実はRAGING SPEEDHORNにはあまりいい思い出がないのです。
彼らが初来日公演を行ったのが2001年4月、AMENとのジョイント・ツアーでした。当時KERRANG!で滅茶苦茶ハイプしていて、いちおう期待して25日、原宿アストロホールまで行ったのですが、なんかアメリカ系ヘヴィ・ロック・バンドを小型化したようなサウンドで、2人ヴォーカリストがいるのにそれぞれのキャラが立っていなくて、まあ”普通”でした。AMENがすごく良かっただけに、なおさらイマイチだと感じました。
当時のレコード会社の担当さんが彼らのアルバムの宣伝資料用に、いろんな音楽評論家とかライターとかDJとかからメッセージを集めていて、僕にもお声がかかったのですが、意向に添えるようなメッセージは書けないし、かといって断るのも角が立つしで、てきとうに言葉を濁してその場をスルーしました。数ヶ月後、宣伝資料にはいろんな方々の「ラウド・ロック*1の最終兵器!」とか「激ヤバ!」とか、バンドを絶賛するメッセージが列記されていました。チラシは捨ててしまったので、正確な文言ではありませんが。あのライヴを見て本気でそう感じたのか、それとも金さえもらえば何でも褒める嘘つきなのかは僕には判りません。
2回目の来日は2001年8月25日、横浜アリーナでの『Beast Feast 2001』でしたが、あまり記憶に残っていません。3回目の『サマーソニック02』でのステージは見てないです。2002年12月に4回目の来日をしていますが、行きませんでした。
3枚目のアルバム『HOW THE GREAT HAVE FALLEN』は実は彼らの作品では一番良かったぐらいなのですが、日本盤CDを出した日本クラウンが直後にメタル系から撤退してしまったので、プロモーションも何もなく闇に消え去りました。で、それから3年。5回目(たぶん)の来日公演が決まったわけです。今回の来日を最後に解散するそうです。
相変わらず2人ヴォーカルの芸風がかぶっていましたが、速い曲ありドゥームっぽい曲ありの起伏に富んだセットリストで、皮肉なことに、彼らのライヴを見てすごく良いと思ったのはこれが初めてでした。とても気合いが入っていて、解散がもったいない!と思いました。
FOCUSの「Hocus Pocus」も一瞬やっていました。
明日も同じ新宿アンチノックでライヴがあるので、お暇でしかもTHE WILDHEARTSに行かない方はぜひ。チケット代3,000円の元は確実にとれます。
2007年に完成、SPVからリリースされる筈がお蔵入りになってしまった4枚目のアルバム『BEFORE THE SEA WAS BUILT』の私家盤CDが会場の物販で売られていました。ライヴの最後、ステージから降りてそのまま観客の中を突っ切って物販に行って売り子をしていたハゲの方のヴォーカリストに哀愁が漂っていました。CDを買ったら「ポスターはいらないの?Tシャツは?」と勧められました。うちにはもう場所がないのでごめんなさいしました。
【追記】『BEFORE THE SEA WAS BUILT』って2007年にちゃんとリリースされていたんですか?現物を一度も見たことなくて、お蔵入りしたと思っていました…(´・ω・`)
バンドのmyspaceを覗いたら、夏にイギリス・ツアーを行った際に前座を務める筈だったBOSSKが解散していたのを知りました。残念です。ヘヴィさとアンビエンスと英国の森っぽさが絶妙なバランスのポスト・メタル風味のバンドで、アルバム2作とDVDをまとめた3枚組『TRILOGY』で全音源を一気に聴けるので、オススメです。アマゾンでは2枚組と記載されていますが、たぶん3枚組です。
ところで2002年頃、RAGING SPEEDHORNのツアマネは元IRON MONKEYのベーシストだったダグ・ダルジールでした。wikipediaによると先週ネット流出したBritish National Party(極右白人至上主義ホロコースト否定政党)の支持者名簿にダグの名前があったのだとか。
ところで、宣伝資料で褒めそやすメッセージを書いていた方々は今日、どこにいたんでしょうね。
*1:メタルがダサイとほざく糞な連中が使っていた言葉。今では"デジロック"と同じぐらい死語