S

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THE SABIANS

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SADDAR BAZAAR
Longhair b/w Blackdrop
(1999 / Delerium HASH00)
indian drone psychedelic

英ブリストル出身の印度サイケ・バンドによる7"。
A面はMONSTER MAGNETのカヴァーだが、シタール全開のマサラ風味サイケにアレンジされている。封入されているインサートを見るまでカヴァーと気付かなかった。
B面のオリジナル曲もやはりインドの香り漂うオリエンタル・サイケ・サウンド。
高い金を出して海外通販するほどの内容ではないが、ジャケットのボングを咥える汚いヒッピー親父も良い味を出しているし、700円ぐらいまでなら出しても損はないのでは?
なお彼らは本作以前にも『THE CONFERENCE OF THE BIRDS』('95:DELEC 034)、『THE PATH OF THE ROSE』('99:DELEC 068)の2枚のアルバムを発表。またSOLITUDE AETURNUSの『THROUGH THE DARKEST HOUR』にゲスト参加したことでも知られている。

(00/12/13)
★★★★★ ★★★


SAINT VITUS

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SALLY
SALLY
(2000 / ビクター VICP-60990)
uk stoner/doom

CATHEDRALのリー・ドリアン率いる『Rise Above』からデビューの英国新人ドゥーム・ロック・バンド。
『Rise Above』始まって以来最大の駄作。
元PENANCEのリー・スミスがシンガーとして加入したというのがセールスポイントだが、実は彼がガン。表現力も幅もないヴォーカルは耳障りでしかない。
「Rolling Thunder」におけるAC/DC「Thunderstruck」パロディ、映画『ショーガール』を下手糞にアレンジしたジャケットなど、センスの無さが露呈しているのも痛い。カンフー映画からのサンプリング(?)を使った「Monkey Steals The Peach」も正直イマイチ。
もちろん欠点ばかりではないし、インスト・パートに身を任せればそれなりに楽しめることは事実だが、『Rise Above』の金看板が泣く作品だ。
日本盤CDにはボーナス曲としてインスト「Burning Planet」が収録されているが、だからと言ってどうなる訳でもない。
一応『Rise Above』には高いレベルを求めているので、あえて5ッにしておく。

(00/08/06)
★★★★★


SEA OF GREEN
NORTHERN LIGHTS
(2000 / The Music Cartel TMC38CD)
canadian stoner

KUTHEのリズム・セクションだったEric Kuthe(ベース)とChris Bender(ドラムス)がTravis Cardinal(ギター、ヴォーカル)と組んで結成したカナダ・トロントのストーナー・バンドによるデビュー作。
KUTHEのアルバムではCATHEDRAL「Ride」のモロパクリをやらかしていた彼らだが、本作ではそんな失態はなく、ストーナー・サウンドを基盤にしながらしっかりしたメロディのある音楽をプレイ。時にALICE IN CHAINSを思わせる箇所もあるがそれほどの怨念はなく、ポップ色も加味した音楽性で楽しませてくれる。
「Move The Mountains」「In The Sun」などの口ずさめるコーラスは白眉。
Sea of greenとはマリファナ培養機の名前で、Northern lightsはマリファナの名前だが、それほどラリラリのサウンドでもなく、ドロドロとした情念を求める人にはお薦めできない。それでもストーナーにコマーシャル性を持ち込もうとした試みは興味深いし、それがある程度功を奏しているあたりも面白い。

(00/11/05)
★★★★★ ★★★



SERGEI THE FREAK / BURNING ENGINES
SERGEJ THE FREAK meets THE BURNING ENGINES
(2002 / Daredevil DD017)
fuzz doom / metal

スウェーデンの2バンドがそれぞれ6・5曲提供したスプリットCD。
どちらも本作が初公式リリース(デモなど除く)。
SERGEJ THE FREAKはファズ・ロック、BURNING ENGINESはメタル色も入ったストーナー・ロックンロールだが、どちらも類型的で凡庸。
殊更にマイナス面もないのだがプラス面もなく、音楽に新鮮な刺激を求めている人は聴く必要なし。

(03/10/14)
★★★★★



SEVENCHURCH
BLACK INSIGHT
(1993 / Noise N0222.2)
doom metal

英国オックスフォード出身のドゥーム・メタル・バンドによる、唯一のアルバム。
暗く陰鬱、ドラマチックかつ荘厳なドゥーム・メタルに呪うような低音ヴォーカル(RAMMSTEINっぽいかも。ただし英語)が乗るサウンド、全6曲で71分という大作と、唯一無比の個性を確立している。
シンガー:マーティン・スピアーのおかっぱ頭、ギタリスト:デイヴ・スマートの異様な形相を含め、何だか分からないが凄い!
本作のみで消え去ったその遺伝子はいかなるバンドにも受け継がれることなく、本作の発表から8年、彼らのようなドゥーム・バンドは現れていない。
あまりにスローで暗いサウンドゆえに「タルい」の一言で片づけられてしまうリスクもはらんだ作品であり、"ドゥーム/ストーナー"枠で紹介するのははばかられるほどの禁欲的な趣きのある本作だが、あえて「影の名盤」と呼んでおきたい。
デイヴ・スマートは2000年現在TWINJETなるバンドで「BLACK CROWESがレゲエをやった」ような音楽をプレイしているとか。

(01/03/27)
★★★★★ ★★★★



SEVENCHURCH
NEFARIOUS
(1992?3? / 自主制作 番号なし)
doom metal

アルバム『BLEAK INSIGHT』とほぼ同時期にリリースされたカセット・オンリーのデモ。
AB面ともアルバム未収録の「Circus Divine」「Twilight Of Evergreen」の2曲が収録されている。
どちらも暗く鬱なドゥーム・メタル曲で、それぞれ9:22、8:36とズシンと聴きごたえあり。
未CD化だが、探し出してその荘厳な調べに打ちのめされる価値はある。

(05/10/07)
★★★★★ ★★★



7ZUMA7
7ZUMA7
(1998 / Drunken MariaDMR777-2)
groove / desert / psychedelic

『Dynamo Open Air』フェスティバルでお馴染みオランダのアインドホーフェン出身バンドの5曲入りデビュー・ミニ・アルバム。
オランダ国外ではまだ数回ライヴを行ったのみのローカル・バンドだが、サイケ色も取り入れたグルーヴ・サウンドがえらくカッコ良い。
褐色のシンガー、ジェリー・ファン・エイクによるソウルフルな歌唱のせいでドナ・サマーのカヴァー「Hot Stuff」もバッチリ決まっている。
'98年5月の『Dynamo』で彼らのライヴを観たが、HAWKWINDばりに女性ダンサーをフィーチュアしたヴィジュアル的にも素晴らしい内容だった。
なおアナログ盤10"は200枚オンリーの超限定盤(赤・黒・紫・オレンジ盤あり)。
まだ知名度がないためさほど需要はないが、将来レア盤扱いになる予感。今のうちにゲットしておこう。

(99/01/30)
★★★★★ ★★★★



7ZUMA7
DEEP INSIDE
(1999 / Suburban BURBCD002)
groove / desert / psychedelic

初のフルレンス・アルバム。ミニでは封印していた(1曲で部分的に使っただけ)ファスト・ナンバーが全開で、しかもどの曲もカッコ良すぎの傑作だ。
オランダ国外ではほとんど流通しなかった前作に対し、本作は輸入盤店などで容易に入手できる。
オランダストーナー四天王の中でも最も取っ付きやすいアプローチを取っているため、本作で一気に国際的な認知度を上げる可能性も大だろう。
THE WHOの「The Seeker」をカヴァーしているが、彼らのオリジナル曲の方が数段良い出来。
デジパックCD、通常ケース仕様CD、LPがリリースされたが、通常盤CDは歌詞、写真、ポスタースリーヴと豪華なのでおすすめ。
本作をきっかけにブレイクするかと思いきや結局インターナショナルな成功を収めることがなく、2000年5月に解散を表明。8月にラスト・ライヴを行った。

(01/03/27)
★★★★★ ★★★★


SHALLOW
LIVE AT HEIMI HENDERSONS
(1998 / Undergroove Recordings UGC001)
metal/desert/doom

英国ストーナー若手バンドの4曲入りデビューEP。
ORANGE GOBLINの2枚のアルバムを手がけたデイヴ・チャンがプロデュースしており、サウンド的にはORANGE GOBLINからスピード感を除いてジャム的要素を加えたような感じだが、演奏・音質共にレベルが高い。どこか90年代っぽい雰囲気があり、聴いていて古臭く感じさせないのも特異な存在だ。HANGNAIL、SALLYらと共に有望株と評価されている。

(99/02/24)
★★★★★ ★★


SHALLOW
16 SUNSETS IN 24 HOURS
(2000 / ビクター VICP-61102)
metal/desert/doom

英『Rise Above』と契約しての1stフルレンス・アルバム。
EPの延長線上にあるウェットなヘヴィ・グルーヴ・ドゥーム・ロックで、BLACK SABBATHに加えMELVINSやFUGAZIを愛聴しているというのも納得。メタル色は薄い。
どの曲もタイトに演奏されているし、メロディもくっきりとしていて心地よく聴ける内容で、悪く言う要素はないのだが、その一方でこれだ!という決め手もないのが残念。
『Rise Above』としては"並"の1枚。
日本盤を定価で買うほどではないが、中古盤が手頃な価格であれば押さえてみても良いのでは。日本盤ボーナス曲もないし、輸入盤の中古でよいだろう。

(01/04/25)
★★★★★ ★★


KINCH / SHARD
KINCH vs SHARD

→KINCHの項を参照のこと。


sHEAVY

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SIDEWINDER
LIES, HALF TRUTHS, MISINFORMATION AND COVERT OPERATIONS
(1999 / Bomb Factory BFRCD010)
stoner / doom

元HELLBASTARDのギタリスト、M.S."スクラフィ"リューティが結成した新ユニットのデビュー作。
HELLBASTARD時代にもSAINT VITUSやTHE OBSESSED大好きと公言、後期はほとんどスラッシュ・メタルを演っていた彼だが、本作ではさらに一歩踏み込んだスラッジーなリフとドゥーミーな曲調の、ヘヴィ・メタル側からMELVINSを解釈したようなサウンドを出している。
ショーン・マーシャルによるリー・ドリアン&クリス・コーネル風のヴォーカルからはハードコア色はほぼ感じられない。
ただHELLBASTARD時代の彼の弱点でもあった、「音楽的」なことをやろうという悪い癖が本作でも顔を覗かせており、あれをやったりこれをやったり一貫性のないサウンドが苛立たしい。演奏力は過去と較べ物にならないほどアップしているのに勿体ない。
'97〜'98年のスクラッフィは本作の制作に専念していたようだが、今年に入ってからの活動は不明。本作が新バンドとしてのデビューなのか、それとも一回限りのプロジェクトなのかも分かっていない。
シンガーのショーンはMADISONというバンドにも籍を置いている(もちろん北欧メタルのバンドとは別)。

(99/12/21)
★★★★★ ★★


SIXTY WATT SHAMAN
ULTRA ELECTRIC
(1998 / Game Two SR01/G2-07.5)
drunk 70s groove

ボルティモア出身荒くれ野郎どものデビュー作。レコード会社の資料に「このCDを聴いた者はモニカ・ルインスキーより激しく首を上下させるだろう」とあるが、粗暴でがさつなワイルド・グルーヴ・サウンドが快感。メンバーはサウンド的にもルックス的にもビールかっ食らって暴れて、近所の人に迷惑をかけていそうだ。
バイカー・フェスティバルのBGMにも最適。
東海岸肉体労働者ヘヴィ・ロックという点ではROADSAW、DRAGPACKに通じるものがあるが、こちらの方がファスト・ナンバーがないぶん酔いどれに徹している。
CDブックレット裏にキャンピング・カーの荷台が意味もなく(?)写っているのもカッコ良い。
乱暴(あばれ)者ご用達の1枚だ。

(99/08/17)
★★★★★ ★★★★


SPIRIT CARAVAN / SIXTY WATT SHAMAN
Darkness And Longing b/w Stone's Throw Away

→SPIRIT CARAVANの項を参照のこと。


SIXTY WATT SHAMAN
SEED OF DECADES
(2000 / SPITFIRE SPITCD051)
drunk 70s groove

インディーズとしては大手の『Spitfire』に移籍しての2ndアルバム。
前作同様ボルティモア肉体労働者ロックを追求、近所迷惑なラウド・サウンドを堪能させてくれる。
2日間で録音された前作に対し、今回は1999年11月〜2000年3月まで作り込んだだけあり、楽曲の焦点が明確になっている。ただ曲によっては"出来すぎ"で、前作の荒っぽさ・野放図さが薄れたきらいもあり。
「One More Time」なんてBUCKCHERRYみたいだし。
それでも汗と泥のすえた匂い、「New Trip」の「ハヤハヤハヤ、ハヤハヤハヤ」連呼 にフォーリンラブの濃厚な1枚。
前作と較べると取っ付きやすいので、初心者はこちらから攻めた方がいいかも?
「Stone's Throw Away」はSPIRIT CARAVANとのスプリット7"収録曲の再演。
CDブックレット内側の横尾忠則をヘタにしたようなアートの"安さ"には思わずニヤリ。確信犯なのか、それとも馬鹿なのか?

(01/04/24)
★★★★★ ★★★★


SLAPROCKET
Beggars Grinnin' b/w The Seed
(1999 / Warpburner WARP04)
heavy groove rock

元GODSPEEDのトミー・サザード(g)とクリス・コズニック(b)、元NUDESWIRLのシェイン・M・グリーン(vo)によるバンドが'97年に録音したデモから2曲をピックアップした7"。
彼らが以前在籍していた両バンドと同様にヘヴィなグルーヴ・サウンドを出しているが、ややメロディは聴きやすい。結局アルバムを出すことなく解散したのが残念だ。
この7"は独『Warpburner』シリーズの一環として'99年6月にリリースされたもので、日本で入手するのは困難かも。
なおデモには以下の曲が収録されていた:
「UFO / Master Blaster」「Beggars Grinnin'」「500 Times」「Holy Mother Sunshine」「The Seed」。
本デモをレコーディング後キース・アッカーマン(ds)とクリスはサイド・プロジェクトだったTHE ATOMIC BITCHWAXに専念するため脱退し、バンドは解散。トミーはPRUNELLA SCALES(SKID ROWのレイチェル・ボランのバンド)を経てSOLACEを結成している。

(99/07/01)
★★★★★ ★★★


SLEEP

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SLO BURN

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SLOW HORSE
SLOW HORSE
(1998 / Freebird FRC99.11)
american groove doom rock

ニューヨークでダン・バクスパン(g&vo)を中心に結成されたストーナー・トリオのデビュー作。
アメリカンなオールド・ロックを基調にドゥーミーでありながら暗すぎず、グルーヴィーでありながらメロディもあるなど、バランスが巧く取れた音楽性。それでいて優等生チックになることなく、聴き応えのある作品に仕上げている。
クリス・アイザックの「Wicked Game」という意外なカヴァー曲も独自のスタイルに消化されていて、思わず身体が動いてしまう。
ダンがストーナー・ロック・メーリング・リスト常連のため身内の馴れ合いで必要以上に高評価を得ている傾向はあるものの、それがなくとも十分に通用するバンドだ。
本作リリース後ダン以外のメンバー2人は脱退。数回のメンバー交替を経て2ndアルバムの制作にかかるのだった。

(02/05/30)
★★★★★ ★★★



SLOW HORSE
SLOW HORSE II
(2001 / Berserker BER-010)
american groove doom rock

メンバーを一新して発表した2ndアルバム。
前作から荒っぽいロックさを削り、ダークかつメロディアスになったサウンドが印象的。ソングライティングが大幅に向上しており、特にスペイン民謡「Adio, Querida」をモチーフとした「Nameless」が素晴らしい。
群雄割拠のこの手のバンドの中で、一発何かセールスポイントが欲しくないわけでもないが、アルバムの完成度は高い。
1st共々定価で押さえても損がないハズ。

(02/05/30)
★★★★★ ★★★



SLOW HORSE / CALAMUS
NO SLEEP TIL SHOD
(2001 / Berserker 番号なし)
american groove doom rock / german stoner

2001年10月にテキサス洲ダラスで行われた『Stoner Hands Of Doom』フェスティバルに出演した米独2バンドがそれを記念してリリースしたスプリット7"シングル。
お互いの曲をカヴァーしあっている。
SLOW HORSEはアップテンポの「In Between」をプレイしているが、2枚のアルバムとまるで異なるラフな雰囲気。新機軸を切り開いたというよりも、とりあえずやってみたといった感じで、あまり成功しているとは言えない。
CALAMUSは「Coming Unhinged」をカヴァー。以前DUSTER 69とのスプリット7"を聴いたときにも感じたことだが、見事に個性が欠落していて、全然印象に残らない。
SLOW HORSEの2枚のアルバムと同レベルの作品を期待すると肩透かしを食らうかも?
333枚の限定プレス。

(02/05/30)
★★★★★ ★★


SLUDGE
Suicide Drive b/w Move On You
(1993? / Sympathy For The Record Industry SFTRI80)
non-sludge punk

このバンド名、『Sympathy For The Record Industry』レーベルからのリリースということで押さえてみたら、全然スラッジではなく、GUNS N'ROSESを思わせるヘヴィ・パンク'n'ロールだった。
そこそこ聴けるサウンドだが、釈然としない思いが残るのであった。
7"。

(00/08/04)
★★★★★ ★★


GIDEON SMITH & THE DIXIE DAMNED
GIDEON SMITH & THE DIXIE DAMNED
(1999 / Game Two GT13)
groove rock

ノースキャロライナ出身のダウンチューニング・バイカー・グルーヴ・ロック・バンドの4曲入りデビューCDEP。
ヴォーカル兼リズム・ギターのギデオン・スミスがバンド・リーダーで作曲もしているが、キース・インマンのリード・ギターも冴えており、ワンマン・バンドという印象は受けない。
近日『Game Two』よりリリースされるLYNYRD SKYNYRDトリビュート作に参加することが決まっているが、確かに彼らのラフ&タフなサウンドはぴったりハマりそうだ。
4曲のみでもインパクトが強く、フルレンス作あるいはライヴをチェックしてみたいバンドだ。1,000円前後だったらぜひ押さえておくべし。

(00/02/09)
★★★★★ ★★★


DRAGPACK / SMOKE IN SUNSHINE
My Wild Zero b/w Slo-Motion Rider

→DRAGPACKの項を参照のこと。


SOIL
EL CHUPACABRA!
(1998 / MIA Records 10042)
heavy rock / metal

シカゴ出身のバンドのデビュー作で、NYの『MIA Records』からのリリース(5曲入りCDEP)。サウンドはストーナーというより比較的ストレートなヘヴィ・ロックで、ドライヴ感のあるメタリックなファスト・ナンバーが良い。
アルバム『THROTTLE JUNKIES』に本作から3曲が収録されたので、チェックするならそちらを先に。

(99/05/13)
★★★★★ ★★★


SOIL
THROTTLE JUNKIES
(1998 / MIA Records 10062)
heavy rock / metal

5曲入りミニ・アルバムに続く初のフルレンス作。ミニでは素性がまるで分からず、メンバー写真なども掲載されていなかったが、フィル・アンセルモ風のヴォーカルに荒くれメタル野郎の5人組だった。音楽性もそんなルックスを反映しており、直情的なヘヴィ・メタルをプレイしている。レコード会社の資料ではCORROSION OF CONFORMITY(現在の)が引き合いに出されているが、アップテンポ・ナンバーに関しては確かに的を得ているかも。
ミニから3曲が流用されており、コスト・パフォーマンスは本作の方が良い。

(99/06/25)
★★★★★ ★★★


SOLACE
Burn b/w Red 5
(1999 / Warpburner WARP01)
heavy groove rock

GODSPEEDの元メンバーであり、SKID ROWのレイチェル・ボラン率いるPRUNELLA SCALESの一員としての来日経験を持つトミー・サザード(g)の現在のバンドによるデビュー7"。コンピレーション盤『A FISTFUL OF FREEBIRD』に続く単独デビューとなる。
一聴すると90年代スタイルのヘヴィ・ロックのようでもあるが、根底に流れているのは70年代スピリット。ソングライティング面でもヘヴィネスとフックを兼ね備えた手腕を見せている。ただ、そのダイナミックなサウンドを堪能するには2曲収録の7"では消化不良。フルレンス作で打ちのめされたいバンドだ。
なお本作はドイツ『Warpburner』レーベルのシングル・シリーズ第1弾。

(99/03/28)
★★★★★ ★★★


SOLACE
FURTHER
(2000 / MeteorCity MCY-101)
heavy groove rock

7"、SOLARIZEDとのスプリットCD『JERSEY DEVILS』に続いて、遂に満を持してリリースされたフルレンス・アルバム。
全編ヘヴィ・グルーヴの嵐で、聴く者を流れに呑み込む激しさ。トミー・サザードがかつて在籍していたGODSPEEDの延長線上とも言えるサウンドだが、より70年代ハード・ロックに接近している。
噂が先行し、ストーナー・ロック・メーリング・リストなどでハイプも繰り広げられた彼らだが、本作を聴くとそれが決して過大評価ではないことが分かる傑作だ。
『Freebird』レーベルのコンピレーション『A FIST FULL OF FREEBIRD』に収録された「Whistle Pig」、『JERSEY DEVILS』収録の「Heavy Birth / 2 Fisted」も再録されているが、それもアルバムの完成度を高めるのに貢献している。
過去の実績のあるトミーだけでなく、ジェイソン(vo)のハイトーンを交えたパワフルなシャウト、ロブ・ハルツ(b)とビル'ビクスビー'ベルフォード(ds)が叩き出すグルーヴと、4人全員が一丸となって強烈なうねりを出している。
ストーナーうんぬんという小さなマーケットより、現代ヘヴィ・ロックの秀作として評価されるべきアルバム。ワンチャンスで一躍メジャー・ブレイクも期待できる要注目バンドだ。

(00/04/01)
★★★★★ ★★★★★


SOLARFEAST
GOSSAMER
(1995 / El Camino ELC002)
desert / metal / punk

FATSO JETSONのトニー・トーネイのレーベル『El Camino』からの第2弾リリース(現時点では2作しか出ていない)。THE JACK SAINTSのニックとマイクが参加しているのに加え、トニー自らがドラムをプレイしている(トニーはTHE JACK SAINTSのオリジナル・メンバーであり、2000年にも何度か彼らとプレイしている)。
サウンドはかろうじてデザート・ロックと呼べるものだが、モダン・ヘヴィ・メタルやパンクっぽいアプローチもあり。グルーヴ感がみなぎっている一方で、サウンドにブチ切れた部分があまり感じられず、KYUSS、FU MANCHU、FATSO JETSONと較べると個性不足はいがめない。もっともアルバムとしては十分に楽しめる内容だし、KYUSS〜FU MANCHUのブラント・ビョークがプロデュース、パーカッションで参加。一時クリス・コックネル(KYUSSの初代ベーシスト)がギターで在籍していた(本作には不参加)など、人脈的に興味深い。押さえておいても損はないだろう。

(00/04/07)
★★★★★ ★★


SOLITUDE AETURNUS

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SOLSTICE
LAMENTATIONS
(1994 / Candlelight CANDLE007)
epic doom metal

SOLSTICEという名のバンドは幾つかあるが、これは英国エピック・ドゥーム・メタル・バンド。本作がデビュー作となる。
SOLITUDE AETURNUSとオーヴァーラップする劇的なドゥーム・サウンドで、そのドラマ性はMANOWARから影響を受けていると語るのも納得。ヴォーカル・演奏ともにしっかりしており、安心して聴ける。
こういう音楽性で英国風の叙情性を出そうとすると古楽器をフィーチュアする手法がしばしば使われるが、それをあえて避けているのも良い。
聴き終わった後に余韻を残す好作品だ。

(99/04/01)
★★★★★ ★★★


SOLSTICE
HALCYON
(1995 / Godhead 番号不明)
epic doom metal

さらにヘヴィに、さらにドラマチックになったミニ・アルバム。インストの小曲をプロローグとエピローグに配し、2曲の大曲を挟む感じで盛り上げている。
英国らしさを出すのに「Halcyon」でフルート(サンプリング?)を持ち出したのはやや安直にも聞こえるが、結果として功を奏しているのでオッケー。
ただ楽曲や演奏がグレードアップしたことにヴォーカルの表現力が追いついていないように思える箇所も。ただ、それを考慮しても十分に聴くに足る優れた作品だ。
BAL-SAGOTHのバイロンがゲスト参加。
'95年にイタリーの『Godhead』レーベル(ACRIMONYの1stを出したところ)から初回盤CDがリリースされたが、レーベルの閉鎖によりすぐに廃盤に。'97年に『Black Tears』レーベルから限定10"として再発された(BT001)。
2000年にはさらにリミックス、リマスターが施されて『Invictus Productions』から再発された(CD:IR008、ピクチャー12":ID008)。各楽器がよりパワフルなミックスになっており、アートワークも向上している。また、10"ではカットされていたMANOWARのカヴァー「Gloves Of Metal」が復活、『LAMENTATIONS』から2曲「Only The Strong」「Winter Moon Rapture」が追加収録され、合計7曲となった。
(なお8曲目にシークレット・トラックとしてエレクトロ・ポップス風のインスト曲が収録されている)

(00/10/04)
★★★★★ ★★★


SOLSTICE
NEW DARK AGE
(1998 / Misanthropy AMAZON018)
epic doom albion metal

英国色全開の2ndアルバム。宿命を感じさせる暗黒のメロディ、純英国調の巻き舌アクセントを加えたヴォーカル、「New Dark Age」や「Cromlech」におけるツイン・ハーモニー・ギターが一丸となってアルバムに起伏を持たせている。
モーリス・イングラムのヴォーカルはSOLITUDE AETURNUSのロバート・ロウのようにコブシで歌い上げるタイプではないが、前作で表現力がやや欠けていたのが改善され、そのさりげなさがまた味を生み出している。
"Albion"="英国"カラーを前面に押し出したことでバンドのアイデンティティが確立された秀作。ビアズリーっぽいタッチのアートワークもまた英国的だ。

(99/04/01)
★★★★★ ★★★★


SONS OF KYUSS

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SONS OF OTIS

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THE SORT OF QUARTET

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SOUTHFORK
SOUTHFORK
(1999 / Black Mark BMCD141)
70s southern groove / doom

スウェーデンのサザン・グルーヴ野郎どもによるデビュー作(たぶん)。
荒っぽいアメリカ南部サウンドとBLACK SABBATHを融合させた彼らの音楽はザック・ワイルドを連想させるラフ&タフさ。楽曲も演奏もカッコ良く、CLUTCHやGOV'T MULEなどの泥臭さに抵抗のあるメタル・ファンでも取っ付きやすいだろう。
プンプン匂うエグイ音にハマりたい人には食い足りないかも知れないが、かなりの秀作。
2000年4月に日本盤がリリース(日本クラウンCRCL4753)。

(00/04/21)
★★★★★ ★★★


SPARZANZA
WHEELER DEALER EP
(1997 / 自主制作 番号なし)
Swedish desert

スウェーデンのKYUSSチルドレンによる3曲入りデビュー7"。タイトル曲はなかなか聴けるのだが、"チルドレン"では済まされないクローンぶりには困ってしまう。特に「Gorilla Circus」はモロKYUSSのパクリ。
本家KYUSSの作品があれば不要。

(99/07/02)
★★★★★


SPARZANZA/LOWRIDER
Burnin' Boots b/w Lameneshma
(1998 / 自主制作 番号なし)
desert

スウェーデンのKYUSSチルドレン2組によるスプリット7"。
SPARZANZAはKYUSSやMONSTER MAGNETに通じるストーナー・ナンバーを提供しており、そこそこのレベルはクリアしているが、正直印象に残らない。
一方のLOWRIDERの「Lameneshma」はシャッフル調のグルーヴ・ナンバーで、かなりイケている。但しこちらの曲はNEBULA / LOWRIDERのスプリットCDに収録されているため(アナログ盤には未収録)、アイテムとして所有しておきたいマニア以外はあえてこの7"に手を出す必要はないだろう。

(99/07/02)
★★★★★ ★★


SPARZANZA
Thirteen b/w Death Trippin
(1998 / Words Of Wisdom WORD004)
desert

これまでは正直KYUSSの模倣が目立ってきたSPARZANZAだが、このピクチャー7"でようやく本領を発揮し始めた。サウンドはやはりアメリカのストーナー・サウンドを継承しているが、収録されている2曲とも個性が感じられるナンバーに仕上がっている。
初回プレスは500枚限定で、間もなく売り切れたが、2ndプレスをする資金がなく暗礁に上っているらしい。

(99/07/02)
★★★★★ ★★


SPIRIT CARAVAN

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SPIRITUAL BEGGARS

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SPOILER

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ST37
SPACEAGE
(1999 / Black Widow BWRCD020-2)
space / psychedelic

何故かスペース/サイケ・ロック・バンドを多数輩出しているテキサス州オースティンを本拠地にしている中堅バンドの最新作。既に7"、スプリット7"、アルバム、カセットを数多くリリースしているが、本作はおそらく7枚目のフルレンス作(カセット・アルバム含む)。
彼らの音楽性は70年代HAWKWIND直系のスペース・ロック。FARFLUNGについても言えることだが、正直クローンと批判されても文句が言えないサウンドだ。ただそんなクローンぶりも愛情ゆえのものであり、聴いていてバンドと楽しみを共有できる佳作だ。全13曲、70分以上という長さはやや中だるみを感じさせるものの、イタリー『Black Widow』レーベルの作品としては高いレベルにある部類と言えるだろう。
HAWKWINDの「Orgone Accumulator」、AMON DUUL IIの「Deutsch Nepal」、CANの「Vitamin C」、CHROMEの「March Of The Chrome Police」、THE HATESの「No Talk In The 80s」などのカヴァーも彼らなりに消化されており、オリジナル曲との間に違和感は感じない。

(99/12/28)
★★★★★ ★★


STUMP TONE
Circles b/w Jeremy Bentham's Boots
(1999 / Two Ohm Hop TOH002)
psychedelic / space / doom

『Two Ohm Hop』レーベルからの第一弾リリースのひとつで、唯一の7"。他の2組(SUB OSLO、LIGHT BRIGHT HIGHWAY)と同様にテキサス出身と思われる。
A面はヘヴィなサイケデリック・ドゥーム・ナンバーだが、B面はアコースティックに遅送りのヴォーカルを乗せたストレンジな曲。後半にじわじわ盛り上がっていく。
同レーベル3枚のうち最もロック寄りだが、2曲のみでは何とも評価しがたい。というかさほどインパクトを残さないため、無理して入手する必要はなさそう。
音そのものよりも凝ったジャケの方に魅力を感じた。

(99/05/09)
★★★★★


SUB OSLO
SUB OSLO
(1999 / Two Ohm Hop TOH003)
space / dub / psychedelic / reggae

『Two Ohm Hop』レーベルからの第一弾リリースのひとつ(LP)。 全33分のスペース・サイケ・レゲエ・ダブ・インスト・トリップ・ミュージック。凄いといえばある意味凄いのだが、聴いていると眠くなる。

(99/05/09)
★★★★★ ★


SUNN 0)))

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SUNRIDE
MAGNETIZER
(1999 / Boundless BLRMCD014)
metal / heavy rock

フィンランド出身のストーナー・メタル'n'ロール5人組による5曲入りデビューCDEP。アップテンポ・ナンバーが多く、イキの良さが強調されている。アレンジがほとんどデモ同然でヒネリのひとつもないため、何度も通して聴くとやや平坦に聞こえもするが、気合いは伝わってくる。フルレンス作でどのような新機軸を切り開くか、期待したいところだ。
2000年1月にドイツの『People Like You』レーベルから再発された(PRISON007-2)。CDは同内容だが、10"は別ジャケで、ボーナス1曲追加。

(00/02/09)
★★★★★ ★★★


SUNRIDE
THE GREAT INFILTRATION
(2001 / People Like You PRISON025-2)
metal / heavy rock

「Deadwrong Companion」はコンピレーション『MOOSE ON THE LOOSE: FINNISH GARAOKE』(ミルメコレオMLR005)でも聴くことが出来る。
未聴。

(02/--/--)



SUNRIDE
YOU ONLY DIE TWICE
(2001 / World WORLD002)
riff rock

初の単独7。アルバム未収録の「False Independence」「Under Control」2曲を聴ける。
どちらも彼らの持ち味を生かした爆裂リフ・ロックで、問答無用でカッコイイ。
オリジナリティとか曲の完成度とか、野暮なことは言うまい。
限定500枚。7"は油断しているとすぐに消えてしまうので、見かけたら押さえるべし。

(02/05/30)
★★★★★ ★★★


SUNRIDE
THE EARTHMOVER
(2002 / Popcity CDS-202)
riff rock

『THE GREAT INFILTRATION』からの「The Earthmover」とアルバム未収録の「Jetride-A-Like」の2曲を収録したCDシングル。
前者はリマスターしているらしい。
後者はコンピレーション『MOOSE ON THE LOOSE: FINNISH GARAOKE』(ミルメコレオMLR005)でも聴くことが出来る。
未聴。

(02/--/--)


SUPAFUZZ
PRETTY BLANK PAGE
(1997 / Violently Hip VHR1210-A-2)
fuzz groove rock

ケンタッキー出身のファズ・グルーグ・ロック・バンドによるデビュー作。
グルーヴを前面に押し出しながらメロディもあり、エモーショナルで演奏・音質とも良好。メインストリーム・レベルで成功しても違和感のない好作品だ。
眉なし奥目のフロントマン、デヴィッド・アングストロムはヴィジュアル的にもインパクトがある(ジャケのバンド写真を見る限りでは目つきが『時計じかけのオレンジ』のアレックス風)。
サウンドのキャラが今ひとつ立っていないのが難だが、良質。
なお当時SLO BURN在籍中だったジョン・ガルシア(元KYUSS〜現UNIDA)が「Mr.Policeman」「You Dont Even Know Me」でゲスト・ヴォーカルとして参加しており、シャウトを聴かせている。
本作はインディーとしてはそこそこの成功を収め、3rdプレスまで作られた後バンドは『Gotham』レーベルと契約。『SUPAFUZZ』と改題して再発した(下記参照)。

(00/05/26)
★★★★★ ★★★


SUPAFUZZ
SUPAFUZZ
(1999 / Gotham 005-2)
fuzz groove rock

『PRETTY BLANK PAGE』に3曲を追加、アルバム・タイトルとジャケットを変更した再発盤。
(『PRETTY BLANK PAGE』はボディ・ペインティング女ジャケ、『SUPAFUZZ』はバンド・フォト)
追加曲「Hollow」「Breathe」「Joke」はいずれもアルバム本編と遜色ないカッコ良い曲なので、こちらがお薦め。

(00/05/26)
★★★★★ ★★★


SUPAFUZZ
ALL ABOUT THE ROCK
(2000 / Gotham 009-2)
fuzz groove rock

さらにメロディが顕著になった2ndアルバム。ただ、だからといって軟弱になった印象は受けず、グルーヴと楽曲が絶妙なバランスで共存している。
デヴィッド・アングストロムのヴォーカルもシャウトから歌い込み、ラップなど多彩なものになっており、さらに表現力を増している。
さほどストーン感、酔いどれ感はないが、かなりの高レベル。

(00/05/26)
★★★★★ ★★★