2007-06-26

クリス・ベノワが亡くなりました。

“The Rabid Wolverine”の名を欲しいままにした、タフでラフな狂獣レスラーでした。

2005年11月14日と同じ写真を貼らなくてはならないなんて、悲しいですよ。

DOOMRIDERS vs BORIS『蛮音の饗宴』

カップリング・ライヴ盤2LP。A面C面がDOOMRIDERS、B面D面がBORISという構成です。

BORISのハード・ロッキンな素ライヴを収めた作品は意外にこれが初めて。当然生のほうが良いですが、『PINK』期の無加工ステージを楽しめます。

DOOMRIDERSもメタル馬鹿っぷり全開で良いです。

こちらは頭を悩ますことなく、問答無用で買い!です。

さらに7月にはBORIS vs STUPID BABIES GO MADの10″+DVD、ワタコたんハァハァと朝生愛たんハァハァの写真集つき7″と、そろそろファンを置いてけぼりにしつつあるリリースラッシュが続きます。MERZBOWもそうだけど、”たくさん出す”という表現手法は財布に厳しいです。

Boris with栗原ミチオ『Rainbow』

作り手には作品を発表する権利があって購買者にはそれを買わない自由がある、という当たり前の話はつまんないので置いといて。

Boris with栗原ミチオの『Rainbow』500セット限定LPボックスが24,500円という値段で論議を呼んでいます。僕は買いましたよ!ひえー

内訳は本編LPとボーナスLP(両方ともクリアビニール)、クラシックの全集とか卒業アルバムみたいにずっしり重い布張りイメージ・アート写真集、そして1曲入りDVDというものです。

DVDに入っている「虹が始まるとき」ビデオは白い部屋で顔がはっきりしないバンドが演奏するという、SLIPKNOTの「Before I Forget」に似ているような似ていないような映像です。

アルバム本編はメロウな曲調に非情なギターが突き刺さる、奇妙に昭和を匂わせる異色な作品ですが、ボーナスLPの「とまどう空 風が笑う」「霧を迎えに」は片面1曲ずつで、ドローンに非情なギターが突き刺さります。アルバム本編とは趣を異にする曲ではあるものの、我々の知るborisに近くて馴染みのあるサウンドで、むしろ本編よりハマれるかも知れない濃厚な仕上がり。ここでしか聴くことが出来ない、ファン泣かせの音源です。

写真集はアルバム各曲をヴィジュアライズしたもので、バンドがこんな視覚イメージを音にしていたのかという解題作として面白いです。僕が音を聴いて抱いていたイメージとまったく異なっていたのも興味深かったです。

当然ながら24,500円の価値があるのか?と疑問を抱かれる方が多いと思いますが、そこいらのウンコCDが2,500円することを考えると、その10倍の価値は楽勝であります。でもその一方で、たとえばDEEP PURPLE『LIVE IN JAPAN』3枚組CDが2,004円だということを考えると、えらく高い買い物です。

じゃあ『Rainbow』通常盤CDを起点として、その10倍の価値があるか?というと、

“本編の音楽+ヴィジュアライズによる解題&イメージ拡大+ここでしか聴けないボーナスLP(しかも中身良い)+でっかい希少盤を所有するフェティッシュな快楽+経済破綻によるマゾヒスティックな自己破壊願望成就”

を鑑みて、ある!と答えます。

でもそう感じて、しかも対価を支払う人はたぶん世界で500人ぐらいなので、需要と供給が成り立っているわけです。

そこまで付いていけない人は通常盤CDを聴けばいいわけだし。

Borisはこれまで音楽の限界の壁を破ってきたし、パッケージの限界の壁を破ってきたバンドであり、今回は価格の限界の壁を破るという、”価格”を表現手法としてきたのが斬新だと思います。

表現者の目的のひとつが受け手の感情を揺さぶることにあるのだとしたら、「そんなの買えねーよ!」と泣かせるというのは、その目的が達成されたといえるのではないでしょうか。

そもそもCDやLPが2,500円ぐらいというルールを守る必要はない訳です。通常のCDパッケージは原価とかを考えると2,500円ぐらいが妥当なんだろうけど、本来購買者はパッケージではなく中身に対価を支払っているのであって、いくらでも良いはずなのです。絵画界ではリトグラフとかは量産されているくせに原価と関係なく高いわけだし。

なにぶん無茶苦茶凝ったパッケージなので、原価がかなりかかっていて、この値段になってしまったというのが実情だと思いますが。

どうせなら普通のCDパッケージなのに2万円とかにしちゃえば、もっとインパクトがあったかも知れません。

2007-06-22

フランク・ミラーの『300』の翻訳をやっているのが関川哲夫。父親が群馬県議会議長だと、英語も堪能なんですね。

2004年4月2日、この方のトークイベントに連れていかれたことがあります。

最近ブログが更新されないのが残念です。痛風を患っているそうですが、伊勢崎暗黒街計画をぜひ実現させて欲しいです!

後藤達俊のブログも継続されるようでよかったよかった。

真紅の盗賊

バート・ランカスター主演。1952年製作。DVDは灰色盤が500円。

豪放磊落、義侠心にあふれる海賊が戦と恋の冒険におもむく、血湧き肉躍る大活劇。

反逆者の娘であるヒロインに忍び寄る悪漢の魔の手!政略絡む婚礼がまさに行われんとするところに颯爽と海賊ヴァロ登場!

海賊&反逆者たちと政府軍の手に汗握る対決!おとぼけ博士の珍発明!バート・ランカスターの女装!

もう素晴らしすぎます。

1952年製作ですが、1930~40年代の海賊映画のお約束事やおいしい所をそっくりいただいたオマージュ映画でもあるようで、それがまた絶妙のツボを突いてくれます。

ただマイナス点は(軽くネタバレ)、最後の戦いがあっけなかったこと。マストの上にいる悪漢と囚われのヒロインに海賊ヴァロが剣を手にして上っていくとき、『スカラムーシュ』ばりの大剣戟を期待したのですが。

それでも本ブログをご覧になっているような酔狂者さんだったら満足間違いなし!

あとイマイチ画質が汚いので、リマスター盤DVDを出して欲しいものです。それまでは500円盤で我慢。

2007-06-21

現在北米ツアー中のRUSHのステージで、本編ラストを飾る「Tom Sawyer」イントロに『サウスパーク』出演陣が登場しています。

『サウスパーク無修正映画版』サントラ盤にRUSHが「Oh Canada」を提供、新作『SNAKES & ARROWS』には『チーム・アメリカ』のセリフからとった「Malignant Narcissism」というタイトルの曲が収録されるなど、なんだか交流が深い両者。ニール・パートとマット・ストーンが友達なんだそうです。

今日のデコピン

<子ども見守り情報>07/06/19認知情報(16:47発信)

本日、午後3時頃、下高井戸5丁目付近において、不審な男(50歳位、白髪まじりの髪の毛、青い服、シルバーの自転車)が、下校途中の児童のオデコを指で弾いて逃走する事案が発生しました。大事な子どもさんが、事件や事故に遭わないように、登下校する際はできる限り複数で。防犯ブザーをいつでも鳴らせるように。万一、被害にあったら、大声を出して逃げる、近くの人に助けを求める等、子どもさんには、繰り返しご指導をお願いします。<杉並区危機管理対策課>

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

2時間40分ぐらいあって目まぐるしくストーリーが展開して戦いも視覚効果もふんだんにあってキース・リチャーズも出てくるのに物足りなさを感じるのは、swashbuckler(剣戟冒険活劇)な要素が希薄だからではないかと。

ないものねだりしてもしょうがないけど、海賊映画である以上やっぱりそういう要素を求めたくなるのが人情というものではありますまいか。

ぃゃまぁけっこう面白かったですけどね。

2007-06-17

赤塚不二夫大全集(165)『レッツラゴン(7)』の141ページにフォークナーの「赤い葉」からの引用がありました。

そのふたりのインデアン(ママ)は奴隷居住区のほうにむかって農園を横切っていた…

それだけ。『フォークナー短編集』に入ってるよっ

ついでに『B.C.アダム』からのふたコマ。

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THE MAGIC LANTERNS: SHAME SHAME

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毎度なんだか過去のスゴイ作品を紙ジャケ再発して驚かせてくれるエアメールレコーディングスですが、6月27日にはマジック・ランタン『孤独の夜明け』を出すそうです。

“魔法のランプ”という魔術的なバンド名、マイク”オズ”オズボーンという人がベース・ヴォーカル、ハリー・ワードという人がドラムスということ、裏ジャケに一見オジーに似ている人が映っていることから「BLACK SABBATHの変名バンドでは?」と言われたこともあるこのバンドですが、縁もゆかりもありません。音も全然似ていません。

代表曲は「孤独の夜明け」「孤独のサンシャイン」「孤独のカントリー・ウーマン」など。寂しい人たちだったようです。

SUCH HAWKS, SUCH HOUNDS

現代アメリカのドゥーム/ストーナー・スペース・ロック・シーンについてのドキュメンタリー映画『SUCH HAWKS, SUCH HOUNDS』予告編が公開されました。

予告編といっても10分におよぶもので、出演バンドが凄いです:

ACID KING / BARDO POND / COMETS ON FIRE / DEAD MEADOW / FATSO JETSON / THE HIDDEN HAND / HIGH ON FIRE / MAMMATUS / NEBULA / OM / PEARLS AND BRASS / SUNN O)))

あと予告編にはTHE OBSESSED~KYUSSのスコット・リーダーも登場。

ライヴ映像はもちろん、カリフォルニア砂漠や森林、トウモロコシ畑などに極上濃厚なヘヴィ・サウンドが鳴り響きます。

映画は現在制作中で、日本では劇場公開なんてしないでしょうからDVD待ちですが、予告編だけで燃えます。

当初は『HEAVY』というタイトルだったけど、DEAD MEADOWの曲にちなんで『SUCH HAWKS, SUCH HOUNDS』となったそうです。

ザ・ヒストリー・オブ・アメリカン・コミックス

DVDで『ザ・ヒストリー・オブ・アメリカン・コミックス』を見ました。

『Famous Funnies』~『Action Comics』~ヒーロー物~オルタナティヴ・コミックスという流れで、本筋は押さえながらもカウンターカルチャーとしてのコミックを主題としています。

表現の多様化を判りやすく描いて大変勉強になる上に、しっかり作り込まれていて作品としてとても面白く、やっぱり社会に反逆しなきゃ!とやる気がふつふつと湧き上がってきました。

『Air Pirates』のミッキーとミニーがセックルしてる画像、伝説と化していますが、実は初めて見ました。

「章ごとに区切った構成→題材は当時反社会的と糾弾されたけど実はそうじゃないんだよというオチ→最後キメの一言に昔のフッテージを用いる」という構成が、同じロン・マン監督のツイストについてのドキュメンタリー『ツイスト!』と同じ流れで面白かったです。

身につまされたのがDVD中に出てくるハーヴェイ・ピーカー『アメリカン・スプレンダー』のこのコマ。

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『アメリカン・スプレンダー』は永島慎二とかつげ義春とか滝田ゆうをアメリカンにした感じの私漫画で、いくつかアンソロジーがある中で我が家にはこれしかないのですが、このエピソードって単行本だとどれに入っているのでしょうか?

確か映画版にもこのコマが使われていた記憶が。

映画版は面白かったけど原作の何も起こらないダラダラ感が殺がれていた気がします。

なお『ザ・ヒストリー・オブ・アメリカン・コミックス』ではピーカーがラジオ局からLPを盗んで、業務用トイレに隠して後でピックアップしようとしたら、トイレの鍵がかかっていて盗み出せなかったというエピソードが紹介されています。

最後に、DVDとはまったく関係ないけどオマケ。

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警察公式発表

ファンの夢を壊さないで欲しいです。

Information regarding WWE Event at Wachovia Arena

For verification purposes regarding those inquiring as to the alleged car bombing of WWE Chairman Vince McMahon, at the Wachovia Arena in Wilkes-Barre Township on Monday, June 11, 2007, the incident was a staged event, prearranged with Fire Department personnel and authorized by Township Code Enforcement officials. All necessary precautions were taken during the filming of the event so as to ensure the safety and security of all persons involved in the event. Mr. McMahon was not injured during the event contrary to what is being reported on internet web sites and other media sources.

JULIAN COPE: JAPROCKSAMPLER

早くも予約受付開始していますね、ジュリアン・コープの日本ロック集成『Japrocksampler』

ジャーマン・ロック集成『Krautrocksampler』に続く第二弾、1960年代末~70年代初めのニューロックを中心とした内容のようですが、イギリス人の視点でどのように描かれるか、楽しみです。

『Krautrocksampler』については当事者であるドイツ人リアルタイマーからすると批判もあるようですが(もちろんこのサイトの文を鵜呑みにするわけではなく)、日本編は我々日本人の目にどう映ることになるでしょうか。

外国人の視点から見た日本ロックというと、Record Heavenによる記述も興味深いです。

2007-06-13

今度はプリンタが動かないし(-_-メ)

仕方ないので近所のLAOXでエプソンPX-V630といういっちゃん安かったやつを買ってきました。プリントアウトするのはテキストメインなので、これで十分以上です。

チャイナ・シンドローム

『チャイナ・シンドローム』をDVDで見ました。1979年作品だけどこれまで特に見る機会がなかったのです。

原発を舞台にしたパニック映画で最後はメルトダウン!地球内部をどこまでも落ちていって反対側の中国まで到達!中国壊滅!ついでにビッグベンや凱旋門や東京タワーも爆発!…というストーリーかと思いきや、アイドル扱いに嫌気が差した女性レポーターがスクープをモノにするために、原発の内部告発に絡んでいくという話でした。

特撮が一切ないとかそういうのは抜きにしてもえらく地味な話でした。公開当時はスリーマイルアイランドの原発事故とバッティングして話題となり、さらにアカデミー賞主演男優・主演女優・美術・脚本4部門にノミネートされたそうですが、今では誰にも語られることのない映画なのも無理ないような気が。うーーむ。

2007-06-11

ゲイリー・ムーアに電話取材しました。6月16日に最新作『CLOSE AS YOU GET』日本盤CDが出ます。

ゲイリーに取材するのは対面・電話あわせてこれが10回目の筈です。お互い歳をとりました。