PENTAGRAM

PENTAGRAM
PENTAGRAM (RELENTLESS)
(1985 / ポニーキャニオンPCCY-01014)
doom metal

これぞドゥーム・メタル!という名盤。ヘヴィなリフ、オジーを思わせるヴォーカル、何かが陰から出てきそうな邪悪な雰囲気など、すべてが備わっている。スラッジコアなどを聴き慣れた今日からすると物理的な重厚さには欠けるが、真性ドゥーム・メタル・サウンドはどこまでも味わい深い。
重く暗いリフのみならず、印象的なメロディを持つアップテンポ・ナンバーも出色の出来ばえだ。中でも「Sign Of The Wolf」はANGEL WITCH「Angel Witch」を連想させる超名曲!
ドゥーム・メタルを語るにあたって欠かすことの出来ない傑作だ。
邦題は『無慈悲な安息日』。

(99/07/17)
★★★★★ ★★★★★


PENTAGRAM
DAY OF RECKONING
(1987 / ポニーキャニオンPCCY-01015)
doom metal

2ndアルバム。
傑作『PENTAGRAM』と較べると楽曲の面白味がワンランク落ちるのが残念。ミッド〜スロー・ナンバーにおいてSABBATH風リフの練り込みが足りず、凡庸になってしまっているものもある。
ただアップテンポ・ナンバー「Day Of Reckoning」は超名曲だし、高レベルなドゥーム・メタルを堪能できる秀作であることは確か。前作同様必聴だ。
邦題は『最後の審判』。

(99/07/17)
★★★★★ ★★★★


PENTAGRAM
BE FOREWARNED
(1994 / ポニーキャニオンPCCY-01016)
doom metal

飛躍的に音質が向上した3rdアルバム。ヘヴィな深みと奥行きのあるサウンドを楽しめる。
ただ、音の密度が濃くなったことで前2作にあったコクが薄れたのが残念。楽曲もいずれも悪くはないものの、PENTAGRAMの作品として聴くには不満が残る。
まあ逆を返せば、PENTAGRAMの作品だと思わなければ十分に楽しめるということだが。
デビュー・シングル曲「Be Forewarned」のリメイクも今ひとつの出来。
邦題は『魔界からの警告』。

(99/07/17)
★★★★★ ★★★


PENTAGRAM
1972 - 1979
(1996 / Peace Records PCECD001)
doom metal

PENTAGRAMが70年代にリリースした4枚のシングルの各A面、そして未発表デモを集めた初期音源集。メタル色は薄くBLUE CHEERからの影響が強いサウンドで、THE ROLLING STONESの「Under My Thumb」やTHE YARDBIRDSの「Little Games」など、意外なカヴァー曲も興味深い。
『PENTAGRAM』ほどの完成度はなく、アマチュアバンド然とした演奏だが、資料的には貴重極まりない1枚だ。
LPとCD-Rがリリースされたが、何かとズサンな『Doom Records』系列の『Peace Records』からのリリースのため、CD-Rの裏ジャケはLPをそのまま縮小したもので、クレジットが読めない。CD-Rは表ジャケも質の悪いカラーコピーのため、押さえるならばLPにしておくことをお薦めする。
最近『Vol.2』が出たらしい。

(99/07/17)
★★★★★ ★★★


PENTAGRAM
HUMAN HURRICANE
(1998 / Downtime Recordings DTR001)
doom metal

'98年12月にリリースされた初期音源集。'73年を中心に'74・'76年の音源を17曲集めたもので、「Hurricane」がシングルと同テイクなのと2曲が『1972-1979』と重複する以外は未発表のレア音源満載アルバムだ。
(『1972-1979 Vol.2』にも本作と同テイクが2曲あるらしい)
『1972-1979』がシングル中心でコンパクトだったのに対し、本作はずっと自由にプレイしており、サウンドもヘヴィ。ホラー映画っぽいジャケも秀逸だ。
PENTAGRAMのサウンドを代表しているとは言えないが、内容的にも面白く、一聴の価値はある。

(99/07/17)
★★★★★ ★★★


PENTAGRAM
REVIEW YOUR CHOICES
(1999 / Black Widow BWRCD031-2)
doom metal

5年ぶりに復活の4thアルバム。イタリーのC級プログレ/ドゥーム・レーベル『Black Widow』からのリリース、ジャケットの下手糞イラストで限りない不安を抱かせたが、これはかなりイケる。
ボビー・リーブリングがヴォーカルを務める以外は何と全パートをジョー・ハッセルヴァンダーが演奏しているが、オープニングのアップテンポ・ドゥーム・ナンバー「Burning Rays」をはじめ楽曲は『BE FOREWARNED』を凌ぐ良さだし、ミッドテンポの曲におけるリフのキレも良い。ここまで良いリフを弾かれたら、元メンバーのヴィクター・グリフィンの立つ瀬がないというものだ。
ただ『PENTAGRAM』の頃の妙な熱さ・勢い・テンションを感じることが出来ないのは残念。また'99年8月の『Stoner Hands Of Doom』フェスティバルでの復活ライヴが予定されていたが出演がキャンセルとなり、バンドの今後が危ぶまれている。
と思ったらボビーとジョーの二人で2001年夏にPENTGRAM名義の新作を出すらしい。

(99/07/17)
★★★★★ ★★★


DEATH ROW (pre-PENTAGRAM)
DEATH IS ALIVE: 1981-1985
(2001 / Game Two GT-16)
doom metal

'78年のPENTAGRAM解散後にボビー・リーブリング、ジョー・ハッセルヴァンダー、ヴィクター・グリフィンが結成したDEATH ROWによる'83年のライヴ音源。
ファンジン『Slow Ride』でもPENTAGRAM偏愛ぶりを発揮している『Game Two』レーベルからのリリース。
音質は今イチだが、当時の彼らの気迫に満ちたライヴ演奏を楽しめる貴重極まりないアルバムだ。
演奏されているナンバーは大半が後にPENTAGRAMのアルバムで再演されるもので、本作の時点でアレンジも固まっているのが興味深い。
但し名曲「Sign Of The Wolf」の演奏がちょっと低調なのは残念。
彼らは'84年末に再びPENTAGRAMと改名、'85年に『PENTAGRAM (RELENTLESS)』で復活を果たす。
アナログ盤のみがリリースされた。2001年後半にはCDもリリースされるかも。
(2002年3月時点でCDは未発売。)

(01/04/24)
★★★★★ ★★★