SLEEP

画像をクリックするとamazon.co.jpの該当アルバム・コーナーに飛びます。


ASBESTOSDEATH (pre-SLEEP)
UNCLEAN EP
(1990 / Asbestos Records AR00100)
sludge / doom

SLEEPの前身バンドとして知られるスラッジ・バンドの自主制作デビュー7"。
「Anguish」「The Suffering」の2曲が収録されている。暗く重く引きずるヘヴィ・サウンド、呻くようなヴォーカルとオーソドックスなスラッジ・サウンドだが、どこか鬼気迫る切実感が込められており、異様にテンションが高い。
2曲ともSLEEP名義のデビューアルバム『VOLUME ONE』('92)に再録されたが、別テイクということもあり、本作は超レア盤としてSLEEPマニアの垂涎の的となっている。

(99/04/15)
★★★★★ ★★★



ASBESTOSDEATH (pre-SLEEP)
DEJECTION EP
(1990 / Profane Existence EXIST VII)
sludge / doom

ASBESTOSDEATHはSLEEPと改名するまでに2枚の7"を出しているが、本作はその2枚目。「Nail」「Scourge」の2曲が収録されている。両曲とも不安をかき立てるイントロから破壊的なリフが食い込むスラッジ・ナンバーで、曲の完成度は前作を上回っている。なお「Scourge」はインスト曲で、後にSLEEPのデビュー作『VOLUME ONE』に別テイクで収録された。
本作リリース後トム・チョイ(g)が脱退、バンドはジャスティン・マーラーを加えてSLEEPと改名している。
'98年9月に『Profane Existence』から正規再発されたが、2003年秋現在こちらも珍しくなりつつあるため、見かけたらぜひ押さえておきたい。

(99/04/15)
★★★★★ ★★★



SLEEP
VOLUME ONE
(1992 / Tupelo 24)
sludge / doom

ASBESTOSDEATHが改名しての再デビュー・アルバム。
3曲がASBESTOSDEATHの7"収録曲の再演、その他の数曲もライヴで演奏されていたため、延長線上にあるサウンドだ。7"でブツ切りで聴くよりもフルレンス作で聴いた方が陶酔度は高く、暗く重く哀しいスラッジの泥濘に引きずり込んでくれる。
もちろん速い曲などはない。
ASBESTOSDEATHから真SLEEPへの橋渡し的な役割を果たした過渡期の作品ながら、十分に聴き応えのあるアルバムだ。聴いて苦悶すべし。

(99/04/15)
★★★★★ ★★★



SLEEP
Vol2
(1992 / Off The Disk OTD015)
sludge / doom

1stと2ndの間、'92年春にスイスの『Off The Disk』レーベル(パンク・バンドFEAR OF GODのエリック・ケラー主宰)からリリースされた7"。
A面はBLACK SABBATHのカヴァー「Lord Of This World」にMCと歓声を加えた疑似ライヴ。完コピに近いアレンジのため彼らのキャラが出ておらず、今ひとつの出来だ。
B面の『SLEEP'S HOLY MOUNTAIN』収録曲「The Druid」「Nain's Baptism」もアルバム・テイクの方がメリハリが効いている。
限定1,000枚で現在では血まなこになって探しているファンも少なくないが、バカ高い市場価格と釣り合わない今ひとつの内容だ。
なお青ヴィニールのテスト・プレス盤(限定12枚)が存在する。

(99/04/15)
★★★★★ ★★



SLEEP
SLEEP'S HOLY MOUNTAIN
(1993 / トイズファクトリーTFCK-88621)
sludge / doom

ジャスティン・マーラー(g)が脱退、元ASBESTOSDEATH組の3人がトリオ編成でレコーディングした2ndアルバム。
初期BLACK SABBATHを有刺鉄線でぐるぐる巻きにしたようなサウンドが素晴らしい。1曲目「Dragonaut」からラスト「Nain's Baptism」までまさに捨て曲なしの名盤。
『JERUSALEM』ほどイッちゃっておらず、全9曲それぞれの完成度と緊迫感が異様なほどに高いため、本作を彼らの最高傑作と推す人も少なくない。
「ストーナー・キャラヴァンが銀河を旅していく」という幻想的なトリップ歌詞も素晴らしい。
『JERUSALEM』と並んでストーナー史上に残る金字塔。
(99/04/15)
★★★★★ ★★★★★



SLEEP
JERUSALEM
(1999 / The Music Cartel TMC12CD)
marijuana / sludge / doom

禁断のストーナー・バイブル。
マリファナ騎士団が聖地エルサレムを目指すという全1曲、52分(しかもほぼ全編ワン・リフ)の大作で、'96年にレコーディングされたが当時契約していた『ロンドン』レーベルからリリースを拒否されたという曰くつきのアルバム(3作目)。
'98年にブートレグとして日の目を見たが、'99年1月遂に公式リリースされた。ストーナー・ゴッドに選ばれたる者にとっては神の名盤。
この凄さを理解できなかった愚者達のためにバンドは解散、ギタリストのマット・パイクは現在HIGH ON FIREで活動している。

(99/01/30)
★★★★★ ★★★★★



SLEEP
DOPESMOKER
(2003 / TeePee TPE-049CD)
marijuana / sludge / doom

神盤『JERUSALEM』の全62分ロング・バージョン。
神をも殺す全能のストーナー絵巻。
このCDが出てしまったことで、『JERUSALEM』の役目はひとまず終わったと言っていい。
さらにボーナスとして10分におよぶ「Sonic Titan」(ライヴ)も収録。
聴いたら死ぬ。行き着く果ては煙の立ちこめるストーナー・ヴァルハラ。

(05/04/09)
★★★★★ ★★★★★



POST-SLEEP WORKS


HIGH ON FIRE
HIGH ON FIRE
(1999 / 12th Records 番号なし)
heavy rock / sludge / doom

元SLEEPのギタリスト、マット・パイクが結成した新バンドのデビュー音源。
3曲入りデモをCD-R化、マジックで曲目を殴り書きしたものがライヴ会場で売られた後、ジャケットを付けたCDが限定販売された。
SLEEPよりタイトになったロック・サウンドには驚かされるが、問答無用のヘヴィさは健在。マット、デズ・ケンゼル(ds)、ジョージ・ライス(b)の3人が織り成す大地を揺るがすグルーヴは凄まじい。
マリファナ聖歌「Blood From Zion」、10分に及ぶスロー・ナンバー「Master Of Fists」と、SLEEPの歴史的名盤『JERUSALEM』の世界観が本作でも貫かれており、ドロドロのストーナー色こそ薄れたが、強烈なインパクトを持っている。
「10,000 Years」もミッドテンポのヘヴィ・ロックで、新バンドの可能性を提示するナンバーだ。
本作の3曲はすべてアルバム『THE ART OF SELF DEFENSE』に収録されたが、いずれも別ミックス。こちらの方がヴォーカルが前面に出ており、全体のバランスも良い。

(00/03/29)
★★★★★ ★★★★



HIGH ON FIRE
THE ART OF SELF DEFENSE
(2000 / Man's Ruin MR193CD)
heavy rock / sludge / doom

初のフルレンス・アルバム。
3曲入りデモでも貫かれていた『JERUSALEM』の世界観は本作全編において踏襲されており、オープニングを飾る「Baghdad」からして「weed priestがstoned arrivalを果たす」というマリファナ宗教絵巻。大地を揺るがす名曲「Blood Of Zion」、10分のスラッジ・ドゥーム・ナンバー「Master Of Fists」も再録され、我々を全6曲、43分におよぶ禁断の異端界にいざなってくれる。
『JERUSALEM』よりタイトになったといっても同じSLEEPの『HOLY MOUNTAIN』ともまったく異なった音楽性で、BLACK SABBATHからの直接の影響はSLEEPよりも薄い。崇高で荘厳なまでの黙示録サウンドの前にはひざまづく以外なすすべもない。
ライヴではマットのギター音がでか過ぎ、他のメンバーが全然聞こえないというクレームも上がっているが、本作ではSLEEPより聴き易くなったぶん、コマーシャル面での成功も望める可能性あり。
神の草を胸いっぱい吸い込み、新たなるストーナー神の君臨を祝福せよ!
2001年に『Man's Ruin』が閉鎖したため廃盤となったが、間を置かず『TeePee Records』から再発された。
最初にアナログ盤(TP-038LP)がリリースされたが、新曲「Steel Shoe」とCELTIC FROSTのカヴァー「The Usurper」を収録した7"を封入。新ジャケットはアリク・ローパーが手がけている。
さらに7"の曲も加えたデジパックCDもリリースされた。

(02/02/18)
★★★★★ ★★★★★



HIGH ON FIRE
SURROUNDED BY THIEVES
(2002 / リチュアル・レコーズ HWCY-1105)
heavy rock / sludge / doom

coming soon。

(05/--/--)



HIGH ON FIRE
BLESSED BLACK WINGS
(2004 / リチュアル・レコーズ DDCR-3301)
heavy rock / sludge / doom

日本盤CDおよびアメリカ盤LPはボーナス・トラックとして「Rapid Fire」(JUDAS PRIESTのカヴァー)を収録。
アメリカ盤CD初回盤(Relapse RR6620-2)はDVD付きの二枚組だった。
アメリカ盤LP初回盤(Relapse RR6620-1)は二枚組黒盤、セカンド・プレスがオレンジ色もしくは黄色のカラー・ビニールだった。
coming soon。

(05/--/--)
★★★★★ ★★★★★



HIGH ON FIRE / RUINS
Split Single and Comic
(2005 / Skin Graft / Relapse GR7507)
heavy rock / doom

日米バンドのスプリット7"。ジャケットが8ページのコミックとなっている。
HIGH ON FIREの「Brother In The Wind」は『BLESSED BLACK WINGS』からの曲。
ルインズの「GWODHUNQA」は2002年のアルバム『TZOMBORGHA ソンボルガ』からの未発表アウトテイク。
コミックはRob Syersによる『Unsolved Histories』。
戦場に突然UFOが現れ、「ヘンダースン首相の暗殺を防ぎに来た」という宇宙人があっけなく殺される話。
音楽との因果関係はよく判らない。
それぞれの曲自体は楽しめるが、あくまでコレクター向きアイテム。

(06/03/26)
★★★★★ ★★



HIGH ON FIRE
LIVE FROM THE RELAPSE CONTAMINATION FESTIVAL
(2005 / Relapse RR1005)
heavy rock / doom

2003年1月19日、フィラデルフィアで行われた『Contamination Festival』でのライヴを収録したCD。
同フェスの模様を収めたDVDには「Blood From Zion」「To Cross The Bridge」「Hung, Drawn and Quartered」「Witching Hour」の4曲のみ収録だったが、 本CDには全8曲、34分のステージ全編が収録されている。
ライヴ時間は短く、腹八分目といった感じだが、「Blood From Zion」からスタート、VENOMのカヴァー「Witching Hour」で終わるステージ・パフォーマンスは超弩級の破壊力。
本フェスからはBONGZILLA、DYSRHYTHMIA、DAYLIGHT DIESのライヴがそれぞれ1,000枚限定でCD化されているが、HIGH ON FIREのみ2,000枚。
それでも手に入るうちに押さえておきたい。

(06/03/26)
★★★★★ ★★★★




IT IS I
EVOLVE
(1994 / Dwell CD-1002, Hellhound H0040-2)
heavy rock / sludge / doom

ASBESTOSDEATHを脱退したギタリスト、トーマス・チョイが結成したバンドの唯一のアルバム。
ASBESTOSDEATH直系のスラッジ・ドゥームだが、ハードコア色は薄れ、ヘヴィで分厚いサウンドが目立つ。
SLEEPの『JERUSALEM』にも通じるスラッジ・ストーナー・ドゥーム「Larva」、ディストーションの効いたギターとベースが大地を揺るがす「Following The Twisted Dream」、ヒステリックなギター・ノイズが効果的な「H.G.Venus」など、楽曲も多彩。 本作1枚のみでバンドが消滅してしまったのが残念だ。
2003年9月現在まだ入手可能だが、今後再発の可能性は低いため、今のうちゲットしておくことをお薦めする。その価値はあり!
チョイはバンド解散後、しばし姿を消した後にOPERATOR GENERATORを結成する。
ジャケット写真左は米Dwell盤、右は独Hellhound盤。

(03/09/18)
★★★★★ ★★★★




THE SABIANS
BEAUTY FOR DARKNESS
(2002 / The Music Cartel TMC56CD)
heavy rock / sludge / doom

元SLEEPのクリス・ハキアス(ds)、初期SLEEPに在籍していたジャスティン・マーラー(vo,g)が結成したバンド。
coming soon。

(06/--/--)



THE SABIANS
SHIVER
(2003 / The Music Cartel TMC74CD)
heavy rock / sludge / doom

coming soon。

(06/--/--)




OPERATOR GENERATOR
OPERATOR GENERATOR
(2000 / 12th Records 番号なし)
heavy rock / sludge / doom

元ASBESTOSDEATH〜IT IS Iのトーマス・チョイが結成したバンドのデビューCDEP。
coming soon。

(06/--/--)



OPERATOR GENERATOR
POLAR FLEET
(2001 / Man's Ruin MR2008)
heavy rock / sludge / doom

coming soon。

(06/--/--)




OM
VARIATIONS ON A THEME
(2005 / Holy Mountain 77525)
heavy rock / sludge / doom

神の名盤『JERUSALEM』でプレイしていたマット・パイク(g)、アル・シスネロス(b,vo)、クリス・ハキアス(ds)。
SLEEP解散後、パイクはHIGH ON FIREを、ハキアスはTHE SABIANSを結成して、それぞれ別の道を歩んできた。
だが2004年、ハキアスとシスネロスが再合体。OMを名乗って発表したのがこのアルバムである。
それがなんと、『JERUSALEM』とほぼ同路線のストーナー/ドゥーム・アルバム。
ギターレスのデュオ編成ながら、ディストーションかけまくりのベースと爆音ドラムスのおかげで隙間なしの高密度ヘヴィ・サウンドをプレイしている。
21分の曲プラス12分の曲がふたつと、長さも申し分なく、執拗に続くリフが嘔吐を催すまでにエクスタシー。
デス声スラッジ・ドゥームが多い昨今、シスネロスのヴォーカルは新鮮に感じる。
『JERUSALEM』を手がけたビリー・アンダーソンを再び共同プロデューサー兼エンジニアに迎えているあたりも、彼らの気合いのほどを感じさせる。
過去を繰り返しているだけ、という批判もあるだろうが、これだけの作品を作ってくれれば文句はない。
ただ、自分たちが生み出した神の名盤を乗り越えるまでにははるかに至っていない。
『JERUSALEM』と似た路線であるがゆえにどうしても比較対象となり、見劣りしてしまうのが残念。
曲の仕上がりやテンションも及ばないし、デュオであるがゆえに『JERUSALEM』の重厚感もスケールもない。
とはいえ、1枚の作品としては8ッ後半から9ッ前半に値する秀作。
(『JERUSALEM』は100個ぐらいが付いてもおかしくないが)

(05/04/09)
★★★★★ ★★★★



OM
CONFERENCE OF THE BIRDS
(2006 / Holy Mountain 5QXF3)
heavy rock / sludge / doom

新ドゥーム神への階段を一歩上った2枚目のアルバム。
15'55"の「At Giza」、17'27"の「Flight Of The Eagle」という全2曲の構成。
(但しCDトラック数は全44曲。トラック24までが1曲目)
前作よりベースとドラムスの2ピース編成という特性を生かしており、「At Giza」はピンク・フロイドの「太陽讃歌」を思わせるベース+語りで始まる。
しかし後半(トラック22曲目以降)からは神盤『DOPESMOKER』あるいはグレゴリオ聖歌に通じる宗教的恍惚ドゥームの宇宙がビッグバン。
古代文明(ギザ、ジグラット)とテクノロジー(周波数、電子)、そして白鳥や鶴などの鳥類が交錯する歌詞も素晴らしく、 前作をはるかに凌ぐ神々しいまでの覚醒をおぼえさせてくれる。
ドゥームで"めざめ"を感じたい人向け。
日本盤は『リーフハウンド・レコーズ』からリリース。

(06/03/26)
★★★★★ ★★★★