの暖かくなごやかな雰囲気に、どこか違和感をおぼえてしまうのです。今月2日にはジンジャーの来日公演がありましたが、ソロ弾き語りでほんわかと盛り上がるのだろうと思い、パスしてしまいました。やっぱり行けばよかったと悔やみましたが、こぼしたスープに泣いても仕方ないです。

ジンジャーには何度かインタビューしたことがあるのですが、最近はあまり機会がなく、最後に取材したのは2003年のことでした。そのとき何故かエルヴィス・プレスリーの話題になりました。ちょうど「Rubberneckin’」のポール・オークンフォールド・リミックスが出た時期で、ジンジャーは「エルヴィスはいつの時代になってもリミックスされ続けるだろう。人類が滅亡する瞬間に流れているのは絶対エルヴィスのリミックスだ!」と語っていました。

こないだ出た『VIVA ELVIS』を聴くと、彼の言うことは正しいのではないかという気になります。このアルバムはシルク・ド・ソレイユのショー用に作られたもので、エルヴィスのさまざまな音源を切り貼りして、今風のトラックを加えたリミックス再構成作品です。THE BEATLESの『LOVE』みたいなものですね。墓荒らしとか冒瀆とか死ねとかボロカスの意見もありますが、手間暇かけたネタ作品としては良く出来ていると思います。新たに加えられた”今風”の要素が数年後にはダサくてかっこわるくなること確実だったりするものの(変なスクラッチとか、既にけっこうダサくてかっこわるい)、”2010年にエルヴィス・リミックスをやったらどうなるか”という命題に向きあっていて面白いです。おそらく2020年、2030年、人類が滅亡するまで、誰かがエルヴィスをリミックスすることになるのでしょう。

でも、どうせ聴くならリミックスじゃなくてオリジナルを聴いた方が良いと思いますよ。『ELV1S – 30 No.1 HITS』とか、安いベスト盤がいくらでもあるし。

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『エアベンダー』と『Devil』をDVDで。どちらもM.ナイト・シャマランなのでもちろんダメ。しかも愛すべきダメさでなく、愛せないダメさ。

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きのうパソコンのキーボードを買ったら、今日アップルケアプロテクションから代替品のキーボードが来ました。おせーよ。

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yamazaki666

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