ゲイリー・ムーアの『CORRIDORS OF POWER』が、本格的にハード・ロックを聴くようになる入り口でした。それから四半世紀以上、さらにヘヴィな音楽へと進んでいき、しまいにSUNN O)))の日本盤CD全タイトルのライナーノーツを書くまでに至りました。
ゲイリーの人生を変えたアルバムがJOHN MAYALL’S BLUESBREAKERSの『BLUESBREAKERS WITH ERIC CLAPTON』だという記事を読み、さっそく図書館でLPを借りて、それをきっかけにブリティッシュ・ブルースを聴くようになりました。それからアメリカ黒人ブルースにも進んでいき、B.B.キングやバディ・ガイ、ジョン・リー・フッカー、ピーター・グリーン、ジョニー・ウィンターなどにインタビューするようになりました。
ゲイリーがSKID ROWやCOLOSSEUM IIなどのプログレッシヴ系ロック・バンドに在籍していたせいで、アンダーグラウンドなオールド・ブリティッシュ・ロックを少しずつ掘り下げるようになりました。
ゲイリーが何種類もリリースしたシングルや過去参加したセッション音源のレコードをひとつひとつ集めるようになったせいで、蒐集癖がつきました。今でも部屋はいろんなアーティストのレコードやCDでいっぱいです。
音楽について文章を書くことになったのは、今はもうないGold Waxという雑誌でゲイリーについて書いた時でした。気がついたら、それが仕事になっていました。
1994年にBBMのロンドンでのライヴを見たくて、ちょっとだけ勤めた会社を辞めました。それから1995年・1997年・1998年・1999年・2002年・2005年・2006年とイギリスやアイルランドにゲイリーのライヴを見に行きました。
音楽ライターとしては、これまでゲイリーに12回インタビューしました。
(1995.05.19 – 1996.11.28 – 1997.04.20 – 1999.10.26 – 2001.02.26 – 2002.08.21 – 2004.11.01 – 2005.10.05 – 2006.04.28 – 2007.06.11 – 2008.10.06 – 2009.07.03)
ゲイリーは少年時代の僕の音楽の聴き方に影響をおよぼし、新しい世界への扉を開いてくれ、今なお刺激を与えてくれる存在です。
そのゲイリーが21年ぶりに日本上陸。明日からジャパン・ツアーを開始します。好きなアーティストのライヴを見るときはいつもドキドキしますが、普段以上に胸が高鳴ると思います。
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ミスター・ヒトが亡くなったそうです。