009 RE:CYBORG

『009 RE:CYBORG』を見ました。六本木ヒルズにミサイルが突っ込んで、003がエロ黒下着になって、『天使編』と『神々との戦い編』を中途半端に解釈したような話がうだうだ続いて、最後に宇宙空間で009と002が一緒になるので、「きみはどこに落ちたい?」と抱き合ってBL展開になるかと思いきや002はあっさりと先に落ちていって、009は核ミサイルに跨って爆発します。『博士の異常な愛情』へのオマージュだったのかも知れません。 家でDVDで見たのがいけなかったのでしょうか。でも映画館で3Dで見てもストーリーが面白くなったわけではないと思います。

基本的に、ゼロゼロナンバーサイボーグが全員出揃ったところで「もういいや」と興味を失ってしまいました。あとは何だか義務感で最後まで見ました。ごめんなさい。

002の足の飛行装置がイマドキ風なのはアリでした。あと004が白目なので、盲目?と思いました。妙なところが原作準拠だ。

2013-06-08

リチャード・ラミレスが亡くなったそうです。ずっと死刑囚でしたが、死因は肝不全。

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イギリスのブラックプールで8月8~11日にRebellion Festivalというパンク・フェスティバルが行われて、えらく豪華なラインアップです。SPACEはちょっと場違いな気もしますが、それよりもまだやっていたことに驚きました。ぐぐってみたらTOPLOADERの前座としてツアーするんだかしたんだか、TOPLOADERもまだやっていたのですね。

2013-06-07

イギリスでアナグマが牛結核を媒介するという理由で間引きされていて、ブライアン・メイが反対運動をやっていますが、そのプロジェクト名がSave Meだそうで、それはまだ仕方ないとしても、間引きベネフィット・シングル「Badger Swagger」の曲とビデオがダメダメ過ぎて、逆効果なのではないかと心配になります。後半のスラッシュのギター・ソロは良いのですが、そこまで至るのがきついです。アナグマは遠目で見るぶんにはかわいいので殺すのは可哀想なのですが、イギリス国内の産業とかいろいろ都合があると思うので、黙っておきます。

アナグマはイギリスの田園風景に欠かせない動物で、YESのトニー・ケイもBADGERというバンドをやっていましたね。ジェフ・ベックが参加している方のアルバム『WHITE LADY』、LPの背表紙に『WHITE LADY AND THE BADGER』と印刷してありました。あとTYGERS OF PAN TANGにも「Badger Badger」という曲が。

ケネス・グレアムの『たのしい川べ (Wind In The Willows)』はイギリス人のガキだったら全員読んでいる本で、The Piper At The Gates Of Dawnという表現もこの本から取ったものですが、重要なキャラの一員としてアナグマさんが出てくることからも、それだけイギリス人の生活に馴染んだ存在なのだということが窺えます。

『くまのプーさん』『赤い館の秘密』のA.A.ミルンがこの『たのしい川べ』を戯曲化していて、その単行本のイラストを『くまのプーさん』でおなじみE.H.シェパードが描いていて、とても好きです。ところでE.H.シェパードはプーさんを憎んでいたそうです。

ただ『楽しいウイロータウン』、これは絶対違うよ!

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今月24日にQUATERMASSの『QUATERMASS』がボーナス・トラック&5.1chリミックスDVDオーディオ付きでEsotericから再発されるそうです。”スティーヴン・ウィルソン・リミックス物”に続いて、これからこういうのがトレンドになっていくのでしょうか。

EDGAR WINTER BAND with special guest Rick Derringer @ビルボードライヴ東京

知らない曲ばっかだったらどうしよう?と思っていたら、『THEY ONLY COME OUT AT NIGHT』40周年ライヴ!とのことで、知っている曲をたくさんやっていました。

VCMG: SSSS

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DEPECHE MODEのマーティン・ゴアが、1981年にDEPECHE MODEを辞めてYAZOOそしてERASUREでやってきたヴィンス・クラークと再合体したプロジェクトVCMGのアルバム『SSSS』を聴きました。去年出たやつ。

どっちかといえば1990年代の匂いのするエレクトロ・ダンス・インスト作で、さほど気負ったミニマル・テクノとかヲタ御用達には走っておらず、ポップで気軽に踊れます。なんかこの1枚だけあれば残りの一生オッケーな気もします。

時にFUTURE SOUND OF LONDONを思い出したりして、あのバンド名もそうとう気恥ずかしかったけどそろそろ一周してジョー・ミークみたいにダサかっこいい感じなのかなと思いましたが、なんと現役なのだそうで、20年間”FUTURE SOUND OF LONDON”と名乗り続けたのは流石です。

DEPECHE MODEは今年新作『DELTA MACHINE』を出して、「俺のルーツはブルーズさ!」とか言っていますが、VCMGもこれからも続けて欲しいです。

VISAGE: HEARTS AND KNIVES

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VISAGEの29年ぶりのニュー・アルバム『HEARTS AND KNIVES』がまた、ぬるま湯の中で屁をこいたような煮え切らないアルバムで、それが何とも愛おしかったです。 前作『BEAT BOY』(1984)も1991年ぐらいに吉祥寺ディスクユニオンで150円だかでLPを買って、やっぱりミッジ・ユーロがいないとダメなのだなと思った記憶がありますが、内容をまったく覚えていない上に、今ちょっと聴き返す気力がないので、新作との比較は出来ません。 「VISAGEの新作を買っちゃったらぬるま湯の中で屁をこいたような煮え切らないアルバムでさぁ~」と言ったら微笑んでくれるガールフレンドが欲しいです。 それはそうと、せっかく復活したことだし、VISAGE初来日に期待したいです。ミッジ・ユーロも9月に来日することだし!

ところでミッジさんは前回、1999年5月に来日。六本木スウィートベイジルでライヴを行っています。前年ヨーロッパで「Breathe」がSwatchのTVCMソングに使われ、メインストリーム人気があったため、空席が目立ったのがかなりこたえたらしく、公演後に話を聞いたら「ヨーロッパではもっとお客さんが入るんだけどねえ…」とぼやいていたのを覚えています。今回はぜひみんなで行って、大いに盛り上げましょう!

関係ないけど1999年5月スウィートベイジルといえばBLUE OYSTER CULTも来日しましたね。

CATHEDRAL: THE LAST SPIRE

このつづき。 CATHEDRAL『THE LAST SPIRE』日本盤CDボーナス・トラックの「Tombs Of The Blind Dead」、基本的にはDecibel誌2013年5月号オマケソノシートの「Vengeance Of The Blind Dead」と同じ曲だけど、テイクが異なるみたいです。まだ真面目に比較していませんが、ソノシートのFlexi Versionはイントロにスクラッチ・ノイズが入っていて、曲がちょっと短いです。 現時点では「Tombs Of The Blind Dead」の方は日本盤CDを買わねば聴けないということですが、輸入盤より1,000円以上高いです。

なお「Tombs Of The Blind Dead」は言うまでもなく映画『エルゾンビ落ち武者のえじき』の英語タイトルであって、「Night Of The Seagulls」「Templars Arise!」、それから7″「Gargoylian」ジャケットなど、リー・ドリアンは『エルゾンビ』サーガ大好きっ子なので、ぜひ見ておきましょう。

【ネタバレ注意】大橋義輝『毒婦伝説:高橋お伝とエリート軍医たち』

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ひきつづき大橋義輝『毒婦伝説:高橋お伝とエリート軍医たち』を一気に読みました。

”毒婦”高橋お伝の陰部が”典型的淫乱の陰部”としてホルマリン漬けになり、東大に保管されているという説は有名ですが、1932年頃に陰部の測定が行われて、その測定と考察をしたのが後に731部隊の関係者になる人だそうです。高橋お伝が死刑になったのが1876年なので、既に50年経っているわけですが、何故そんな頃になって測定が行われたのか?さらに太平洋戦争直後、浅草松屋デパートで陰部が展示されたとか、その後、個人が所持していたとか、衝撃の事実が明らかになります。

結局この本にはオチがなく、「なぜ陰部測定が行われたのか」「陰部はどこに行ったのか」などの答えはありません。「ステーキにして食べた可能性があります」という酷い妄想オチが付けられていますが、50年以上ホルマリン漬けだった肉を食べたら死ぬと思います。

肝心の東大医学部の標本室に入ることが出来ず、陰部のホルマリン漬けがあるのかないのか不明なままなのは致命的ともいえるし、「私は自転車に乗った」「私がテレビ局在職中には」など無駄なオレオレアピールは邪魔で、本書の価値を低めてしまってすらいます。それでも高橋お伝を論じるにあたって必携の一冊なので、ぜひ読んでみましょう。

終盤、高橋お伝の頭蓋骨が浅草区田町(現・東浅草5丁目or6丁目)に保存されていたという説が記されています。著者は現地に行ってみたけど「宮田という家は見当たらなかった」とのことです。

…浅草で宮田といえば、宮田レコードを思い出しました。場所的にも東浅草の隣町なのですが、まさかまさか

週刊大衆

そして今週の週刊大衆。原田久仁信の漫画版『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』ではVALE TUDO JAPAN OPEN 1995での中井祐樹vsジェラルド・ゴルドーが描かれています。この号では柳澤健の『1964年のジャイアント馬場』が連載開始!グレート東郷に日本マット界から撤退させるよう説得するのが『柔道新聞』主幹の工藤雷介という、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』の世界とのリンクが。 これから毎週楽しみな連載ですが、第1回にして早くも1964年2月についての記述となってしまっています。あと10ヶ月ぶん。 しかしこの号、女子プロレスグラビア記事があったり、プヲタにターゲットを絞っていますね。

【ネタバレ注意】増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』

増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』読了。分厚い本でしたがまったく飽きることがなかったです。インタビューされている膨大な数の関係者も、これから1人また1人といなくなっていくし、まさに歴史的に重要な一冊だと思います。

終盤、日本柔道はアントン・ヘーシンクに敗北を喫するわけですが、そのヘーシンクを育てたのが元・武徳会の道上伯。やはり元・武徳会の阿部謙四郎も協力したそうで、いわば講道館によって壊滅させられた武徳会のリベンジでもあったわけですね。さらにそのヘーシンクが全日本プロレスに入団するというのもドラマです。

最後に、昭和50年代に日本某所で秘密裡に”何でもあり”格闘技大会が行われ、岩釣兼生が優勝したという逸話が明かされます。凄まじいファンタジーをかき立てられます。

ところで岩釣が全日本プロレスの道場で渕正信とスパーリングをやって、渕が一歩も退かなかったというエピソードがGスピリッツに載っていましたが、それもまたファンタジーをかき立てずにいません。

スペル

サム・ライミ監督の『スペル』、なんだか見逃していたのをDVDで見ました。原題は『Drag Me To Hell』。原題と異なるカタカナ邦題をつけると覚えられなくて困ります。 ジプシー婆さんに不親切にしたら呪われたという『痩せゆく男』みたいなストーリーで、『新トワイライトゾーン』とかで30分枠でやれそうなものですが、目玉ポーン!とか鼻血ブー!とかテレビでは出来ないショック&グロ描写が満載、しかも効果的で、最高です。

ナックルズBOOKS:放送できない怪事件X

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『ナックルズBOOKS:放送できない怪事件X』を読みました。

この手のコンビニ系ムックというと、自意識ばかり強い食いっぱぐれた無名ライターと下手糞な漫画家がネットからパクったネタを垂れ流すという偏見があったのですが、この本は釣崎清隆、松沢呉一、ケロッピー前田など、僕のような無知な人間でも名前を知っている人たちが文章を書いて、吉村智樹がVOWネタを提供して、『鈴木先生』の武富健治が漫画を描いています。内容もロシア刑務所タトゥーとか、矢作よねのSMネタとか、フォトグラファー亀山亮インタビューとか、面白いものがありました。全然面白くない埋め記事もありましたが、580円なので、おつりが来ると思います。

CATHEDRAL: THE LAST SPIRE

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CATHEDRALの『THE LAST SPIRE』を聴きました。けっこう前に聴いたけど、今ひとつ乗れなくて、拙ブログでは書いていませんでした。

もちろん作品としては良いのであって、初期の鬱ドゥームと前作『THE GUESSING GAME』のプログレ色がうまくブレンドされていて、十分楽しめます。

“ラスト・アルバム!”というよりも”20年以上やっているバンドの10枚目のアルバム”で、言ってみれば漫画の最終回がいつもと同じオチで終わる感じでしょうか。僕は『がきデカ』の最終回を思い出しました。いちファンとしては『がきデカファイナル』みたいな大団円を期待していたのですが、リー・ドリアンは「ハッピーエンドは嫌い」と言っているので、彼の目論見は達成されたのだと思います。ハッピーエンドでなく、かといってバッドエンドでもありません。

繰り返し言うけど十分楽しめるアルバムだったのですが、あまりにラスト・アルバムらしくないのと、レコード会社さんの顔色を伺っているような褒めまくりの他所のブログに萎えてしまったのと、大枚はたいてダイハード盤LPを買ったらジャケットのダサさがさらに目立ったので、何だか乗れませんでした。ここ最近、何度も聴き込みたいアルバムが他にもあったし。こないだのTerrorizer誌ドゥーム増刊号でもRise Above RecordsのエースはELECTRIC WIZARDみたいな感じだったし、仕方がないのだと思います。

SEPTIC TANKの7″は楽しそうにやっていたけど、あれでキャリアを築くわけでもなさそうだし、今後はただの”メールの返事の遅いレーベルのオーナー”になってしまうのでしょうか。そうだとしたら寂しいです。MOSSやCHURCH OF MISERYもいるので、それなりにやっていけるとは思うけど、彼らがいつ引き抜かれるか判らないし、UNCLE ACIDとかPURSONとか、”まあ良いけどダイハード盤を買うほどでもない”バンドにもあまり期待できないです。まあマニアは付いているだろうし、身の丈にあった商売を続けるということで、良いとは思います。僕もELECTRIC WIZARDとCHURCH OF MISERYとMOSSは好きだし、その他のRise Above系のレギュラー盤CDだけはしばらくは買い続けると思います。

僕はCATHEDRALが大好きだったので、これで終わりだとしたらとても残念です。

ところで最初の「Entrance To Hell」について「断っておくけどモンティ・パイソンのパロディじゃないぞ」とfacebookで言っていたのに笑いました。

2013-06-01

記事を書きました。洋楽サイドというか、個人の意見をデフォルメしたものですが。 ヤマハコラム:洋楽サイドから見た『Ozzfest Japan 2013』

ヤマハコラムは通常1,500字を目安としているのですが、来週6月6日(木)掲載予定のインタビュー記事は5,000字突破です。