THE WILDHEARTS @赤坂ブリッツ

2月15日の日記に「1990年代半ばのTHE WILDHEARTSは本当に神で、アルバムはもちろんシングルB面も全部最高という時期があった」と書いたのですが、その神がかった時期の大傑作『EARTH VS THE WILDHEARTS』15周年を記念してアルバム全曲と当時のシングルB面曲を一挙演奏するというスペシャル・ライヴが行われました。もう名曲に次ぐ名曲に次ぐマザーファッキン名曲の嵐です。しかもアンコールで「Someone That Won’t Let Me Go」「Sick Of Drugs」「I Wanna Go Where The People Go」も披露。頬を伝うのは汗か涙か。夢のような2時間半でした。

「Caffeine Bomb」が当初「Suckerpunch」シングルB面候補だったというのは初めて知りました。既に「Beautiful Thing You」「Two-Way Idiot Mirror」「29 x The Pain」と全4曲すべてが名曲だというのに、「Caffeine Bomb」が加わっていたらどうなっていたことか。死んでいたかも知れません。

RAGING SPEEDHORN / CHURCH OF MISERY / PALM /ELECTRIC EEL SHOCK / ARRASTRANDOSE @新宿アンチノック

実はRAGING SPEEDHORNにはあまりいい思い出がないのです。

彼らが初来日公演を行ったのが2001年4月、AMENとのジョイント・ツアーでした。当時KERRANG!で滅茶苦茶ハイプしていて、いちおう期待して25日、原宿アストロホールまで行ったのですが、なんかアメリカ系ヘヴィ・ロック・バンドを小型化したようなサウンドで、2人ヴォーカリストがいるのにそれぞれのキャラが立っていなくて、まあ”普通”でした。AMENがすごく良かっただけに、なおさらイマイチだと感じました。

当時のレコード会社の担当さんが彼らのアルバムの宣伝資料用に、いろんな音楽評論家とかライターとかDJとかからメッセージを集めていて、僕にもお声がかかったのですが、意向に添えるようなメッセージは書けないし、かといって断るのも角が立つしで、てきとうに言葉を濁してその場をスルーしました。数ヶ月後、宣伝資料にはいろんな方々の「ラウド・ロック*1の最終兵器!」とか「激ヤバ!」とか、バンドを絶賛するメッセージが列記されていました。チラシは捨ててしまったので、正確な文言ではありませんが。あのライヴを見て本気でそう感じたのか、それとも金さえもらえば何でも褒める嘘つきなのかは僕には判りません。

2回目の来日は2001年8月25日、横浜アリーナでの『Beast Feast 2001』でしたが、あまり記憶に残っていません。3回目の『サマーソニック02』でのステージは見てないです。2002年12月に4回目の来日をしていますが、行きませんでした。

3枚目のアルバム『HOW THE GREAT HAVE FALLEN』は実は彼らの作品では一番良かったぐらいなのですが、日本盤CDを出した日本クラウンが直後にメタル系から撤退してしまったので、プロモーションも何もなく闇に消え去りました。で、それから3年。5回目(たぶん)の来日公演が決まったわけです。今回の来日を最後に解散するそうです。

相変わらず2人ヴォーカルの芸風がかぶっていましたが、速い曲ありドゥームっぽい曲ありの起伏に富んだセットリストで、皮肉なことに、彼らのライヴを見てすごく良いと思ったのはこれが初めてでした。とても気合いが入っていて、解散がもったいない!と思いました。

FOCUSの「Hocus Pocus」も一瞬やっていました。

明日も同じ新宿アンチノックでライヴがあるので、お暇でしかもTHE WILDHEARTSに行かない方はぜひ。チケット代3,000円の元は確実にとれます。

2007年に完成、SPVからリリースされる筈がお蔵入りになってしまった4枚目のアルバム『BEFORE THE SEA WAS BUILT』の私家盤CDが会場の物販で売られていました。ライヴの最後、ステージから降りてそのまま観客の中を突っ切って物販に行って売り子をしていたハゲの方のヴォーカリストに哀愁が漂っていました。CDを買ったら「ポスターはいらないの?Tシャツは?」と勧められました。うちにはもう場所がないのでごめんなさいしました。

【追記】『BEFORE THE SEA WAS BUILT』って2007年にちゃんとリリースされていたんですか?現物を一度も見たことなくて、お蔵入りしたと思っていました…(´・ω・`)

バンドのmyspaceを覗いたら、夏にイギリス・ツアーを行った際に前座を務める筈だったBOSSKが解散していたのを知りました。残念です。ヘヴィさとアンビエンスと英国の森っぽさが絶妙なバランスのポスト・メタル風味のバンドで、アルバム2作とDVDをまとめた3枚組『TRILOGY』で全音源を一気に聴けるので、オススメです。アマゾンでは2枚組と記載されていますが、たぶん3枚組です。

ところで2002年頃、RAGING SPEEDHORNのツアマネは元IRON MONKEYのベーシストだったダグ・ダルジールでした。wikipediaによると先週ネット流出したBritish National Party(極右白人至上主義ホロコースト否定政党)の支持者名簿にダグの名前があったのだとか。

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ところで、宣伝資料で褒めそやすメッセージを書いていた方々は今日、どこにいたんでしょうね。

*1:メタルがダサイとほざく糞な連中が使っていた言葉。今では"デジロック"と同じぐらい死語

Michael IX Williams: Cancer As A Social Activity – Affirmations Of World’s End SECOND EDITION

EYEHATEGODのマイク・ウィリアムス詩集の第2版がSouthern Roots Publishingから出ました。名義がMichael D. WilliamsからMichael IX Williamsに変更されて、ハリケーン・カトリーナ以降に書かれた12篇の詩を追加。表紙の色合いも変わりました。暗く鬱なイマジネーションが広がる自由律の詩の数々を音読していると、やり場のない絶望と厭世感に苛まれます。

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左が初版本、右が第2版。

MARTIN TAYLOR: DOUBLE STANDARDS

イギリスのジャズ・ギタリスト、マーティン・テイラーの多重録音セルフ・デュオ・ギター・アルバム『DOUBLE STANDARDS』が良いです。

ガーシュインやバカラック、デューク・エリントン、カウント・ベイシー、アントニオ・カルロス・ジョビンなどをプレイするスタンダード集で、超絶技巧と暖かみを兼ね備えたギター・プレイが心を奪います。

この人、ステファン・グラッペリやスティーヴ・ハウと一緒にアルバムを出したり、NHKの朝ドラ『さくら』テーマ曲への参加もしています。

しかもグッドタイミングで来週来日決定。絶対行きます。

RORY GALLAGHER: LIVE IN GERMANY AT ROCKPALAST限定DVDボックス発売

ロリー・ギャラガー『ROCKPALAST』3枚組DVDボックスが12月24日発売。今予約すると24%引き。こういうのって利益はどうなっているんでしょうね。

ロリーのライヴDVDはどれも素晴らしい出来のものばかりですが、本作ももちろん最高です。

日本盤DVDはこれまで3枚が別売りされていましたが、DVDボックスには塗装の剥げたストラトを再現したフィギュア、ギター・コレクションのフォト・ブックレット、ロリーの弟でマネージャーだったドナル・ギャラガー氏へのインタビュー記事が付きます。

ドナル氏へのインタビューは山崎がやりました。当初6,000字の予定でしたが、急遽1万字インタビューに大増量。少年時代の思い出、ギター話、ボブ・ディランとの交流、ストーンズ加入話、日本のステージでコケた件など、秘話満載です。

既に『ROCKPALAST』を持っている方がフィギュアとブックレットのために買い直す価値はあるか?というと悩みますが、なにぶん500セット限定のため、悩む前に押さえてしまった方がいいかも知れません。クリスマスプレゼントにも最適なので、いきなり意中の異性に手渡してみましょう。

BAD ACID TAB #7

おなじみドゥーム・マルチメディア・ファンジンBAD ACIDの第7号が完成しました。今回はDVD2枚組に2時間近くの映像、19時間の音源、90ページのPDFマガジンを収録しているそうです。去年4月に8年ぶりに復活、第4号を出してからハイペースで活動していて嬉しい限りです。

THE WHO @日本武道館

やっぱり行かねば話にならないでしょう!ということで最終日に行ってきました。17日の武道館公演が10分でソールドアウトと聞いていたので、わざわざ会場まで行って当日券がなかったらイヤーンと思いましたが、普通に買えました。ライヴはすごく良かったです。

2008-11-16

ロブ・ゾンビ版『ハロウィン』とか『X-MEN』に出てくるタイラー・メインってスカイウォーカー・ナイトロンだったのか!!

かつて全日本プロレス最強タッグにランド・オブ・ジャイアンツの片割れとして参戦。対ジャイアント馬場&アンドレ・ザ・ジャイアント戦では、なんと4人のうち馬場が一番背が低い!という事態になったのを覚えています。

UNEARTHLY TRANCE / SUMA SPLIT 10”: PSYCHOLOGICAL OPERATIONS

ツアーエディション69枚限定ナンバー入り白盤10″。うちのは9番です。なお通常盤はGrimmgrinner Recordsで買えます。アルバム『ELECTROCUTION』ではけっこうRelapseテイストを感じさせていた彼らですが、この10″収録の「Mohawk」はそれを脱した鉛の拳のような破壊力の巨大なドゥーム・サウンド。初期とも異なっていて、新たな次元に突入しています。SUMAの曲も良いです。

HAWKWIND REISSUES 2009

2009年1月からAtomhengeレーベルによるHAWKWIND再発シリーズがスタートします。いずれもリマスターで、ボーナス・トラックとか付くかはまだ判りません。第1弾は

  • Astounding Sounds, azing Music
  • Hawklords 25 Years On
  • Live Chronicles
  • Electric Tepee

これを機会に全作聴いてみましょう。残りの人生HAWKWINDしか聴けない身体になるかも知れませんが。

しかしいろいろ出過ぎでおこづかいが全然足りないです。

CANDLEMASS: Lucifer Rising EP

CANDLEMASSの最新EPのタイトル曲「Lucifer Rising」がNWOBHMのスピード感とドゥーム・メタルの重厚感を兼ね備えたアップテンポ・ナンバーでかっこ良すぎます。彼らの新しい代表曲が生まれた感じです。しかもこの”EP”、新曲2曲と「Demon’s Gate」リメイク、昨年アテネでのライヴ9曲を加えた全12曲・72分という内容。それでもEP価格をキープしていて超お買い得です。SOLITUDE AETURNUSのシンガーでもあるロバート・ロウの歌唱もとても良いです。

株式会社ウッドベルが改名

株式会社ウッドベルが11月1日付で株式会社ペコカンパニィーに改名。代表取締役が鈴木さんなのでウッドベルなのでした。「人生を楽しく、人々に優しく、そしてハッピーに!People & Ecology」が新コンセプトだそうです。

テイチク系列で『長州力ファイナル・ブルース・ロード』とか『佐々木健介TAKE THE DREAM』とか、狂ったCDを何枚も出していましたが、蝶野正洋がヒールターンのときにROYAL HUNTと組ませたのはホームランでした。

アンドレ・アンダーセンにインタビューしたら「俺がとある酒場で飲んでいたら、ちょうどドイツ遠征中のマサ・チョーノが入ってきたんだ。その瞬間から親友になった。それから何年の月日を経て、彼のテーマを手がけることが出来てハッピーだぜ!」と言っていました。この大嘘つきめ、と思いながら「あなたもずいぶん背が高いですが、アンドレ・ザ・ジャイアントというレスラーを知っていますか?」「いや、知らないねえ」などと大人のトークを続けました。

新日タイアップ路線の仕掛け人だったKさん(ノーランズ逆カバー路線の黒幕の一人でもある)がいなくなっちゃったので、もうプロレステーマとかメタルはやらないんですね。残念。

そしてKさんはBit Organizationを旗揚げ、YOUTHQUAKE『SIX FEET UNDER IS NOT DEEP ENOUGH』をリリースしました。

ULI JON ROTH @中野サンプラザ

“スペシャル・ゲスト:マーティ・フリードマン”と書いてあったので前座がつくのかと思ったら、マーティはアンコールでゲスト参加ということでした。そのせいで、というわけではありませんが、1曲目「The Sails Of Charon」の最初の数分を見逃してしまいました。

「明日が10歳の誕生日」という娘さんがステージに上がりました。ウリはジミヘンに心酔するあまり、ジミの彼女だったモニカ・ダンネマンとくっついて兄弟になりましたが、そのモニカが自動車に排気ガスを引き込んで自殺したのが1996年4月。それから1年後にどこぞの女性に子種を仕込んだことになります。あるいは養女なのでしょうか。ローランド・ボックは日本に来るとき”養子”を帯同していたといいますが。 ←あのリズって人との間に生まれた子なんですか?

「Fire Wind」があまりにかっこ良かったので帰宅して『FIRE WIND』を引っ張り出して聴いたら、ヴォーカルのショボさに落涙。味があるとかでは済まされないです。でも曲とギターはやっぱり良いです。

20世紀少年

明日の取材に備えて映画『20世紀少年』を見に行きました。既に公開されてからずいぶんと日が経っていて大半の劇場でレイトショー扱い。月・火とライヴを見るので、都内で唯一15:40からやっているニュー八王子シネマまでわざわざ行きました。やさしそうなモギリのお姉さんが「この映画館の裏手でも撮影したんですよー」と教えてくれました。

見終わったらダッシュで中央線に。

2008-11-12

SUNN O)))の『DOMKIRKE』とEARTHの『THE BEES MADE HONEY IN THE LION’S SKULL』アナログ盤が日本のアマゾンに入荷したようです。カラー盤ではないと思うけど、バカ高い送料を払わずに済みます。EARTHアナログ盤はSouthern Lordで売られている”バイブル”ヴァージョンとは別ジャケなのでしょうか…? → バイブル・ヴァージョン黒盤でした。今よだれを垂らしながらジャケを愛でています。絶対買い。キャー。

ぴゃほほ

スティーヴン・オマリーのソロ12″『KEEP AN EYE OUT』、アマゾンで予約受け付けていますね。アマゾンはたまに入荷しなかったりするので油断ならないですが、以前オマリー&アッティラ・チハーの『6 DEGREE F SKYQUAKE』の500枚限定CDを十数枚ばっちり確保するなど、案外あなどれません。