2009-09-22

“○○○を年間ベストに選ばないのは、1937年の年間ベストに『カルミナ・ブラーナ』を選ばないぐらい罪深い”という表現を使おうと思って、念のために『カルミナ・ブラーナ』を全編聴き直してみました。

SLAYER: WORLD PAINTED BLOOD

SLAYERの新作『WORLD PAINTED BLOOD』を聴きました。

あれ?SLAYERってこんなパタパタした音だっけ?という第1印象。ベースの音が薄いせいでオールドスクールな”スラッシュ・メタル”っぽく聞こえるし、曲そのものはかっちょいいのですが、SLAYERにはスピードとヘヴィネス両輪で轢殺して欲しいです。前半突っ走りまくる一方で後半、「Americon」中間部とか「Playing With Dolls」では新機軸も聴けます。まだ1回通して聴いただけなので、もっと聴きこみますよ。とりあえずあくまで第1印象でした。

Boris @渋谷クラブクアトロ

『トーキョーワンダーランド』 会場1800/開演1900 当日3,500円(ドリンク別)

映画『リミッツ・オブ・コントロール』、ヘルムート・ラングとのコラボでオシャレ化路線も開拓しまくり、タートルネック&ハンチング帽のオシャ連さんからも熱い視線を浴びつつあるBoris、この日は何か仕掛けてくると思われます。

何も仕掛けてこなくても、ワンマンということで長いあいだライヴを見れるのでグーです。

僕も楽しみです。会場でお逢いしましょう 卍ピャウ卍

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しかしライヴ会場に行ってみると、全然オシャレさんはいませんでした。なんか田舎の人が無理してオシャレめかしたようなのは少々いましたが、2009年にジャームッシュをオシャレと思うような人はこうなってしまうのでしょうか。観客層はいつものBorisライヴと同じ、普通の生活を送りながらそれなりに音楽にウェイトを置いているファン。強いて変化があったとすれば、CORRUPTED黒Tシャツを着込んだ層がいなくなった程度でしょうか。

Borisは新曲あり「Korosu」あり、「feedbacker」ステージ再現ありの2時間、音楽と音響が100%でせめぎ合う素晴らしいライヴでした。

トーキョーワンダーランド / Luna / メッセージ / となりのサターン / Missing Pieces / 虹の始まるところ / Pink / Korosu / 枯れ果てた先 / feedbacker / あきらめの花

(セットリストはtadaymareさんmixi日記から無断引用)

1曲目「トーキョーワンダーランド」は新曲。微妙にエレクトロニックな感じがNINE INCH NAILSとの共演が何らかのインスピレーションになったのかも?という気もしますが、全然なっていないかも知れません。

ラスト「あきらめの花」も新曲。耳をつんざく大音量ディストーションの中をTakeshiさんが「おお~専修~♪」とエモーショナルに歌い上げる、現在のBorisの両端の部分をフルに表現していて、グランド・フィナーレに相応しかったです。

ワンマンということで対バン目当ての観客がおらず、ANGEL WITCH公演に観客動員こそ負けていましたが、現役ならではの凄みと殺気ははるかに上回っており、彼らの進化がどこに向かっていくのか見届けたいという思いを新たにしたのでした。

2009-09-21

工藤夕貴が出演するジム・ジャームッシュ監督の新作映画には、日本のヘヴィメタバンドも!

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それはともかく、オランダRoadburn 2010でGOATSNAKEとTHORR’S HAMMERが再結成ライヴとのことです。

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音楽を聴いて音楽について書くことはいつだって楽しいし、苦に思ったことは一度もないのですが、さすがに15年間仕事にしていると少しずつダメージが蓄積するものです。

それでちょっとばかしタイに行ってきたのでした。完全オフの休暇!イエー

いつも外国に行くと史跡美術館博物館レコード屋古本屋を駆け足で回って、それはそれで楽しいのですが、今回は前半サムイ島で南国の島三昧、後半はバンコクでグルメと癒しの旅という、ほとんど強引にベリベリと音楽から身を剥がして距離を置いたスケジュールにしてみました。

マーケットで流れているビートルズもリマスターがどうとか関係なく、あと耳にするのはタイポップ。アーティスト名も判りません。

貧乏性の自分ゆえ、バカンスを楽しむ”才能”があるとは思ってもいなかったのですが、けっこう海辺でホゲーとしていることを楽しむことが出来るのに、自分で驚いたりもしました。

日本ではTHRASH DOMINATION、THE PRODIGY、MAGMA 09と3つライヴ・イベントがあり、通常だったら”行かねばならない”という義務的なメンタリティに陥るわけですが、あえて全部パス!

20日に帰国、郵便受けには大量のCDや雑誌、そして不在配達票が入っていましたが、SLAYER、THE BRIAN SETZER ORCHESTRA、NADJA/DATASHOCKなどが到着。すぐにプレイヤーに入れて、音楽を聴く楽しみに思い切り浸りました。

そして翌21日には純粋に”見たいから”Borisライヴに行くことが出来ました。

ちょっとだけでも東京を離れてみると、戻ってきたときに生活のひとつひとつが楽しいです。まさにトーキョーワンダーランド。

これからさらに仕事に邁進しようと気合を入れていますので、今後ともよろしくお願いします。

Andy Taylor: Wild Boy – My Life In Duran Duran

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DURAN DURANのアンディ・テイラー自伝、読み始めました。本当はタイ往復の飛行機で読むつもりだったのですが、爆睡したので成田→家までの電車で最初の58ページまで読んだところ。

  • DURAN DURANがデビューしたバーミンガムのクラブRum RunnersはWITCHFINDER GENERAL『DEATH PENALTY』ジャケでお馴染みのJoanne Lathamも常連だったそうです(p39)。公式サイトはここ
  • 目からウロコ。「Planet Earth」はロッド・スチュワートの「Da Ya Think I’m Sexy?」から影響されたそうです(p54)。言われてみれば!
  • DURAN DURANがEMIと契約書を交わしたのは、ジョン・レノンが殺害された当日、1980年12月8日だそうです(p48)。
  • SEX PISTOLSやDURAN DURANを獲得したEMIのA&Rデイヴ・アンブローズが「初代FLEETWOOD MACのメンバー」とありますが(p47)、FLEETWOOD MACではなく、ピーター・グリーンとミック・フリートウッドがいたPETER B’S LOONERSの間違いだと思います。

これから読み進めていきます。

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SLIPKNOTの地獄の道化師ショーン・クラハンのヴィジュアル・アート

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近日読む予定の本。メタル系ライター60人にインタビューした『All Pens Blazing: A Heavy Metal Writers Handbook』

ALICE IN CHAINS: BLACK GIVES WAY TO BLUE

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帰宅してALICE IN CHAINSの新作『BLACK GIVES WAY TO BLUE』を聴いたわけですが、この複雑というかやるせない気分、どうすればいいのでしょうか。いや彼らが自分自身へのトリビュート・バンドになったことはウドー・ミュージック・フェスティバル、それから先行で公開された「Check My Brain」で判りきっていたことなのですが、この完成度の高さ、曲の良さ、しかしどうも突き抜けないカタルシスの無さに、どよんとした所在無さを感じさせられます。これでいいのか…?と。

しかしALICE IN CHAINSはいつだってカタルシスの無いバンドだったのであり、超かっこいい「Them Bones」とか「Again」にしても救いの無さが漂っていたので、今回のアルバムも”ALICE IN CHAINSの作品”として極めて正しいのかも知れません。

そういえば何年か前、〆切に追われて超てんぱっている時に「Sludge Factory」を聴いたらゲロを吐いた思い出があります。この曲が入った3作目、輸入盤だと新品890円 (´Д`) 100万円の価値があるので、聴いていない人はぜひ聴きましょう。

2009-09-20

9月12日(土)~20日(日)までタイに行ってきました。 留守のあいだ、関係者の皆様にはご迷惑おかけしました&お世話になりました。

タイでのあれこれは随時更新していきますので、たまに過去ログもチェキしていただけたら幸甚です。

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帰宅したらカウンターが100万アクセスを突破していました。同じ人が毎日何回も覗いているのかも知れませんが、これからも頑張ります!いちおう!

そして今日はTHRASH DOMINATIONもTHE PRODIGYも欠席、ペンディング諸件をこなします。ひえー

2009-09-18

昨日見つからなかったカントンに再トライ!発見!昼ご飯はタイスキ。

その後、シリラート大学法医学博物館。

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こちらもチェキ あとここも。

あと監獄博物館  こんなのがあるとは知らなかったので、次回はぜひ行きたいです。

そしてやっぱりMBK

2009-09-17

昼はタニヤのお土産屋。

サヤームパラゴン特設ステージでThai-Korea Friends Concertというのをやっていて、韓流アイドルのSHINEEが出ていました。タイの女学生が感極まって泣いたりしていました。

その後、近所のRock Pubを見学に行きました。1987年にオープン、Metal Zoneが2007年終わりに閉店してからはバンコクのメタル・シーンを支える最重要クラブのひとつとなっています。出演しているのはタイのコピバン中心ですが、EXODUS、SODOM、DRAGONFORCE、DOROなどもライヴを行ったことがあります。

サヤームスクエアにあったタイスキ屋カントンが移転したので探しに。見つからず、道を訊こうと近くの建物に入ったらスペシャル・マッサージ店で、いきなり雛壇にエロコスチュームの姉ちゃん達が数十人。本番アリで1,600バーツだそうです。

結局見つからないのでヤワラーのT&K。

8~9月発売のお仕事関連

9月12日(日)~20日(日)までタイに行ってきました。今回はサムイ島とバンコク。完全休暇だぜ!

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それとは関係ないけど、独アマゾンから『The Ingrid Steeger Gold Collection』DVD8枚組到着。わーい(^▽^)

アンヴィル/夢を諦めきれない男たち

10月24日(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて公開の映画『アンヴィル/夢を諦めきれない男たち』を見ました。

かつて『METAL ON METAL』をヒットさせたANVILが今では落ちぶれて、でも夢を諦めきれなくて、テレフォンセールスをやったり姉に金を借りたりしてアルバム『THIS IS THIRTEEN』を作って、たまたま聴いた日本のプロモーターがラウドパーク06に呼んで、大観衆の前でプレイ出来て万歳!…という話です。このときの映画がようやく完成、日本公開されるわけですね。

そんなに当時『METAL ON METAL』ってヒットしたっけ?…というのはさておき、リップスとロブの友情が泣けます。

二人が喧嘩になるとプロデューサーのクリス・サンガリーディスが仲裁に入ったりして、プロデューサーというのは人間関係の円滑化も図らねばならず大変な仕事だなーと思わされます。

スーパー・ロック84から始まり、ラウドパーク06で終わるという構成。しかし映画が終わった後もドラマは続き、ラウドパーク09への出演が噂されています(あくまで噂です)。

映画本編で「2,000人収容の会場で5人しか観客がいないのは寂しいものだ」とリップスは語っていますが、もし3つめのステージでSLAYERの裏とかになったら(あくまで憶測です)、本当にそうなってしまう可能性もあって怖いです。

映画の中で出てくる『THIS IS THIRTEEN』は10月21日、ソニーミュージックから日本盤も出るそうです。

映画と同時にANVIL自伝も出ましたが、邦訳は出ないのでしょうか。

映画の最初にレミーとかスラッシュ、ラーズ・ウルリッヒ、トム・アラヤ、スコット・イアン、マルコム・ドームがANVILがいかに凄いバンドだったかを語っていますが、そういえばTHE WILDHEARTSのジンジャーもANVIL好きで、1998年10月25日にインタビューした時、ANVILの話題が出たとき、「Motormount」(『FORGED IN FIRE』収録)を歌い出しました。…なぜ「Motormount」?

この映画で描かれているのはANVILですが、彼らのドラマは幾多のバンドと共通するものだと思います。これからHOUSE OF LORDSとかSHORTINOを聴くときは襟を正して聴こうと思います。

BARONESS: BLUE RECORD

BARONESSのニュー・アルバム『BLUE RECORD』を聴きました。

前作『RED ALBUM』は2007年ベスト・アルバムNo.1でしたが、今回も最高です!

METALLICAかQUEENか?というギター・オーケストレーション・イントロ「Bullhead’s Psalm」から本編に突入。期待しているものとどんどんズレが生じて、まったく異なるキメラになっていくさまに、驚嘆を禁じ得ません。お約束事に安住することなく、かといって完全にレールを外れてしまうわけでもない、そんなスリルが絶妙です。

一種プログレッシヴ・ロック的なアプローチもとっており、そういう意味ではアンダーグラウンド版RUSHといった様相も見せていますが、音楽性はまったく異なります。最近の我が道を往くRUSHとは一線を画して、大惨事スレスレの危険かつ冒険的なサウンドが神経をピリピリさせます。

「Jake Leg」の変幻自在のリフは息を呑むスリルを孕んでいて、その一方で「A Horse Called Golgotha」の歌メロは一緒に歌わずにいられないフックがあります。来日時までに歌詞を覚えておきたいです(来るか知らないけど)。

意外と歌メロは聴きやすかったりしますが、どこに陥穽が口を開いているか判らない、緊張感あふれる傑作です。

US初回限定盤CDにはボーナス・ライヴ・ディスクが付いています。

日本盤はTHE DESCENDENTSのカヴァー「Bikeage」を収録。ちょっとBARONESSらしくない感じ。

そういえばTHE WILDHEARTSの「You Took The Sunshine From New York」を聴いていたら「watching DVDs of the Descendents~♪」という1節があって、人気あるんだなあと思ったら、「watching DVDs of tits and ass~♪」でした。自分のあまりのヒアリング能力の低さに寝込みました。

(⊃ω⊂)ねむ

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アマゾンから「『ガンマー第3号/宇宙大作戦』を買った人は『X線の眼を持つ男』も買っています」という広告メールが来たけど、『X線~』持っているかどうか覚えてないです。何かの抱き合わせボックスに入ってなかったかなあ。

GNAW THEIR TONGUES: ALL THE DREAD MAGNIFICENCE OF PERVERSITY

前にもちょびっとだけ書きましたが、GNAW THEIR TONGUESの新作『ALL THE DREAD MAGNIFICENCE OF PERVERSITY』が凄まじいです。

オランダのMoriesによる一人ハーシュ・ブラック・ノイズ・アンビエント・ドゥーム・プロジェクト。黒く濁り積もった憎悪は内面に籠もることなく、外界に向けて吐瀉されます。『ISSEI SAGAWA EP』などでは吐瀉物は個人レベルに向けられていましたが、この新作ではさらに突き抜けており、吐瀉物に血液と精液も混じって、世界すべてを怨恨の汚海に浸します。CELTIC FROSTがペンデレツキの肛門を犯して、口から吐き出したコレラ血便がエノラ・ゲイによって地上に降り撒かれる感じでしょうか。コーキュートスを大便・膿・胎盤・血尿・精液・痰などと共に、どこまでも流されていきます。聴きとおすことに苦痛を伴うアルバムです。

曲タイトルを並べるだけで、その内容が浮かんでくるでしょう(誤訳上等):

損壊されるのを待つ我が開口部/焼け焦げ、呪われて/へし折れた指が虚しく天を指す/吐息には馬の屍臭、手には存在の汚触/終末を告げる天使/小便の涙を通して凝視した自分/豊潤な深い噛み跡/変態性の不吉な威厳/魂を引き裂いた傷を具現化させるための、精液を呑み込むグノーシス教の儀式/首無き者よ、汝を召喚する/聞こえるのは、草刈り鎌の金属音のみ/縫われた唇からつぶやく呪詛の誓い

SUNN O)))とかにはない”悪”と”醜”の腐臭がぷんぷんします。

全9曲でクライマックスを迎えるCDも醜悪なあまり神々しくすらあり、地べたに跪いて汚泥と屎尿に額を擦りつけたくなりますが、LPはさらに3曲の苦痛を分け与えてくれます。しかも100セット限定木箱入りヴァージョンもあり。高いけど、その価値はあります。僕はこの木箱ヴァージョンを購入するにあたって、同じくGNAW THEIR TONGUESの『REND EACH OTHER LIKE WILD BEASTS…』も欲しかったので追加注文しましたが、そうしたら送料が足りない!と言われ、追加で送料を支払うハメになりました。そうしたら「同じ送料であと1枚買えるぜ!」。言われるままふらふらとTHE AUSTRASIAN GOATの『PIANO & STUMP』を購入してしまいました。真っ暗な部屋で大音量で一気に聴くと内臓を鑿でえぐって、血反吐を吐きながら脱糞して、全身に塗りたくってビルの7階から飛び降りたくなります。

THE VENTURES @中野サンプラザ

結成50周年。テケテケテケテケ

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バルコニーから見下ろすと、

知っている曲たくさん、聴いたことあるけどタイトル判らない曲いくつか、知らない曲いくつか演りました。最新アルバムらしい『ベンチャーズ・プレイ・加山雄三』からの曲も2曲か3曲ぐらい。

そういえば彼らに1997年にインタビューしたことがあります。彼らから見た戦後日本史みたいなのを語ってもらいました。

しかしジェリー・マギーは最初に加入したのが1968年なのに、未だに新人扱いされているのが気の毒です。ロン・ウッドやヴィヴィアン・キャンベルもそうですが。