NAPALM DEATH: SCUM 20TH ANNIVERSARY EDITION

NAPALM DEATHのファースト・アルバム『SCUM』20周年記念盤CD+DVDが出ました。

グラインドコアを決定づけた古典であり、アルバムの内容については言うまでもありませんが、今回の再発では45分のドキュメンタリーDVDが付けられています。

ミック・ハリスがアルバムのリリース当時ライヴをやっていたパブとかリハーサル・ルームを回って思い出話をするという趣向で、他のメンバーの談話はなし。

その代わり『Earache』のディグビー・ピアスンとか芸術家のマーク・ティッチナーとか当時『Kerrang!』のマルコム・ドームとかが当時を振り返っています。

レアなライヴ映像とかはなく汚いパブで懐かし話をしているので、あまり期待するとハズします。

でもJOY DIVISIONからの影響について語っていたり、面白いネタがいくつも含まれています。

バーミンガム訛りの英語で字幕もありませんが、バンド名や個人名がたくさん出てきて、比較的判りやすいトークです。

アマゾンだと3,295円もするけど、ディスクユニオンでは2,510円でした。

CDは特にリマスタリングとかしてないみたいです。まぁ『SCUM』をリマスターしてもしょうがない気もしますが。

『トリビアの泉』で再注目を浴びた1秒の曲「You Suffer」も収録されています。

アマンダ・リアー『サルバドール・ダリが愛した二人の女』

ROXY MUSIC『FOR YOUR PLEASURE』ジャケでおなじみのモデル、アマンダ・レアがサルヴァドール・ダリとの思い出を綴った本。原著は1985年刊、邦訳は1993年に『ダリ、異質の愛』というタイトルで刊行され、改題新装版である本書は2001年刊です。

このアマンダさん、元々男性だったのが性転換して女性になったという説が根強く囁かれています。

いちおう現在では最初から女性だったということで落ち着いていますが、自らが性転換者であるエイプリル・アシュリーの著書『April Ashley’s Odyssey』にはこんな一節があります:

Towards the end of my stretch at Le Carrousel I became chums with a new member of the troupe, Peki d’Oslo, otherwise Alain Tapp, later anda Lear.

Audrey said to me, ‘You must meet this young painter I know. He wants to become a woman.’ Peki’s Franco-Oriental family lived in southern France and he was pursuing art in Paris, surviving by painting delightful postcards of Paris scenes. I said, ‘But, my dear, these are lovely – you must stay as you are, you must develop your talent, you mustn’t waste yourself in cabaret.’ In addition to being a painter he was a talented polyglot. But Peki was adamant and so joined the show. Sayonara, starring Marlon Brando, had just hit the screens – wasn’t he gorgeous in that military uniform? – and because of Peki’s features M. Lasquin gave him an Oriental spot.

Salvador Dali visited the club. He said, ‘Gold is the most beautiful thing in the world, and the next most beautiful thing in the world is to wake up in the morning and find lots and lots of cheques in the post.’ Mr Dali hoped to paint me unclad as Hermaphroditos but the possibility of being immortalised in my half-way house on the walls of the Tate Gallery was too horrible to contemplate. Dali’s cousin was much weirder than the painter. He invited me for dinner at his flat and served spaghetti. Instead of Parmesan cheese, he took out a box and sprinkled tin-tacks all over his and walloped the lot down while giving a monologue on horse-racing.

It was Peki whom Dali came to know really well. I don’t think they were ever what the Americans refer to as ‘an item’ but they were close. Peki told me hair-raising stories of Dali’s artistic orgies staged outside Paris and attended by Pompidou and other éminences. One was an exercise in symmetry. The maestro arranged two beds in the centre of the room, co-opted two pairs of twins, one male, the other female, and urged them to make love with their opposites.

それはまあ良いとして。

本書はアマンダのダリとの交流について主に書いていますが、デヴィッド・ボウイやブライアン・フェリー、ミック・ジャガーらも登場します。

また、

彼(ダリ)はまた白色症の歌手のジョニー・ウィンターと、彼の長い白髪を好いた。(p352)

とか

(アマンダは日本に)滞在中、私はデヴィ・スカルノのパーティーに招待された。(p383)

といった、意外な人物も登場。

2005年1月11日の日記で「フェンノルトはなんとサルヴァドール・ダリの奥方、ガラの若いツバメだったそうです」と書きましたが、本書ではこんな言及がなされています:

ガラは、『ジーザス・クライスト・スーパースター』に出演していた若いアメリカ人の歌手のジェフと、プボルにいた。ニューヨークで会ったのだ。長い栗色の髪と、短い顎髭を持つ彼は、もちろん<イエス・キリスト>の役だった。ガラは、彼をハンサムで、声がいいとほめていた。夜、エレキの伴奏で彼は歌の練習をしていた。ガラは幸せそうに、家中鳴りひびく騒音に耐えていた。ある晩、二人がポルト・リガットへやってきた。ダリは<イエス・キリスト>にキスして、彼に髪を切ってはいけないよと忠告した。彼はとても傲慢で、ガラだけに話しかけた。私のほうには、いかにも汚いものを見る目で視線を投げるだけだった。(p312)

ダリ劇場美術館の開館式は、一九七四年九月二十三日、厳かに、ファンファーレの音とともに始まった。(中略)市庁舎前で、市長とダリの演説が終わると、群衆は美術館へ殺到した。<ジーザス・クライスト>は群衆の殺到で取り残されてしまった。でもダリはガラを前へ押し出した。「ジェフ、ジェフ」と彼女は叫んだ。「大丈夫だよ」とダリは言い張った。「後で私たちを見つけるよ」(p344)

それでも彼女(ガラ)は、毎日電話している<ジーザス・クライスト>に会いに、ニューヨークへ帰りたがっていた。おろかな私はダリに向かって、美術館の開館式の後、ジェフとロンドンへ一緒に帰ったこと、それから数日後に、ジェフはニューヨークへ発ったことを話してしまった。彼はケンジントンのロイヤル・ガーデン・ホテルに滞在しており、一緒に夕食をして欲しいと言った。私たちはガラのことを話したりして、楽しい時を過ごした。でも夜も更けた頃、彼は私に今晩一緒に過ごさないかと言った。ダリはこのことを聞くと困惑した。(p348)

本当にツバメだったんですね。ひえー(>_<)

ただ訳者の北川重男という人、1933年生まれで”専攻は英国ルネッサンス文学および演劇”だそうですが、専門外のことについてはかなりトホホな部分が目立ちます。アマンダを紹介する”著者紹介”でも

一九七四年頃デイヴィット・ボウイと同棲し、彼の2枚目のアルバム『フォー・ユア・プレジャー』のジャケット・モデルとなる。(p430)

などとやらかしているし、

ウォーレン・ビーティや、彼の現在の恋人で、『パパとママ』を以前歌っていたミシェル・フィリプスとを、(p365)

ジョドロウスキはフランク・ハーバートのサイエンス・フィクション、『デューン』の大作映画化を考えていて、(p346)

というのもアチャーです。

まあ翻訳がイマイチとはいえ、ダリの知られざるパーソナルな側面に踏み込んだ内容はとても面白いです。

個人的にも2004年9月3日に行ったフィゲラスのTeatro Museo Salvador DaliとポルトリガートのCasa Salvador Daliが何度も出てきて、懐かしくも楽しく読めました。

2007-04-13

というわけでSUNN O)))日本盤エクスパンデッド・エディションCD『BLACK ONE』『WHITE1』『WHITE2』が発売となりました。

特に限定盤と銘打っているわけではありませんが、プレス枚数はそんなに多くない筈だし、そう何度も増刷プレス出来るものではないので、お早めに。

300

噂の映画『300』を見ました。

レオニダス王率いるスパルタ軍の勇者300人がペルシャの大軍100万人ぐらいを迎え撃ったテルモピュライの戦いを描いたフランク・ミラーのグラフィック・ノベルの映画化。

甲冑に身を包んだ筋肉ムキムキビキニパンツの、戦うことと死ぬことしか頭にない、野球ロボット・オズマか『シグルイ』の人たちみたいな登場人物たちが蛮人を斬って斬って斬りまくる話です。

敵ボスキャラのクセルクセス大王が顔面ピアスしまくりのオカマというジョジョキャラで、イランのアフマディーネジャード大統領は「うちの先祖はこんなじゃないし」と遺憾の意を。

CGばりばりの背景は同じくミラー原作の『シン・シティ』に通じるものがあって、さらに『スカイ・キャプテン』『キャシャーン』を思い出したりして一瞬イヤな気分になりますが、そんなものを超えた肉弾相打つバトルに大炎上。

セリフも一言一言がかっこよく、拳を突き上げて叫ばずにいられない瞬間がいくつもあります。

欠点を挙げるとすれば血があんまり赤くないことですが、切断面はたっぷり出てくるし、そのぶん筋肉の切れ目や顔の彫りの深さがグロテスクなほどなのでオッケーです。

タイラー・ベイツによる音楽も勇壮で時にヘヴィ・メタリック。この人って『デビルズ・リジェクト』『スリザー』『ドーン・オブ・ザ・デッド』『シー・ノー・イーヴル』『ストリート・ダンス・バトル』を手がけて、これから公開の『ハロウィン』リメイク、『デイ・オブ・ザ・デッド』『バイオハザード:エクスティンクション』『ウォッチメン』もやっているなど、要注目すぎな作曲家ですよ!

サントラ盤はほとんどMANOWARの『GODS OF WAR』と区別がつかない箇所もあります。

“MANOWARmeetsジョジョmeets田亀源五郎”な英雄叙事詩、最初の5分で全身の血液が沸点に達し、それが1時間半持続。2007年の最高傑作だと確信しました。

おならクセルクセス

虎ノ門で打ち合わせ。

ずっと背後で鈴木裕樹くんのDVDが流れていて、上半身裸でベッドで目覚めるシーンやシャワーシーンの連続でした。いや~~~ん。てゆうか本気で嫌。

2007-04-10

THE HEADSのみんなも読んでいる宇宙本『宇宙からの歌、宇宙への音』が発売中です。読もう!(^д^)ハハハ

ASBESTOSDEATHのCD、未発表音源も入れて欲しかったですが、容易に聴けるようになったのは有り難いですね。SLEEPファンは聴くべしです。

2007-04-06

Southern LordサイトでEARTH『HIBERNACULUM』アナログ盤とASBESTOSDEATH『UNCLEAN / DEJECTION』CDの販売が始まりました。

2,006円+1,254円+送料1,756円=5,016円。相変わらず送料たけーなSouthern Lord。

EARTHアナログ黒盤は日本にも入ってくるだろうけど、クリア盤は微妙。ASBESTOSDEATHは普通に売られるだろうけど、通販でLP1枚とLP1枚+CD1枚では送料が同じだし、たぶんレーベル・コンピレーション『WITHIN THE CHURCH OF THE OVERLORDS』も付いてくるはずなので。

ちなみにもう1枚何かCDを買うと、送料が3,000円を突破します。ひえー。

しかし思えば『HIBERNACULUM』はCD、ASBESTOSDEATHも7″両方とも持ってるし、なんでこんな無駄遣いしてるんだろうかと。

それよりよい子のみんなにはCLUTCHの新作『FROM BEALE STREET TO OBLIVION』がオススメ!

汗臭おっさんハード・ドライヴィン・サウンドにスピード感を加えた濃厚ロック節がとにかくかっこいい!イカス!

「You Can’t Stop The Progress」「Power Player」「When Vegans Attack」にググッときて惚れました。もちろん他の曲もグッド!です。

しかしCLUTCHってバンドのイメージと異なるヒネリの効いた歌詞も魅力なので、ぜひ耳を傾けて欲しいです。

夜は新宿で密談。

SUNN O)))日本盤エクスパンデッド・エディションCD完成

いよいよ13日に発売される『BLACK ONE』『WHITE1』『WHITE2』日本盤CDが手元に届きました。

これ凄すぎますよ!

いずれもこれまで入手困難だった音源入りのボーナス・ディスク付きで、『WHITE2』は3枚組。さらに紙ジャケ見開き仕様で内袋も付いている豪華パッケージで、アメリカ盤を持っていても買い直す価値が十分あります。

聴きながら紙ジャケの中身を眺めたり、背表紙を並べてみたりしてグヘグヘと悦に入っています。

内容についてはこちらもご参照を。

2007-04-04

午前3時半から、5月に新作『SNAKES & ARROWS』をリリースするRUSHのアレックス・ライフスンとゲディ・リーに電話インタビューしました。

『サウスパーク』や『クロマティ高校』についてもちょっとだけ訊いてみましたよ。

夕方から骨董通りで打ち合わせ。

アマゾン・アフィリエイト乞食報告2007年1~3月

うちのサイトではアマゾンのアフィリエイト(アマゾンではアソシエイトというけど)をやっていて、うちのサイトからクリックしてアマゾンに行った人が何かを買ってくださると、僕の懐にいくばくか(CD一枚で数十円)入るようになっています。

皆様のおかげで毎四半期ごとに何枚かCDをタダでもらえるわけです。有り難うございます。サイトに反映させていきたいと考えています。

払いはギフト券なので、結局アマゾンでCDとか本とかDVDを買うことになって、大企業がさらに儲けるという仕組みになっているのですが、2007年1月~3月に本サイト経由で売れた作品のランキングを発表します。

(国内盤・輸入盤はまとめています)

SUNN O)))とBorisとEARTHでトップ独占。特に『ALTAR』の勢いが凄いです。

2007-04-03

そういえばPUNKSPRING会場のブースに担当編集H氏の奥さんがいらしたので思い出したけど、史上初かもしれない宇宙音楽本『宇宙からの歌、宇宙への音』が発売中です。面白くてためになるわよん。買ってね♪えへ

で、あっさりドカベン携帯ゲーム終了。さとるボールも犬神の腕が伸びるギミックも岩鬼家のお手伝いさんも出てこなかったぞ

ヽ( ´ー`)ノヽ( ´ー`)ノヽ( ´ー`)ノヽ( ´ー`)ノヽ( ´ー`)ノヽ( ´ー`)ノ

2007-04-02

4月18日にライヴ・アンソロジー『TRACKS』『TRACKS 2』日本盤が出るWISHBONE ASHのアンディ・パウエルに電話インタビューしました。

『ドカベン』携帯ゲーム・高校2年生春の大会編が発売されましたよ。

横浜学院・甲府学院・クリーンハイスクール・赤城山高校・江川学院はSPRINGROOVEとPUNKSPRINGの移動京葉線内で倒してしまいました。

現在信濃川高校と死闘中。里中が変化球を投げれないから苦戦。負けるかも。でもこれに勝てば土佐丸高校!

面白いけど電池消費が激しいなぁ。

PUNKSPRING @幕張メッセ

  • THE SUMMER OBSESSION
  • THE RED JUMPSUIT APPARATUS
  • 9MM PARABELLUM BULLET
  • STEWART COPELAND DJ
  • THE TOY DOLLS
  • KEN YOKOYAMA
  • DROPKICK MURPHYS
  • STERIOGRAM
  • JIMMY EAT WORLD
  • NEW FOUND GLORY
  • NOFX

別に邦楽を避けていたわけではないのですが、マキシマム・ザ・ホルモンとELLEGARDENは見れませんでした。

スチュワートの”DJ”は実際には別の人がやって、彼は側でイエー!とかオッケー!とか客をノセていました。

その前のDJ(誰か知らない)が「電撃バップ」「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を恥ずかしげもなくかけているのにある意味感銘を受けました。

僕もDJをやる時は「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と「天国への階段」をかけようと思います m9(^Д^)プギャー

2007-04-01

朝9時半に秋葉原で集合、筑波エクスプレスで流山ららぽーとへ。映画『ポリス インサイド・アウト』プロモーション来日中の再結成THE POLICEスチュワート・コープランドに取材。

その後、TOHOシネマズ流山おおたかの森で舞台挨拶の通訳。

流れでマネージャーのデレク・パワー氏とも合流。

元CURVED AIRのソーニャ・クリスティーナと結婚していた時期の嫁実家との関係、スティングが出演した『砂の惑星』『ブライド』評、「ロシア人だって自分の子供は可愛いんだよ」という歌詞の元ネタ、「マソコ・タンガ」の意味など、ひとつひとつの話題が興味深すぎ。

で、「俺のDJプレイを見にくるんだよな?」と言われて幕張メッセに移動。

SPRINGROOVE @幕張メッセ

  • 湘南乃風
  • Ak’Sent
  • ZEEBRA
  • LUPE FIASCO
  • AI
  • ZIGGY MARLEY
  • KANYE WEST
  • Ms. LAURYN HILL

ジギー・マーリィは「Positive Vibration」「Get Up Stand Up」「Is This Love」 「Jammin’」と4曲も父親の曲をやっていました。

セミファイナルのローリン・ヒルは大遅刻で、メイン予定だったカニエ・ウェストが急遽前倒しで出演。

ローリンは9時半頃になってステージに上がり、ご丁寧にアンコールも「Killing Me Softly」、弾き語り2曲、「Everything Is Everything」と4曲もやって、終演は11時過ぎでした。

しかも強風で京葉線はストップしてて、結局家に着いたのは午前1時50分。

2007-03-31

全米のさまざまなテレビ番組にプロモーション出演しているテレタビーズ。RAWとかSMACKDOWN!に出ないかなぁ。

SAXONの新作『THE INNER SANCTUM』、アマゾンで注文してまだ届かないのですが、その前に3月20日シュトゥットガルト公演のライヴ音源を聴きました。去年のNWOBHM25周年ツアーの演奏も良かったですが、今回も素晴らしいです。

テレタビーズ10周年

放映開始から10年を迎える『テレタビーズ』が遂にテレタビーランドを脱出!プロモーションでニューヨークに上陸しました!

これまで頑ななまでに現実社会とのクロスオーバーを拒んできたテレタビーズがついにタブーを破った!

これはタビコラではありません。現実にタビー達がグランド・セントラル駅に!

テレタビーランドのパスポートを手に!ティンキーウィンキー3メートル説は本当だった!

自由の女神を見物!

インタビューも受ける!

新ウェブサイトもオープン。黒人音楽の殿堂アポロ・シアターにも行っています!

タビーイラストも一新!昔の不気味なものからデフォルメされたものに!

タビーカレンダーに案が採用されるともらえるバッヂ!業界一汚い男さんがもらっていました。

Bleeker Streetにはアンテナショップも出来るそうです。レコード屋街の真っただ中!

かなり本気でショックを受けています。おっおー。あれ画像が重いけどまあいいや

http://www.afpbb.com/article/1459408