ジャック・ケッチャム原作の『黒い夏』を映画化した『THE LOST～失われた黒い夏』をDVDで見ました。2006年7月22日の日記に書いていたのですが、なんかズルズルと見ないままでいたのでした。キレやすすぎる若者を描いていて、良い映画でした。同じくキレやすすぎる人を描いた『フォーリング・ダウン』と較べてさらに刹那的で、若い女がブバーと血を噴いて死にます。主人公が見栄っ張りな小物という原作どおりの設定のみならず、全体的に安さが目立ちますが、それもそれでこの映画の魅力であります。
原作の真ん中へんのソープオペラっぽい箇所も入れるべきところは入れて、端折るところは端折っていますが、そのぶん原作のツボである日常が非日常へと変わっていくコントラストの妙味が出ていないこともあります。あと原作最後の勧善懲悪のオチがカットされていますが、突然終わってクレジットが出始めたときの虚無感が気持ち悪く良いです。
低予算ぽくて、僕が知っている俳優は『ET』とか『クジョー』でママ役のディー・ウォレスだけでした。監督のクリス・シヴァートソンは本作の後に作った『I Know Who Killed Me』でラジー賞”最低監督”部門を受賞。
で、主人公の家でパーティーをやっている時に突如大音量でBorisの「フリー」が流れます。予備知識がなかったので虚を突かれました。それ以外にもBLOOD DUSTERの「Drink Fight Fuck」とかジュリアン・コープ率いるBRAIN DONORの「Messages」が使われています。僕的にはジャームッシュ映画よりもこっちの方がハクが付く気がします。気がつかなかったけど、どこかで「無き曲」も使われているはずです。
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熊田曜子がSKUNK ANANSIE「Lately」ビデオに出てくる人たちみたいな目になっていて怖いです。
画像無断使用。ごめんなさい
このビデオ、超大好きです。ベースのキャス・ルイスは後にゲイリー・ムーアのSCARSに加入しました。
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どこも「広告ありき」で寂しいです。みんな最初は音楽が好きだったろうに。
