Princess Of Mars

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おなじみエドガー・ライス・バロウズの『火星のプリンセス』が原作のDVDスルー映画

2012年公開予定の『火星のジョン・カーター』の一足先に作ってしまい、それに加えてDVDパッケージには「これが『アバター』の元ネタだ!」と記すなど、徹底して志が低いです。しかもデジャー・ソリスを演じるのがトレイシー・ローズ。かつて未成年なのにXXX映画に出て問題になった彼女ですが、これは2009年作品なので41歳です。そんなあたりからも伝わってくる志の低さは、潔いほどです。日本の高齢SFファンは武部本一郎ヴァージョンのデジャー・ソリスで抜いていたそうですが、トレイシー・ローズを見て冒涜だ!と激怒しそうです。とはいえ、意外とお肌とかは崩れていません。

ジョン・カーターは『Drifter: Henry Lee Lucas』でヘンリー・リー・ルーカスを演じたアントニオ・サバトJr。『ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録』はルーカスの虚言癖を含めて元ネタにして映画化したのが良かったですが、『Drifter~』は”そんなたくさん殺してないだろ”的視点から作られているので地味です。

話を『Princess Of Mars』に戻すと、ストーリーは原作をきわめて緩くなぞっていますが、米軍兵士のカーターと一緒に中東のアヘン王も火星に転送されて、そいつもデジャー・ソリスに恋してしまい、火星の酸素製造工場でカーターと戦います。カーターは南北戦争でなく、現代のアフガニスタンだかどこかの戦場にいて、瀕死を負ったところを「お前の遺伝子情報はすべてこの16GBフラッシュ・メモリに収めてあって、この情報を火星に転送する」とか言われて、軍の実験として転送されます。あと原作ではカーターが火星語を覚えるのに苦労しますが、この映画ではサタン虫みたいなのを食べると周囲の全員が英語をしゃべるようになります。原作への敬意とか、特にないのがアリアリです。

ただ、そんな適当な中にもCGとかちゃんと使っていて、宇宙船とか宇宙蜘蛛の大群とかトーントーンみたいなのとかが出てきたり、夜空に変な星がいっぱい輝いていたりして、けっこう真面目にやっています。原作に過剰な思い入れのある高齢SFファンでなければ、屁でもこきながら楽に見れるし、レンタル屋で借りたりしてもさほどダメージはない筈です。ディズニー/ピクサーだとお子ちゃま向けになるかも知れないから、こちらと較べてそんなに良い映画になるという保証もないですしね。

しかし『シャーロック・ホームズ』とか、『パラノーマル・アクティビティ』に便乗した『パラノーマル・エンティティ』など、The Asylumは飛ばしまくるなあ。

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yamazaki666

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