KYUSS
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KYUSSの歴史については、こちらもご参照のこと。


SONS OF KYUSS (pre-KYUSS)
SONS OF KYUSS
(1990 / Black Highway BH0001)
desert / metal / punk

KYUSSの前身バンドによる唯一のアルバム。
全8曲中4曲がKYUSSの1st『WRETCH』と重複しており、テイクも同じ部分があるなど、基本路線は同じ。
ファスト・ナンバーが多く、METALLICAを思わせる箇所が多いのが面白い。
後期KYUSSに聴かれる奥の深さは感じられないが、ひたすら突っ走るサウンドがFU MANCHUに通じるものがあったりして、今聴いても十分楽しめる。
クリアヴィニールのLPで、限定1,000枚プレスと言われている。但しジョン・ガルシアは本作の出来に満足しておらず、半分以上を自宅にキープしているらしい。
その結果、本作はストーナー究極のレア盤のひとつとなっている。
なお本作はアナログオンリーで、一度も公式CD化されたことはない。
ブートレグCDが2000年初めに1,000枚プレスされ、Meteorcityなどの通販業者で売られたため、音源を聴くことはかなり容易になった。
だが、このブートレグCDも現在ではレア盤と化しており、プレミアを呼んでいる。

(99/02/28)
★★★★★ ★★★



WRETCH
(1991 / Dali 61256-2)
desert / metal

SON OF KYUSSからKYUSSに改名しての再デビュー・アルバム。
SON OF KYUSSの延長線上にあるサウンドで、かなりメタル寄り。
とは言っても決して楽曲はスラッシュ的ではなく、歌い回しやアップテンポ・ナンバーが多いあたりが似ている。
若さに任せたメタル・サウンドは迫力があり、メタル耳のリスナーにはよく馴染むが、彼らをKYUSSたらしめている深みはまだ感じられない。
「Katzenjammer」はジョシュ・ホーミと初代ベーシスト、クリス・コックレルの共作。

(99/03/16)
★★★★★ ★★★



BLUES FOR THE RED SUN
(1992 / MMG WMC5-617)
desert

ブラント・ビョーク(ds)が名曲「Green Machine」、ニック・オリヴェリ(b)がフリークアウト・ナンバー「Mondo Generator」を書いており、ジョン・ガルシア(vo)やジョシュ・ホーミ(g)のパフォーマンスも最高と、4人全員の凄さが見事に発揮された名盤2ndアルバム。
3rd『WELCOME TO SKY VALLEY』と較べて曲の構成がカチッとしているぶん聴きやすく、本作を最高傑作に挙げるファンも少なくない。
個人的には『SKY VALLEY』の鬼気迫るサウンドに軍配を上げたいが、ストーナー初心者には本作の方がすんなり入っていけるだろう。
'93年6月に『MMG』から日本盤CDもリリースされていたが、まるで話題にならなかった(上記は日本盤番号)。
ちなみに日本盤のCD盤面には何故か『WRETCH』のデザインが印刷されている。

(99/02/06)
★★★★★ ★★★★★



WELCOME TO SKY VALLEY
(1994 / Elektra 61571-2)
desert

ストーナー神KYUSSが3作目にして生み出した、デザート・ロック究極の名盤。
3つの組曲から成り立っており、リスナーはうねるように展開していくサウンドに身を委ねて奈落へと堕ちていく。
ヘヴィ・ロックに新たな進化をもたらした歴史的アルバムだが、当時は過小評価に終わってしまった。
初心者リスナーにはこの世界観を呑み込みきれない可能性もあるので、1st→2nd→本作と聴き進めることをお薦めする。
ベースがニックからスコット・リーダーに交替し、「N.O.」ではFATSO JETSONのマリオ・ラーリがリード・ギターでゲスト参加している。

(99/01/30)
★★★★★ ★★★★★



...AND THE CIRCUS LEAVES TOWN
(1995 / Elektra 61811-2)
desert

ドラムスがブラントからアルフレド・ヘルナンデスに交替しての4作目にしてラスト・アルバム。
2nd、3rdに勝るとも劣らぬ、まさに有終の美を飾る傑作だ。
『SKY VALLEY』と較べて音楽性がやや整理されたようにも思えるが、重低音グルーヴ・サウンドと奇想天外なインスト・パート、そしてジョン・ガルシアのど迫力のヴォーカルは健在。大音量で聴くと神経が麻痺していく。
ジョシュのファジーなギター・サウンド、リフ・ワークとも素晴らしい。
「Catamaran」は'87〜'89年にアルフレドがマリオとラリーのラーリ兄弟(現FATSO JETSON)、ゲイリー・アーシーが組んでいたバンド、YAWNING MANのカヴァー。

(99/03/20)
★★★★★ ★★★★★



KYUSS / QUEENS OF THE STONE AGE
KYUSS / QUEENS OF THE STONE AGE
(1997 / Man's Ruin MR063)
desert

解散直前のKYUSSが『Man's Ruin』レーベルからリリースした10"、解散後にジョシュ・ホームが結成したGAMMA RAYの同じく『Man's Ruin』からの7"、そしてGAMMA RAYのアウトテイクを加えたカップリングCD。
7"のリリース後に同名のバンドがいることに気付いたため、バンド名はQUEENS OF THE STONE AGEに改名された。
KYUSSによるBLACK SABBATHのカヴァー「Into The Void」はそれなりにハマっているものの、彼らならもっと思い切ってぶち壊すことが出来た筈。
このカヴァーは『Man's Ruin』のオーナー、フランク・コジックからの要請で、本人たちは決して乗り気ではなかったようだが、そのせいか今ひとつの出来だ。
それより気合いが入りまくりなのが10"のB面曲だった「Fatso Forgotso」2ヴァージョン(というか完全に別の曲)。この2曲だけでも買いだ。
一方のQUEENSの「If Only Everything」は彼らのアルバムでも再演された曲で、彼らの新しい方向を示唆するナンバー。ジョン・ガルシアがバック・ヴォーカルを務めており、KYUSS解散が人間関係によるものではないことを証明している。

(99/03/24)
★★★★★ ★★★



KYUSS/WOOL
Shine! b/w Short Term Memory Loss
(1996 / Bong Load BL26)
desert

KYUSS最後のレコーディング音源はWOOL(現GOATSNAKE/earthlings?のvo、ピート・スタールが在籍)とのスプリット7"。
QUEENS OF THE STONE AGEのアルバム後半に入っていそうなインスト曲(エフェクトをかけた絶叫あり)で、アルバムの中では生きても、正直シングルとしてはピンとこない。
WOOLの方も同じようなテンポのナンバー(こちらはヴォーカル入り)で、AB面の連続性はあるものの、やはりシングル曲としての魅力は今いち。
「Shine!」はコンピレーション盤『MUCHAS GRACIAS』やvarious artists盤『METALLURGY』(Volume VMETCD1)、『STONED AGAIN』にも収録され、現在でも容易に聴くことが可能。
「Shine」が収録されたのはKYUSS最後のレコーディング・セッション('95/5/31)。この時は「Flip The Phase」「Mud Fly」「A Day Early And A Dollar Extra」「Fatso Forgotso」「Shine」の5曲が録音され、最初の3曲はシングル「One Inch Man」のカップリング曲となった。

(99/03/24)
★★★★★ ★★



MUCHAS GRACIAS - THE BEST OF KYUSS
(2000 / Elektra 7559-62571-2)
desert

2000年9月に突如リリースされたドイツ編集のコンピレーション盤。
"ベスト"と銘打ってはいるものの、オリジナル・アルバム4作からは全15曲中5曲のみ。他はシングルB面曲などのレア・トラックがたっぷりと詰め込まれている。
これまでebayなどで高値を呼んでいたアルバム未収録音源を一気に聴ける、ファン感涙の好企画。内容も「Unsandpiper」「Fatso Forgotso」などアルバム収録曲に負けない楽曲、エキサイティングなライヴ・テイクが詰め込まれており、アルバムを一通り押さえたら聴かねばならない秀作である。
というか、『WRETCH』よりも本作の方がお薦めできる位の素晴らしい1枚だ。
ただ、収録曲が元々どのリリースに収められていたかがブックレットに書かれておらず、データが不十分なのが残念。中身が凄いだけに徹底して欲しかった。
収録曲(カッコ内は出典)は:

"Unsandpiper" (Gardenia single)
"Shine" (Bong Load single)
"50 Million Year Trip" (Blues For The Red Sun album)
"Mudfly" (One Inch Man single)
"Demon Cleaner" (Sky Valley album)
"A Day Early And A Dollar Extra" (One Inch Man single)
"I'm Not" (Wretch album)
"Hurricane" (And The Circus Left Town album)
"Flip The Phase" (One Inch Man single)
"Fatso Forgotso" (Into The Void single)
"El Rodeo" (And The Circus Left Town album)
"Gardenia" (Live At The Marquee)
"Thumb" (Live At The Marquee)
"Conan Troutman" (Live At The Marquee)
"Freedom Run" (Live At The Marquee)

(00/10/31)
★★★★★ ★★★★