サブウェイ123/激突

面白くなくはない。でもさして面白くもないです。『サブウェイ・パニック』の薄味リメイク。

トラボルタが出ている映画で一番面白いのは『キャリー』『魔鬼雨』だと思うけど、どちらもいわゆるトラボルタ映画じゃないし。『バトルフィールド・アース』は信者のビリー・シーンですら「あれはひどいなぁ…」としみじみと語っていました。

ひどい人生です (安西伸一

採血。

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去年のCHICKENFOOTは思ったより地味でしたが、あれはあれで良かったです。さて、グレン・ヒューズ/ジョー・ボナマッサ/デレク・シェリニアン/ジェイソン・ボーナムのスーパーグループ、BLACK COUNTRYはどうなるでしょうか。

サブウェイ・パニック

へぷしッ。なんか100億年ぶりぐらいに見ました。しかしこれを”パニック映画”に括るのは、1974年当時でも無理があったのではありますまいか。ロバート・ショウの最期があっけなかった気がしました。

Princess Of Mars

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おなじみエドガー・ライス・バロウズの『火星のプリンセス』が原作のDVDスルー映画

2012年公開予定の『火星のジョン・カーター』の一足先に作ってしまい、それに加えてDVDパッケージには「これが『アバター』の元ネタだ!」と記すなど、徹底して志が低いです。しかもデジャー・ソリスを演じるのがトレイシー・ローズ。かつて未成年なのにXXX映画に出て問題になった彼女ですが、これは2009年作品なので41歳です。そんなあたりからも伝わってくる志の低さは、潔いほどです。日本の高齢SFファンは武部本一郎ヴァージョンのデジャー・ソリスで抜いていたそうですが、トレイシー・ローズを見て冒涜だ!と激怒しそうです。とはいえ、意外とお肌とかは崩れていません。

ジョン・カーターは『Drifter: Henry Lee Lucas』でヘンリー・リー・ルーカスを演じたアントニオ・サバトJr。『ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録』はルーカスの虚言癖を含めて元ネタにして映画化したのが良かったですが、『Drifter~』は”そんなたくさん殺してないだろ”的視点から作られているので地味です。

話を『Princess Of Mars』に戻すと、ストーリーは原作をきわめて緩くなぞっていますが、米軍兵士のカーターと一緒に中東のアヘン王も火星に転送されて、そいつもデジャー・ソリスに恋してしまい、火星の酸素製造工場でカーターと戦います。カーターは南北戦争でなく、現代のアフガニスタンだかどこかの戦場にいて、瀕死を負ったところを「お前の遺伝子情報はすべてこの16GBフラッシュ・メモリに収めてあって、この情報を火星に転送する」とか言われて、軍の実験として転送されます。あと原作ではカーターが火星語を覚えるのに苦労しますが、この映画ではサタン虫みたいなのを食べると周囲の全員が英語をしゃべるようになります。原作への敬意とか、特にないのがアリアリです。

ただ、そんな適当な中にもCGとかちゃんと使っていて、宇宙船とか宇宙蜘蛛の大群とかトーントーンみたいなのとかが出てきたり、夜空に変な星がいっぱい輝いていたりして、けっこう真面目にやっています。原作に過剰な思い入れのある高齢SFファンでなければ、屁でもこきながら楽に見れるし、レンタル屋で借りたりしてもさほどダメージはない筈です。ディズニー/ピクサーだとお子ちゃま向けになるかも知れないから、こちらと較べてそんなに良い映画になるという保証もないですしね。

しかし『シャーロック・ホームズ』とか、『パラノーマル・アクティビティ』に便乗した『パラノーマル・エンティティ』など、The Asylumは飛ばしまくるなあ。

PRESENT: BARBARO (MA NON TROPPO)

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元UNIVERS ZEROのRoger Trigauxが息子とやっているPRESENTの8年ぶりだとかの新作『BARBARO (MA NON TROPPO)』がヌオヴォ・メタルしていて良いです。

ヌオヴォ・メタルというのはロバート・フリップ翁が21世紀KING CRIMSONの音楽性を表現するのに用いた概念ですが、いわゆるメタルでもNuメタルでもなく、金属的で重いヘヴィ・プログレッシヴ・ロックというかなんというか、フリップいわくTOOLもヌオヴォ・メタルなのだそうです。たぶんPRESENTもかなり当てはまるのではないかと思います。もっともPRESENTとTOOLは似ていません。

定価7,140円は高けえよ!と二の足を踏む方も少なくなさそうですが、全45分のCDと全3時間近くのDVDという2枚組で、コスト・パフォーマンスは高いです。まだDVDは最後まで見ていませんが、かなり満腹感を伴います。しかも今日現在でアマゾンでは6,069円と、千円引き。

UNIVERS ZERO『HERESIE』初出の「Jack The Ripper」を思い切りヌオヴォ・メタル風にアレンジしたリメイク(CD・DVD別テイクで共に16分オーヴァー)も収録されています。

WATERLOO: FIRST BATTLE

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スウェーデンのお店Record Heavenからニュースレターが来たのですが、2010年だというのにWATERLOO『FIRST BATTLE』がRecord of the Weekというナイスなセンスに脳が痺れました。1970年2月にリリースされたベルギー・オルガン・プログレ・ハード・バンド唯一の作品。JETHRO TULLとかCARAVANに素敵ベルギーメロを乗せた感じでしょうか。どうやらGuerssen Recordsから再発されたのでRecord of the Weekになったらしいですが、以前フランスMusea Recordsから出たときと同じアルバム10曲+ボーナス6曲の全16曲仕様です。Musea盤はマスターが見つからなかったせいで盤起こししたと書いてありましたが、今回はどうなのでしょうね。あと表ジャケから曲目リストが省かれていたMusea盤に対し、今回はオリジナルのVogue盤に即して戻してあるみたいです。

『TNA IMPACT』アメリカ1月4日放映分に登場した人たち(順不同)

視聴率をめぐって、第二次マンデー・ナイト・ウォー開戦。しかしTNAの持ち駒の大半が元WWEというのはどんなものでしょうか。まあ、第一次の時のWWEも元WCWレスラーがかなり多かったのですが。

【WWEにいたことがある人】ハルク・ホーガン/リック・フレアー/ジェフ・ハーディ/カート・アングル/ミック・フォリー/エリック・ビショフ/ケヴィン・ナッシュ/スコット・ホール/Xパック/ボビー・ラシュリー/クリスタル/バル・ビーナス/スティーヴン・リチャーズ/レイヴン/シャノン・ムーア/マット・モーガン/クリスティ・ヘミ/ビクトリア/ナスティ・ボーイズ/オーランド・ジョーダン/イライジャ・バーク/ライノ/タズ(解説)/アール・ヘブナー(レフリー)

【日本でおなじみの人】浜田文子/アメイジング・コング/雷神明

【元WCWの人】スティング 他

【リングサイドにいた人】ブルック・ホーガン

【新日ドーム出場のため欠席した人】ババ・レイ・ダドリー、ディーボン・ダドリー

一方WWEは『Monday Night Raw』で遂に禁断のブレット”ヒットマン”ハート投入!2010年の全米マット界、はたしてどうなっていくのでしょうか。

VARIOUS ARTISTS: THE PSYCHEDELIC SALVAGE COMPANY 1 & 2

伝説のUKアングラ・サイケ・コンピレーション『THE PSYCHEDELIC SALVAGE COMPANY』が久々に再発されますよ。おおっ!今回は2部作をまとめた2枚組CDで、ブックレットに解説とかがちゃんと付くそうです。前に出ていたやつ(レーベルとかなし。たぶん海賊盤)は何も付いていなかったので嬉しいです。激レア音源揃いで、すぐに消え去る可能性もあるので、急いで押さえておきましょう。収録されているバンドは以下のとおり。

TOBY JUG / THE ROLAND KOVAC SET / PEGGY’S LEG / OUT OF DARKNESS / SAM GOPAL / NICK CARTER / TEAM DOKUS / CASTLE FARM / PURPLE SCURF / PTOLEMY PSYCON / NARNIA / OSWALD SLAGGE / THE MASTER SAID

レミーがいたSAM GOPAL、アイルランドのギター・ヒーロー:ジミー・スレヴィン率いるPEGGY’S LEG(アルバム『GRINILLA』も好盤)、OUT OF DARKNESS、NARNIAあたりは知名度が多少なりともあるかも知れません。

ROBERT FRIPP & BRIAN ENO: AIR STRUCTURES

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SOMAたんがいきなり他アーティストの公式音源を含む”2009年プレイリスト”mp3を7時間半ぶんもうpしていて、ヒエー(´Д`)と思いました。大丈夫なのか。

で、その中にFRIPP & ENOの1975年5月28日、パリ公演を収めたアナログ・ブートレグ『AIR STRUCTURES』があって、初めて聴くことが出来ました。昔、西新宿でけっこう見かけた記憶がありますが、買うほどのお小遣いはなかったし、そもそもガキだったのでFRIPP & ENOの良さを判っていなかったです。聴こうと思えばよそのサイトからも落とすことが出来たようですが、存在すら忘れていました。音質も悪くないし演奏は良いし、けっこう浸っています。

オフィシャル盤の『EVENING STAR』も久々に聴き直してみます。

『肉体の悪魔』

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ルーダンの悪魔憑きをネタにしたケン・ラッセルの1971年の映画『肉体の悪魔』が最高なのです。

最初に「この物語は歴史的事実に基づいています」と出てくるのですが、ルイ13世が武田久美子みたいに乳首と股間に貝殻をつけただけの全裸で人前に出たり、修道尼たちが大挙レズ乱交とか、たぶん歴史的にしていないのでは。 …と思ったら、ラッセルは「当時そういうことが起こったんだよ!」と語っていました。

グランディエを演じるのはオリヴァー・リード。この人は1973年の『三銃士』(大好き!)でアトスを演じていたり、妙にリシュリュー枢機卿に逆らってばかりいますね。

グランディエはイケメンなので、性的欲求不満の溜まった修道尼たちがズリネタにしています。で、尼僧ヴァネッサ・レッドグレーヴが「夜になると夢魔がグランディエの姿となって私を犯すのです」と告白したりします。この頃ルーダンはカトリックとプロテスタントの棲み分けが微妙な町で、自治を求めるグランディエが邪魔だったりして、しかも彼が土地の有力者の娘をできちゃったヤリ逃げしていて、さらにリシュリューに楯突く煙ったい存在なので、渡りに舟とばかり「グランディエは悪魔と契約して、修道尼たちを淫乱痴女にした!」ということになってしまいます。で、両肩を露わにしたロック・シンガーみたいな司祭とかおかっぱの司祭に裁かれて、拷問されて、火あぶりになります。

この映画は公開当時かなりの賛否を巻き起こしたらしく、特にキリスト教的にヤバイ表現が今なお問題視されていて、そのとばっちりを喰らって日本では昔ワーナーホームビデオからビデオが出たけど、未DVD化。で、国とかソフトによってカットがあるそうです。我が家にあるのは出所不明のダビング物(【追記】DVDも買いました)ですが、修道尼たちが大勢素っ裸になってキリスト像の顔面にマンコを押しつけたりするシーンは入っています。でも最後、修道尼がグランディエの遺骨の骨をマンコに突っ込んでオナニーするシーンは入っていませんでした。

現在アメリカで出ているDVDはspecial uncut restored editionも必ずしも本当の完全版ではないらしいですが、ケン・ラッセルのインタビューとか制作ドキュメンタリーも入っているので、これを機会に押さえておこうかと思います。

イギリスの作曲家ピーター・マクスウェル・デイヴィスが書いた音楽も素晴らしいです。サントラ盤のジャケット・アートも秀逸。

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フランス国立図書館に所蔵されているグランディエと悪魔との契約書。

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【メモ】ルーダンの悪魔憑き関連作品

突然ですが17世紀、フランスのルーダン司教ユルバン・グランディエが悪魔アスモデウスと契約を結び、尼僧たちを魔女の性奴隷にしたという事件は、いくつもの小説や映画の題材となってきました。とりあえずメモとしてリストアップしておきます。

1634年に逮捕されたグランディエは異端審問で眼球を潰され、悪魔の刻印を探すため全身の毛を剃られて針で刺され、生きたまま火あぶりになりました。判決のときグランディエは絞首刑の後に火あぶりにしてくれるよう嘆願しましたが、それは聞き入れられず、聖水をぶっかけた後、絞首できない結び目の縄で首を吊られ、生きたまま焼かれました。その頭上を蠅の王ベルゼブブが飛び回ったそうです。グランディエは自分を裁いたラクタンス司教に「お前は30日以内に死ぬだろう」と宣言、実際にラクタンスは30日後に狂死しました。

『三銃士』でおなじみのリシュリュー枢機卿がグランディエの逮捕命令を出したそうですが、同じアレクサンドル・デュマが物語化しています。

でもって、

飲み屋での雑談

大晦日にやった『K-1 Dynamite』の青木真也vs廣田瑞人で、青木が廣田の腕を折って、しかも中指を突きつけてベロを出したのが波紋を呼んでいるわけですが、まあそういう”侮辱行為”は青木が厨なシャモだから仕方ないとして、折っちゃうのはやっぱり良くないと思うのです。

(関節技は”折る”という言い方をしても普通は脱臼を指すことが大半ですが、廣田は上腕骨折なのだそうです)

武道が何故”武道”という字で、関節技のことを何故英語で”サブミッション・ホールド”と呼ぶかというと、まず”武”という漢字をばらすと”二の戈を止める”、つまり相手にとどめを刺さないからであって、”サブミッション”は相手を怪我させるのではなく、屈服submitさせるのが目的だからです。

“ブレーキが壊れたダンプカー”であるスタン・ハンセンですら、対戦相手に怪我をさせる前にレフリーに「アスク・ヒム!」と確認させますよね。

もっとも、廣田も廣田でギブアップしないので、青木としては技の角度をより厳しいものにしなければならないし、それが限界を超えてしまうと怪我をさせてしまうのは当然なのです。

でも、そんな悲惨な結果にならないためにレフリーがいるのであって、参ったしたしない関係なく、見込み一本を取って当然。実際に技が極まってから若干の時間が経過しているのにも関わらず、試合をストップさせなかったのは大醜態だと思います。「廣田はタップせず右腕を脱臼。レフェリーが慌ててストップさせ」って、遅いよ。

テレビで見ていてレフリーが誰だったか覚えていませんでしたが、ちょっとネットで調べたら島田裕二でした。あーあ。自分の仕事もきちんとしないで、試合後になって青木の厨パフォーマンスを「やめろ、やめろ」と止める姿が偽善者すぎて醜いです。プロレスごっこで二等兵だけやっていればいいのに、選手の生命を預かるレフリーの仕事は荷が重すぎますよ。

Christopher Lee『CHARLEMAGNE: BY THE SWORD AND THE CROSS』

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クリストファー・リー「私はMANOWARやRHAPSODYといったメタル・バンドと共演してきた。そして、私自身もシンフォニック・メタルのアルバムを作ることにした」

シャルルマーニュ大帝を題材としたミュージカル・アルバムなのだそうです。myspaceで聴ける部分はメタル色が薄い気がするし、曲を書いているMarco SabiuがTAKE THATとかカイリー・ミノーグに曲提供してきたというあたりに微妙なものを感じたりもしますが(SPARKSの「When Do I Get To Sing My Way?」にも何かで関わっているそうです)、ひとまずキモメタラー必聴なのは間違いありますまい。今年3月15日リリース予定(輸入盤)!

「HEAVY METAL WILL NEVER DIE.」

2010-01-05

本格80sモード突入。

家で仕事していて、暖かくなると頭がボーとして眠くなるので、暖房は入れないようにしています。下半身に毛布を巻いてパソコンに向かっているのですが、この時期は指先が冷たくなる…と文句を垂れていたら、充電式カイロをいただきました。どうもありがとうございます。

外に持っていくにはやや心細く、使い捨てカイロの方が温度も持続力もありそうなのですが、デスクワークの時に指先を温めるにはこれがベストだと思います。ピャウ

バッド・ルーテナント

ニコラス・ケイジ主演の映画。2月公開。

ここ数年『ノウイング』『バンコック・デンジャラス』『NEXT』『ナチ親衛隊の狼女』『ウィッカーマン』『ゴーストライダー』などスチャラカ小学生脳映画をわざと選んでいるとしか思えない狂い咲き状態のニコラス・ケイジなので、これも悪徳刑事がコカインを押収して自分でやっちゃったり売春婦を彼女にしたり黒人ギャングと取引したり、最後ギャグみたいにすべてが丸く収まったり、スラップスティックなピカレスク・コメディだと思って見ていたのですが、作っている側はシリアスな映画として作っていたことを見終わった後、ネットで初めて知りました。

しかもニコラス・ケイジ映画という以外予備知識ナシで見たので(最近のニコラス・ケイジ映画はハズレ無しというか全部ハズレというか、それだけで見る価値があります)、監督がヴェルナー・ヘルツォークだということ、見終わるまで気付きませんでした。『アギーレ神の怒り』と『ノスフェラトゥ』以降見ていなかったので真面目な映画を作る人だと思っていたのすが、こういう人になっていたのですか。ああ不勉強さ、悪かったな。

「ワニの斜め後ろからの視点」「イグアナの斜め後ろからの視点」「射殺されたけどまだ魂だけが生きていてブレイクダンスを踊っているのでもう一発撃ってとどめを刺す」など、トリップシーンも面白いです。