すきすきPIG DESTROYER

唐突ですが。

手塚治虫先生の『来るべき世界』は元々1,000ページだったけど、それを300ページまで縮めたというエピソードが好きです。

だから僕も原稿を書くときは多めに書いて、それを縮めていくようにしています。たまに2倍ぐらい書いて、それを半分に切り詰めたりします。

そうすると情報量が多くなります。その代わり、読み物として窮屈になります。あと原稿が遅くなります。どうもすみません。

で、ロック界で『来るべき世界』的なものを観じるのがPIG DESTROYERです。

エクストリーム・メタルもグラインドコアも殴り飛ばすバイオレンスな音なのですが、CDを聴いたりライヴを見ているぶんには、スコット・ハルがなんでわざわざ8弦ギターを弾いているのかよく判りません。さらにJRヘイズの書く歌詞が、陰惨でありながら詩として素晴らしいです。でもギョエーとか叫んでいるので、CDブックレットを読まないとその歌詞は判読できません。

しかし、それらの要素は無駄でなく、あえて過剰に詰め込むことで、聴く側に閉所恐怖的なインパクトを与える効果を得ています。

『TERRIFYER』(2004)に収録された「Natasha」が必ずしも成功していないのは、速くないからではなく(それもあるけど)、37分でやるべきことを37分でやっているからです。どうせなら5.1chで1分の爆裂グラインドコアをやって欲しかったです。

それに対して、おそらく彼らの最高傑作である『PROWLER IN THE YARD』(2001)は約36分に5時間ぶんぐらいの殺意と暴力と芸術性を詰め込んでいて、呼吸も出来ず身動きも出来ず、首だけがひたすらもげ落ちるまで動き続けます。さらに日本盤には『38 COUNTS OF BATTERY』全38曲を追加収録。この道を行けばどうなるものか、なんて悠長なことを言っている場合ではありません。死んじゃうかも知れないです。

最新作『PHANTOM LIMB』もやっぱり凄いのですが、曲が長くなったぶん閉塞感は薄れて、やっぱり『PROWLER IN THE YARD』のほうが殺傷力があります。最高。崇拝。ピャウ。

でも単独公演行けませんでした。ブブッ

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yamazaki666

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