OLI BROWN: OPEN ROAD

懐かし話を。ブリティッシュ・ブルースを好きな僕にとって、1995年4月は夢のような1ヶ月でした。

7日、FLEETWOOD MACの新宿厚生年金会館でのライヴを見に行ったら、アンコールでジェレミー・スペンサーが飛び入り!阪神大震災被災者慰問で来日していたそうですが、70年代初めに新興宗教『チルドレン・オブ・ゴッド』(チャイルドセックスで有名)に拉致されてバンドを脱退した彼が再びFLEETWOOD MACのステージに立っているのを観るのは感動でした。

それからロンドンに遊びに行ったのですが、26日にはStation TavernでGORDON SMITH BLUES BAND。Blue Horizonから『LONG OVERDUE』(今では全曲このCDで聴けます)を出した、あのゴードン・スミスですよ!ライヴの後、ビールをおごって「あなたを観に日本から来ました」と大嘘を。

で、27日にはShepherd’s Bush Empireでゲイリー・ムーアの『BLUES FOR GREENY』発売記念スペシャル・ライヴ。アンコールでは何と当時リタイア状態だったピーター・グリーンがステージに上がって挨拶を!当時は復活なんて絶対あり得ないと思っていただけに、生でその姿を見ることが出来て涙が出ました。

さらに28日にはHalf Moon PutneyでCHICKEN SHACKを見ました。同年8月に録音されたライヴ盤『STAN THE MAN LIVE』と似た選曲で、かつてのライバルFLEETWOOD MACの「Oh Well」を演ったときは戦慄が走りました。

イギリスにブルース・ブームが訪れたのは60年代後半でしたが、1995年当時なおブルース・パブなどで英国ブルースが息づいているのを肌で感じました。

それから13年。ブリティッシュ・ブルースの芳醇な香りはどこかに霧散してしまったようです。60年代のブームを体験した世代が減ってきたこと、新世代のヒーローがいないことなどが原因でしょうが、近年イギリスを訪れてもどこか寂しい思いをしてきました。2006年4月以来行っていませんが。

しかし、”ブリティッシュ・ブルース最後の遺伝子”と言っていい新人が登場したのです。その名はオリー・ブラウン。1980年、ノーフォーク生まれの18歳です。アルバム『OPEN ROAD』でデビューを果たした彼はイマドキのギター・スリンガーらしくスティーヴィ・レイ・ヴォーン系のプレイを聴かせながらも、随所でブリティッシュなテイストを披露。ピーター・グリーンっぽい箇所もあります。ソングライターとしてもなかなかのもので、レッドベリーの「Black Betty」やTHE TEMPTATIONSの「Can’t Get Next To You」などカヴァーの消化具合も良いです。

ジョン・メイオールやウォルター・トラウトも絶賛、しかも写真を見る限りけっこうなイケメンで、ジャニーズJrさんも「苦しうない。でも10年ぐらいしたら汚ッサンになりそうだわん」と語っています。フォトショップを使わずにあれだから、アイドル人気も望めそうです。

20世紀の英国ブルースをぶち壊して新しいムーヴメントを創るにはオーソドックス過ぎる感もあるものの、20世紀の伝統に新しい息吹を吹き込むブライテスト・ホープとして期待したいです。

投稿者:

yamazaki666

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