NORTHWINDS
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GREAT GOD PAN
(1998 / Black Widow BWRCD-021-2)
doom / prog / Sabbath / pagan

パリ出身のフレンチ・ドゥーム・バンドのデビュー作。
良くも悪くも垢抜けないダークなドゥーム・メタルで、小笛をフィーチュアしてペイガンな雰囲気をかもし出している。
NWOBHMのマイナー・バンドっぽくもあり、全編漂うアンダーグラウンド臭と野暮ったさが好き者にはたまらない。
オーヴ・シルヴァンのフランス語ヴォーカルは素人臭くもあるが、それもまた味のひとつとして楽しめる。
BLACK SABBATHやWITCHFINDER GENERALからの影響は顕著で、「A National Acrobat」をカヴァー。
いかにも『Black Widow』系のB級C級感覚を楽しめるか否かで評価の変わってくる作品だろう。
ジャケットも怪しくて良い。

(06/07/09)
★★★★★ ★★★



MASTERS OF MAGIC
(2002 / Black Widow BWRCD-040-2)
doom / prog / Sabbath / pagan

大作志向のセカンド・アルバム。
1996年から2001年までに書いた、魔術に関する曲を集めたトータル作で、15分51秒の大曲「Entre Chien Et Loup」も収録。
アルバムのプロローグ「The Great Ancient」とエピローグ「The Book Of Thoth」でDEATH SSのスティーヴ・シルヴェスターが語りを入れている。
NWOBHMテイストとプログレッシヴな大曲志向ということで、IRON MAIDENを野暮ったくしてフルートと哀メロを加えた曲がメイン。
前作同様のフランス語ヴォーカルに加え、英語ナンバーもあるが、妙な訛りが独特な雰囲気を出している。
必ずしも曲の構成がうまくまとまっておらず、冗長になることもあるが、それはそれでご愛敬。

(06/07/09)
★★★★★ ★★★



CHIMERES
(2006 / Black Widow BWRCD-089-2)
doom / prog / Sabbath / pagan

2001年から2004年までに書かれた楽曲を集めた3枚目のアルバムで、前作同様、大作志向の作品。
サウンドも延長線上にあり、怪しげな香り漂うプログレッシヴ・ドゥーム・メタルをプレイしている。
「Crystal Ball」「Never Never Land」など10分を超す長い曲のアレンジはどこか不安定で、先を読ませないのと同時に、一種のスリルをかもし出す。
また、線の細いヴォーカルはNWOBHMの有象無象バンドを思わせる面妖さ。
完璧というにはほど遠いものの、「Winds Of Sorrow」の沈み込むリフなど、ドゥーム者の心を捕らえて離さない魅力的な瞬間がいくつもある作品だ。
ANGEの「Le Soir Du Diable」、HAWKWINDの「Dragon and Fables」、WITCHFINDER GENERALの「Friends of Hell」をカヴァー。
さらにLPにはWITCHFINDER GENERALの「Music」も収録されている。
原曲もかなりカッコ悪い「Music」だが、その野暮ったさをさらに増幅させたカヴァーはもはや芸術的ですらある。
LPと3曲入りDVD、ブックレット、ブックレット、ポストカード、バッジ、Tシャツを入れた限定70セットのボックスもリリースされた。

(06/08/05)
★★★★★ ★★★