MASTERS OF REALITY

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MASTERS OF REALITY (THE BLUE GARDEN)
(1988 / 日本フォノグラム PPD1074)
stoned heavy rock

KYUSSやQUEENS OF THE STONE AGE、FATSO JETSON、UNIDAなどのプロデュースでも知られるデザート・ロック界の陰のドン、クリス・ゴス率いるM.O.R.のデビュー作。
リック・ルービンのプロデュースによる、ヘヴィなグルーヴにアメリカンなテイストを加えた90年代ストーナーの先駆者たる作品で、リリースから15年以上経っても輝きが衰えることがない名盤。
むしろリスナーの耳が成熟した現代こそもう一度聴かれるべき作品だ。
余談だが本作収録の「Domino」はスティーヴン・セガール主演『死の標的』サントラにも使われた。
アメリカでは『Def American』レーベルからリリースされ、その後『Delicious Vinyl』が「Doraldina's Prophecies」(コンピレーション『TIL DEF US DO PART』収録)を追加収録、ジャケットを変えて再発した。

(04/10/07)
★★★★★ ★★★★★



SUNRISE ON THE SUFFERBUS
(1993 / 日本フォノグラム PHCT-1214)
stoned heavy rock

約4年半ぶりの2ndアルバムでは何と元CREAMのジンジャー・ベイカーが正式メンバーとして加入。
サウンドは前作以上に多彩で、カントリー風ナンバーやバラードも。ただどれもがMASTERS OF REALITY風としか言えない独自性を持っており、しかもヘヴィ・ストーン臭を放っている。
ドラムスの表現幅が広がったことによって楽曲にヴァラエティがあり、まるでジャケットの兎の後を追って不思議の国に旅立つ一編の冒険物語のようだ。
ジンジャーのドラムスはバンドのサウンドに予想外にフィットしていたが、やはり彼はアルバム完成後離脱。ジャック・ブルース、ゲイリー・ムーアとBBM結成に走っている。
MASTERS OF REALITYは'95年に『Epic』レーベルと契約、アルバム『THE BALLAD OF JODY FROSTY』を録音するが、お蔵入りになってしまった。
ただ、アルバム・タイトル曲を含む一部の楽曲は2004年、『GIVE US BARABBAS』に収録された。

(04/10/07)
★★★★★ ★★★★



HOW HIGH THE MOON - LIVE AT THE VIPER ROOM
(1997 / Malicious Vinyl MV5017-2)
stoned heavy rock

前作からさらに4年を経てリリースされたライヴ盤。ロサンゼルスにあるクラブ『The Viper Room』(ジョニー・デップ所有)での2公演からのテイクが収録されている。
クリス・ゴス、グージのオリジナル・メンバーに加え、ヴィック"ザ・スティック"(QUEENS OF THE STONE AGEの初代ドラマー)がプレイ。2枚のアルバムからの曲に加え新曲、カヴァー「Going Down」も演奏しており、スタジオ盤以上にド迫力の演奏だ。
さらにスコット・ウェイランド(STONE TEMPLE PILOTS)が1曲「Jindalee Jindalie」でゲスト参加。さほど大活躍はしていないが、前作における元祖ストーナーのジンジャー・ベイカー、ヘロ中のスコットと、このバンドはストーナー各世代をリンクする存在であると言えるだろう。
なおこの日のライヴの前座はearthlings?だったらしい。
2001年後半にドイツ盤がリリースされたが、その際に『REALITY SHOW』と改題された(Cargo CAR CD040)。
内容はまったく同じだが、アートワークは異なっている。

(99/07/24)
★★★★★ ★★★★



WELCOME TO THE WESTERN LODGE
(1999 / Brownhouse Recordings BRH9901-2)
stoned heavy rock

ライヴ盤から(彼らとしては)短期間の約2年ぶりにリリースされた新作スタジオ盤。
正式メンバーはクリス・ゴス(g/vo/b)とジョン・リーミー(ds/b/key)の2人のみとなった。
カントリーやフォーク色が消え、スペーシーなキーボードやオーケストラ(サンプリング?)が多用されたことによってサウンドが大幅にスケールアップ。クリス・ゴスがウェイトアップしたこともあってヴォーカルもパワーが増しており、1st以来の充実した作品に仕上がっている。
楽曲も比較的ヘヴィ・ロック風のナンバーが多く、取っ付きやすい。
オランダ盤が先行リリースされ、遅れてアメリカ盤も『Spitfire』から世に出た。
日本ではリリースが見送られたが、ずばり傑作。

(99/07/24)
★★★★★ ★★★★★



DEEP IN THE HOLE
(2001 / Brownhouse Recordings BRH9902-2)
stoned heavy rock

前作から2年、同じ2人で作られたスタジオ・アルバム。
サポート・メンバーとしてジョシュ・ホーミ、ニック・オリヴェリ、マーク・ラネガン(いずれもQUEENS OF THE STONE AGE)、デイヴ・キャッチング(earthlings?)らが参加。彼らはMASTERS OF REALITYの2001年10月〜11月のヨーロッパ・ツアーにも同行して話題を呼んだ。
アメリカンなヘヴィ・ロックに独特のストーナー感を加えたパワフルなサウンドは健在。70年代風のブルージー・ハード・ロック色も感じられ、老若男女問わず好き者には堪えられないサウンドだ。
どの曲も忘れ難い曲構成とリフ、刻一刻と変化していくスリリングな展開が魅力。中でも「Corpus Scorpios Electrified」はアルバムのハイライトといえる名曲だ。
「High Noon Amsterdam」(リフとコーラスがイイ!)は「Counting Horses」とのカップリングでシングルカットされたが、2曲ともアルバム収録曲だし、ジャケットもアルバムと同じなので、食指をそそらない。
寡作の鬼才クリス・ゴスが底力を見せつけた、2001年ヘヴィ・ロックを代表する名盤のひとつ。聴くべし。

(01/12/11)
★★★★★ ★★★★★



REALITY SHOW
(2001 / Cargo CAR CD040)

→『HOW HIGH THE MOON - LIVE AT THE VIPER ROOM』の項目を参照のこと。



FLAK'N'FLIGHT
(2001 / Brownhouse Recordings BRH9903-2)
stoned heavy rock

2001年10〜11月のヨーロッパ・ツアーで収録されたライヴ・アルバム。
正式メンバーはクリス・ゴスとジョン・リーミーの二人だが、ジョシュ・ホーミ、ニック・オリヴェリ、そしてロンドン公演で収録された「High Noon Amsterdam」ではマーク・ラネガンと、当時のQUEENS OF THE STONE AGEのメンバー達が全面バックアップ。
豪華きわまりないステージ・パフォーマンスを70分以上にわたり堪能できる。
ライヴならではの迫力があり、「John Brown」でのジャム、RAMONESのカヴァー「Cretin Hop」も白熱。
ベスト盤としても聴けるため、MASTERS OF REALITYの音楽に初めて触れる人にも絶賛お薦め!

(04/10/07)
★★★★★ ★★★★



GIVE US BARABBAS
(2004 / Brownhouse Recordings BRH9904-2)
rock

前 ボツになったアルバム『THE BALLAD OF JODY FROSTY』からの曲を含む、未発表音源集。
1980年代前半にレコーディングされたカセット・デモ「Don't Get Caught By The Huntsman's Bow」、ジンジャー・ベイカーやダニエル・レイが参加したジャム音源からの「The Desert Song」、当時STONE TEMPLE PILOTSのスコット・ウェイランドが参加した「Jindalee Jindalie」など、レア・トラックをふんだんに収録。
ただ、アコースティック色が濃く、ヘヴィでサイケな音を求める向きには今ひとつ地味に感じられるかも知れない。
それでも唯一無比のクリス・ゴス節は聴きこむごとに味わいを増していくため、MASTERS OF REALITYの世界観に馴染みのあるディープなファンならかなり楽しめるはず。
クリス・ゴス自らのイラストを配したジャケット、CDブックレットのアートワークもユニーク。

(04/10/07)
★★★★★ ★★★




TIM HARRINGTON


BOGEYMEN
THERE IS NO SUCH THING AS...
(1991 / Delicious Vinyl 422-848-951-2)
stoned heavy rock

MASTERS OF REALITYの1stに参加していたティム・ハリントン(g/vo)とヴィニー・ルドヴィコ(ds)が結成したバンドの唯一の作品。
MASTERS OF REALITY『THE BLUE GARDEN』の延長線上にあるヘヴィ・アメリカン・ロックだが、ハリントンのヴォーカルが今ひとつ迫力不足のため、彼の古巣バンドほどのインパクトはないのが残念。
ただ、ハードなロック・サウンドの中にも随所にヒネリが効いており、変化球好きのリスナーなら楽しめる内容だ。
かなり入手困難だが、プレミア品ではないため、中古盤店を丹念に探すべし。

(01/12/12)
★★★★★ ★★★


TIM HARRINGTON
SHINOLA
(1996 / Delicious Vinyl 番号不明)
???

ティム・ハリントンのソロ作と言われるアルバム。
『The Trouser Press Guide To 90s Rock』に記載があるものの、現物は未確認。
『MASTER FREQUENCY〜』よりもコマーシャルな音楽性と書いてあるが、本当に存在するか明らかになっていない。
『Delicous Vinyl』の都合で発売延期になったことは明らかになっているが...。
ご存じの方はご一報下さい。

(01/12/11)



H
H
(1996 / Famous Maker Brand FMB-71957)
folky rock

ティム・ハリントンが結成したユニットの5曲入りEP。
本作が『SHINOLA』と同じ作品?という説もあり。
事実、本作のサウンドはMASTERS OF REALITYやTHE BOGEYMENと較べてもかなりコマーシャルで、カレッジ風味を加えたフォーキーなロックといった感じ。
どの曲もきちんと練られているが、驚くほど淡々とした作風だ。
それなりに楽しめるものの、ティム・ハリントンに求める音楽性ではないし、ファンの期待を裏切ってまでやるほど素晴らしい出来というわけでもない。
かなりのレア盤だが、プレミアは付いていない筈。

(01/12/12)
★★★★★ ★★



TIM HARRINGTON
MASTER FREQUENCY & HIS DEEPNESS
(1996 / Triple XXX 51217-2)
stoned heavy rock

ティム・ハリントンの復活ソロ作。
「Signify」「Grey Skies」のようなヘヴィ・リフ・チューンがある一方でアコースティック・サイケ曲やエレクトロニック・インストもあったり一貫しない作風だが、MASTERS OF REALITY時代は明らかになっていなかった彼のエキセントリックな面が露わになっている。
何故かMENTORSのシッキー・ワイフビーターが「No Slaves」にゲスト参加、ギターを弾いていたりもする。
ネームヴァリューがないこともあって、たまに中古盤屋であっと驚く安値で売られていることもあるので要チェックだ。新品で買っても元を取れる内容なのだが。

(01/12/12)
★★★★★ ★★★★



CREEPJOINT
KILL THE HEAD
(2003 / 自主制作 番号なし)
fuzz psychedelic rock

ティム・ハリントンが復活。
Scott Schimpff (b)、Bobby Buddd (g)、Andy Walton (ds)と結成した新バンドのデビュー作。
ヘヴィでファジーなギターとサイケデリックな歌メロが特徴のロック・サウンドで、MASTERS OF REALITY同様にエキセントリックでありながら、よりガレージ的なアプローチを取っている。
自主制作盤のため、国内での入手は楽ではないが、ハリントンのギターがその魅力を失っていないことが判る佳作。
まだ本領発揮とまでは行かないようだが、今後の活躍に期待してひとつサービス。
ラスト「Billy Goat」は突如エレクトロ・ダンス・ポップ。何だこりゃ。
ちなみにLES SAVY FAVのメンバーにTim Harringtonという人物がいるが、同名の別人。

(04/10/07)
★★★★★ ★★★