EARTH Dylan Carlson Interview 2014.5.12


Dylan Carlson / Bill Herzog / Adrienne Davies (photo: Samantha Muljat)



2014年6月にジャパン・ツアーが決定したEARTHのディラン・カールソンの来日直前インタビューです。
2012年9月の初来日ライヴで鮮烈なインパクトを残したEARTHですが、2度目となる来日ライヴが「ずっとヘヴィになる」と宣言しています。
来日公演に前後して、EARTHのヘヴィな新作『PRIMITIVE AND DEADLY』、ソロ・プロジェクトdrcarlsonalbionでの映画サウンドトラック『GOLD』、kickstarterサイトでのクラウドファンディング形式で作られた『WONDERS FROM THE HOUSE OF ALBION』という3枚のアルバムを発表するディラン。相変わらず雄弁ではないものの、一昨年と較べても気力の充実ぶりが伝わってくる語り口でした。
ディランの意識の流れをそのまま皆さんに体感してもらうため、会話をそのまま、ほぼノーカットで収録しています。

なお、2012年に行ったインタビュー、そしてYahoo!ニュースに掲載されたコラム記事も併せてご覧になっていただけたら嬉しいです。

(インタビュー:山崎智之/uploaded 2014.5.25)
(感謝:デイメア・レコーディングス

●EARTH Japan tour 2014

6/4(水)大阪:東心斎橋Conpass w/ 山本精一ユニット
open 18:00 / start 19:00
前売 4,800yen / 当日 5,300yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Conpass 06-6243-1666

6/5(木)東京:新大久保Earthdom w/ NEPENTHES
open 18:00 / start 19:00
前売 4,800yen / 当日 5,300yen (ドリンク代別)
問い合わせ: チッタワークス 044-276-8841 / Earthdom 03-3205-4469

6/6(金)東京:新代田Fever w/ ジム・オルークと7秒ビジネス、Rollo
open 18:00 / start 19:00
前売 5,300yen / 当日 5,800yen (ドリンク代別)
問い合わせ: チッタワークス 044-276-8841 / Fever 03-6304-7899




●今回の電話インタビューはイギリスで行っていますが、現在イギリス在住なのですか?
いや、住んでいるのはシアトルだけど、イギリスでdrcarlsonalbionとしてソロ・ツアーをやっているんだ。それにイギリスにいることで、インスピレーションを得るからね。この国にいると、さまざまなことから触発されるよ。

●EARTHとソロでは、ライヴを行うときどのような点が異なりますか?
最近のソロ・ライヴではロジエ・スマールと一緒にやっているんだ。彼はフリー・ジャズ出身のオランダ人ドラマーで、インプロヴィゼーションにも長けている。もう7年ぐらい前、EARTHのヨーロッパ・ツアーのツアー・マネージャーをやってくれて、そのとき知り合ったんだ。EARTHのライヴはバンドによる、よりロック的なものだよ。

●2012年9月の来日公演について、どんな思い出がありますか?
楽しかったよ。お客さんは盛り上がってくれたし、暖かい反応があった。初めての国でプレイするのは緊張するけれど、MAMMIFERと一緒のツアーで、リラックスすることが出来た。友達のBorisと会えて嬉しかったし、ETERNAL ELYSIUMのライヴはとても良かったよ…名古屋だったかな?



2012 Japan tour (photo: Miki Matsushima)


●2014年6月の来日公演に前後して、EARTHの『PRIMITIVE AND DEADLY』、drcarlsonalbionとしての映画『GOLD』サウンドトラック・アルバム、そして『WONDERS FROM THE HOUSE OF ALBION』と、3タイトルがリリースされますが、それらは同時期に制作されたのですか?
それぞれ別の時期に作ったものだけど、リリースのタイミングが一緒になってしまったんだ。『WONDERS FROM THE HOUSE OF ALBION』は2012年から取りかかってきたけど、いろいろ問題があってね。曲を書いてプレイするのはいいんだけど、ヴィジュアルやパッケージングに時間を要したんだ。『GOLD』サウンドトラックをやったのはその後、2012年12月だった。映画は2013年2月、ベルリン国際映画祭に出品されたんだ。最近ヨーロッパでDVD化されて、それに合わせてサウンドトラックもレコード化されることになった。日本ではCDが盛んだそうで、CDとしてリリースされるんだよ。EARTHの『PRIMITIVE AND DEADLY』は2013年12月にレコーディングして、2014年4月にミックスを完成させた。だから3作とも異なった時期に作ったものだけど、構想や曲作りはオーヴァーラップしている部分もある。

●『PRIMITIVE AND DEADLY』はどんな音楽性を志しましたか?
すごくヘヴィな、ロックやメタルに近いレコードだといえる。ヴォーカルが入っているのは久しぶりで、おそらく『PENTASTAR: IN THE STYLE OF DEMONS』(1996)以来だろう。前作『ANGELS OF DARKNESS, DEMONS OF LIGHT』二部作(2011/2012)を発表した後、ソロ・キャリアが本格化したことが大きな要因のひとつだ。フォーク的なサウンドをソロでやるようになったことで、自然とEARTHはよりヘヴィな方向に進むことになったと思う。ただ、意図して「さあ、ヘヴィなレコードを作るぞ」と考えたわけじゃない。EARTHのアルバムは常に変化してきたし、『PRIMITIVE AND DEADLY』はさらなる変化なんだ。あるいは中年の危機かも知れない。若い頃に聴いていた、1970年代終わりから1980年代初めのメタルに戻っていった結果なんだ。

●2012年の来日ステージでは3曲の新曲をプレイしましたが、それらについて当時、あなたは「AC/DCっぽい」と表現していました。正直、あまりAC/DCに似ているとは思わなかったのですが…。
いや、エレクトリックでリフが反復するあたりが似ていると思ったんだけどな(笑)。俺の中では意味を成すんだよ。

●2012年にプレイされた「Badger」は、『PRIMITIVE AND DEADLY』のボーナス・トラック「Badgers Bane」と同じ曲ですか?
「Badger」に新たなリフを加えて、アレンジを変えたのが「Badgers Bane」なんだ。ライヴで演奏していくうちに、かなり雰囲気が変わった。 「Even Hell Has Its Heroes」も日本でプレイした曲だよ。あと1曲は…何だったかな?もしかしたら、アルバムに収録しなかったか、まったくアレンジを変えて収録したかも知れない。

●EARTHとdrcarlsonalbionは“別人格”といえるでしょうか?
いやまあ、“別人格”というほどのものではないよ。単に俺がある事柄を異なった解釈で表現しているということだ。どちらも俺がやっているから当然、共通点はあるしね。2つのまるっきり異なった音楽をやるほど、俺は器用じゃないよ。

●『ANGELS OF DARKNESS, DEMONS OF LIGHT』二部作はまだ2つの音楽性が未分化だったのでは?
そうだな。当時はまだ、drcarlsonalbionというアウトプット手段を持っていなかったんだ。でも、それから間もなく、2つの異なった表現を持つことが最もリーズナブルだという結論に達した。ただ、今でもEARTHとソロはくっきり二分化したわけではないんだ。「Rooks Across The Gates」は当初ソロ向けに書いた曲だけど、エイドリアン(デイヴィス)がEARTHでやりたいと強硬に主張してね。EARTHヴァージョンを録ってみたらけっこう良い出来だったんで、アルバムに入れることにしたんだ。

●2014年6月の来日公演では、『PRIMITIVE AND DEADLY』に通じるヘヴィ・ヴァージョンの演奏を聴くことが出来るでしょうか?
ああ、ずっとヘヴィになるだろう。

●昔の曲も『PRIMITIVE AND DEADLY』みたいなヘヴィ・アレンジで?
そうだ。

●『HEX』の曲のヘヴィ・ヴァージョンとか?
『HEX』の曲は今ライヴでやってないけど、「Old Black」とか「The Bees Made Honey In The Lion’s Skull」とか「Ouroboros Is Broken」とか…新しいアルバムの曲もプレイするし、さらに新しい曲もやるかも知れない。

●『PRIMITIVE AND DEADLY』よりも後に書いた曲?
うん、2曲ほどプレイすることを考えている。

●それはどんなタイプの曲ですか?
新作からの「Torn By The Fox Of The Crescent Moon」みたいな、ヘヴィなリフの曲だよ。

●「Ouroboros Is Broken」は『EXTRA-CAPUSULAR EXTRACTION』で最初にヘヴィなヴァージョンがレコーディングされ、その後『HIBERNACULUM』でアメリカーナ・ヴァージョンで再録され、2012年の日本のステージでもそのアレンジでプレイされましたが、再びヘヴィなヴァージョンに戻るのですか?
そうだ。

●それは1990年代のオリジナル・ヴァージョンに戻るのでしょうか?新たにアレンジされるのでしょうか?
『PRIMITIVE AND DEADLY』は決して過去の『EXTRA-CAPUSULAR EXTRACTION』や『EARTH 2』の音楽性に戻るものではなく、ヘヴィといっても新しいヘヴィだと考えている。

●「The Bees Made Honey In The Lion’s Skull」のドゥーム・ドローン・ヴァージョンも日本でプレイしますか?
そうだよ。

●いつ頃からヘヴィ・ヴァージョンのショーをやっているのですか?
今年の3月、中西部でのショーからかな。それから4月にロサンゼルスやヨシュア・トゥリーでプレイしている。だから6月の日本でのライヴは、新鮮なものになる。

●「The Bees Made Honey In The Lion’s Skull」「Old Black」などをヘヴィにアレンジするのは、どの程度難しいことでしたか?
曲そのものの構成を変えるわけではなく、ギターのトーンをよりヘヴィにするのだから、アレンジには悩まないよ。ただ、精神面ではかなり異なる。まだヘヴィな大音量ヴァージョンに自分自身、慣れていないから、精神的な負担があるね。

●サウンドの変化に伴って、機材は変わりましたか?
以前はフェンダーのアンプを使っていたけど、マーシャルを使うようになった。やはりマーシャルの方が荒々しいサウンドで、新しい音楽性に向いている。これまでフェンダー・テレキャスターを弾いていたのも、最近はジャクソンやエピフォンのエクスプローラー…。

●ジャクソンというと、1980年代メタル・ギタリストで有名な…?
うん、そのジャクソンだよ。今ではフェンダー傘下だそうだけどね。

●日本公演でもジャクソンを弾くことになりますか?
おそらくメインで弾くのはエピフォンのSGだろうな。あと、前回日本でプレイしたハグストロムも預けてあるし、何曲かで弾くかも知れない。

●結局、どうしてヘヴィな音楽性に向かったのですか?
どうしてだろうね。自分の音楽性は常に変化してきたし、今はヘヴィなサウンドで自分を表現するのが、一番心地いい状態なんだ。少年時代の自分がいたところに還って、でかい音に埋もれることに、居場所を感じるんだよ。

●以前、「The Rakehell」がオジー・オズボーンの「Revelation (Mother Earth)」から触発されたと聞いて驚きましたが、『PRIMITIVE AND DEADLY』でもそんなインスピレーション源はありましたか?
SCORPIONSの「Sails Of Charon」とかWHITESNAKE、RAINBOWをよく聴いていたけど、具体的にどの曲に影響を与えた、ということはないな。

●RAINBOWやWHITESNAKEのどの時期のレコードから触発されるでしょうか?
RAINBOWは全部好きだな。WHITESNAKEは『SLIDE IT IN』だ。意外かも知れないけど。あとはJUDAS PRIESTやUFO…。

●『PRIMITIVE AND DEADLY』から彼らの影響を聴きとることは容易ではありませんが、直接インスピレーションを受けたのでしょうか?
ああ、その通りだ。サウンドやリフをコピーしているのではないから、聴いても判らないかも知れないけどね。

●「Even Hell Has Its Heroes」にはリード・ギターが入っていますが、あなたが弾いたのですか?
中間部のリードは俺が弾いて、後はCAUSTIC RESIN / BUILT TO SPILLのブレット・ネルソンが弾いている。それからオーヴァーダブでNARROWSのジョーディ・コックスが弾いているよ。

●ハード・ロックやヘヴィ・メタルから影響を受けてきて、もっとリード・ギターを弾きたいと考えることはありませんか?
うーん、どうだろうね。俺はメタルのリフが好きで、ずっとリフ・プレイヤーとして活動してきた。あまりギター・ヒーローになりたいとは考えていなかったんだ。ギタリスト向けのギター・アルバムではなく、一般リスナーが楽しめるような作品を志しているよ。EARTHにおいても、もしリード・ギターが必要だと思ったら、自分で弾かずに誰かを加入させるだろうな。俺には速弾きなんてしたくても出来ないしね。

●新作でヴォーカル・ナンバーが3曲あるのは?
それはギターがヘヴィになったのと同じように、俺が聴いて育ったロックに近い音楽性を志向したからだと思う。俺が子供の頃から聴いてきたメタルのレコードの多くは、ヴォーカルが入っていたからね。ただ、それらの影響を生かしながら、模倣するのではなく、EARTHスタイルで表現したかった。ユニークなサウンドになったよ。

●マーク・ラネガンが「There Is A Serpent Coming」「Rooks Across The Gate」でヴォーカルを取っていますが、彼とはいつから知り合いなのですか?
マークとは、俺がEARTHを結成する前のバンドでやっていた頃に知り合ったんだ。1980年代の終わり、オリンピアで『キャピトル・レイト・ジャム』という、アマチュア・バンドが集まってプレイする大会があって、そこで出会った。ずっとEARTHのレコードでコラボレーションしたかったけど、スケジュールが合わなかったり、ツアー中だったり…それがようやく実現したんだ。もしEARTHとマークが同じフェスティバルに出ることがあれば、ステージで一緒にやりたいね。そうでない場合は、インストゥルメンタルとしてプレイすることになる。それでも曲の雰囲気が台無しになることはないと思うよ。

●「From The Zodiacal Light」で歌っているラビア・シャヒーン・カージはROSE WINDOWSのヴォーカリストで、ランドール・ダンがプロデュースを手がけたことで知られるようになりましたが、ランドール経由で知り合ったのですか?
ROSE WINDOWSはその前から知っていたんだ。ドラマーのパット(ショウ)と友達で、ライヴを見に行ったことがあった。シアトルは大して大きな町じゃないからね。ただ、ラビアと直接面識が出来たのは、ランドールを通じてだよ。彼らのことは好きだし、彼らの音楽も気に入っている。

●歌詞を書いたのはあなたですか?それともヴォーカリスト達に任せましたか?
「Rooks Across The Gate」は俺が書いた。「From The Zodiacal Light」はラビア、「There Is A Serpent Coming」はマークが歌詞を書いたんだ。

●最近、歌詞は書いてきたのですか?
うん、ずいぶん前から浮かんだヴィジョンを書き付けておくようにしていた。drcarlsonalbionで幾つか歌詞を書いているし、今回も浮かぶイメージをそのまま言葉にしたんだ。それがうまく行ったかどうか判らないけど、メッセージは伝わっていると思う。

●アルバムに参加するミュージシャンやヴォーカリスト達には、どのような指示をするのですか?
「オーケー、一緒に楽しもう」って(笑)。コラボレーションというのは、自分と相手の良さを引き出すところにあるからね。指示をして、相手の可能性を狭めることはしないよ。

●ヘヴィなロック路線ということで、『PENTASTAR』と共通する要素もあると思いますが、アプローチはどう共通して、どう異なりましたか?
アルバムを作っているときは、特に『PENTASTAR』を思い出すことはなかったんだ。でも方向性を説明すると、みんな「『PENTASTAR』みたいな感じ?」と訊いてくるし、そうなのかなぁ…と自分でも思うようになった(苦笑)。確かにヘヴィだし、ヴォーカルも入っているし、似ているところもあるかも知れない。でも、過去を踏襲しようとは考えなかったよ。これは現在の俺だ。

●「Rooks Across The Gate」のイントロは『EARTH 2』時代を思わせる強烈な重低音ヘヴィ・ドローンでしたが、新作を1990年代の自分と比較してみて、共通するものは感じますか?
どちらもヘヴィな方向に舵を切ったという点では共通している。ただ、『EARTH 2』ではとにかくエクストリームなアルバムを作ろうとしたんだ。ヘヴィなリフ、長い曲、スタジオの16トラックを全部使うって感じでね。『PRIMITIVE AND DEADLY』ではより音楽的なヘヴィネスを追求している。ただヘヴィにしようというのでなく、最大限の効果を得ているんだ。 

●『PRIMITIVE AND DEADLY』はどこでレコーディングしたのですか?
ヨシュア・トゥリーの近くの『ランチョ・デ・ラ・ルナ』スタジオでベーシック・トラックを録ったんだ。

●KYUSSなどで知られる、カリフォルニア・デザート・ロックの聖地ですね!
ああ、そうらしいね(あっさり)。冬でも暖かくて、とても良いところだったよ。オーヴァーダブはシアトルの『クラック&ポップ』スタジオで行った。そうしてシアトルの『アヴァスト!』スタジオで、ランドール・ダンがミックスした。

●『ANGELS OF DARKNESS, DEMONS OF LIGHT』に参加していたチェロ奏者のロリ・ゴールドストンが『PRIMITIVE AND DEADLY』に参加していないのは?
ロリは2012年に脱退したんだ。ロックのツアーのスケジュールや音量に疲れたこともあるだろうし、ギターがラウドになっていくうちに居場所を失いつつあることもあったし、今のEARTHはギタ−、ベース、ドラムスで大丈夫だと思う。決して喧嘩別れしたわけではなく、その後も映画のサウンドトラックで共演したよ。

●何という映画ですか?
ヴァネッサ・レンウィックが監督した『Charismatic Megafauna』という映画だ。ロリと俺、ジェシカ・キニー、グレン・キャンベルが即興演奏でサウンドトラックを提供している。映画館で上映するような作品ではなくて、アート・フェスティバルとかで上映される、実験映画だよ。

 drcarlsonalbion 『GOLD』サウンドトラック


●映画『GOLD』サウンドトラックについて教えて下さい。
この映画音楽は2012年にレコーディングしたんだ。19世紀、ドイツ系の移民がカナダの金脈を探しにいく話で、監督のトーマス・アルスランがラフ編集の映像を送ってきて、それにギターを弾いてスコアを書いた。それをトーマスが確認して、「ソロをもっとこんな風に」とか言ってくる。そんなキャッチボールを何回かして、仕上がったんだよ。

●トーマス・アルスランはEARTHのファンだったのですか?
そうらしいよ。EARTHがベルリンでライヴをやたとき、見に来たし、楽しんでいたみたいだからね。

●映画を見て、どう感じましたか?
まず、設定がとても興味深かった。“ウェスタン”というとイギリス系やヒスパニックを主人公にしていることが多いけど、ドイツ系移民が物語の中心だし、舞台はカナダだからね。それにストーリーも深みがあって素晴らしい。日本では上映予定はないのかな?

●アルスランは日本でも特集上映会が組まれるなど、評価が高いので、いずれ上映されると思いますよ。
もちろん映画館で大々的に公開されるような作品ではないけど、娯楽作としても良い出来じゃないかな。

●しかしドイツ系移民が主人公で、カナダが舞台なのに、drcarlson“アルビオン”名義というのはおかしくないですか?
そうだな(苦笑)。俺のソロ・レコーディングだから“ディラン・カールソン”でも良かったけど、最近ソロはdrcarlsonalbion名義にしているから、ここでも統一しておこうと思ったんだ。

●なるほど。
イギリス国旗が出てくるシーンで一瞬「Rule Britannia」のフレーズを引用しているんだ。そこだけは“アルビオン”だ(笑)。

●drcarlsonalbionはドクターカールソンアルビオンではなく、ディーアールカールソンアルビオンと発音するのですね?
そうだ。俺のファーストネームとミドルネームの頭文字がDRだから、それを最初に付けているんだ。ドクターではないよ。

●ドクターといえば、あなたの健康状態は如何ですか?『ANGELS OF DARKNESS〜』を作っているときはB型肝炎の治療をしていたそうですが、今はもう大丈夫ですか?
健康状態は悪くないよ。レコーディングとツアーで、気力が充実している。先週の土曜から気管支炎を患っていて、ゴホゴホするけどね。日本に行くのもまったく問題ない。強いていえば、昔よりも疲れやすくなったかな?それが体調によるものか、年齢によるものかは判らない。

●前回はステージの写真を撮るときフラッシュを使わないようにして欲しいと言っていましたが、2014年6月の来日ステージでもフラッシュは使わない方がいいですね?
うん、フラッシュがチカチカすると体調が悪くなるんだよ。写真を撮るのは構わないから、フラッシュは使わないで欲しい。

●日本には精神的・肉体的にもエクセレントなコンディションで来てくれるということで、楽しみにしています!
俺も楽しみにしているよ。俺とビル・ハーツォグ(ベース)、エイドリアン・デイヴィス(ドラムス)はすごく息が合っているし、良いショーを見せられるだろう。

●クラウドファンディング・サイトのkickstarterで資金を集めて、drcarlsonalbionとしての『WONDERS FROM THE HOUSE OF ALBION』を制作しましたが、現状はどうなっていますか?
もうレコーディングは完成して、ヴィジュアルとアートワークさえ完成すれば、もう出荷可能だ。今年の夏にはリリースするよ。もっと事前にスケジュールや予算をしっかり考えておくべきだったと思う。Kickstarterでアルバム制作費は捻出できたけど、本やジャケットに金がかかることを考えてなかったり…kickstarterに参加してくれたファンのみんなには、時間がかかって申し訳なく思っている。ただ、『WONDERS FROM THE HOUSE OF ALBION』の出来は良いし、誇りに出来る作品だよ。

●今後またkickstarterを使ってアルバムを作る?
うーん...すべてを自分でやらねばならないのは手間がかかりすぎるし、時間がないんだ。もし、またやるとしたら。信頼できるプロデューサーに任せて、音楽に専念したいな。


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