来日公演を目前にして新作が到着。SUNN O)))史上最も作曲され、最も編曲されたアルバム。
不動のグレッグ・アンダーソン&スティーヴン・オマリーに加え、アッティラ・チハーとオーレン・アンバーチが基本メンバ-。それにゲスト陣が加わります。
『ORACLE』やASCENDをふまえた上で、新次元に突入。轟音ギター・ドローンはそのままに、いくつもの衝撃が襲います。出来るだけ情報はシャットアウトして向かい合うべきです。よって、内容に関してはあまり書かないことが正しいと信じます。もちろん最大限の効果を得るには最大限の音量で聴くべきです。
ただ、轟音うんぬんを超えて、21世紀において最も重要な音楽作品に近いアルバムのひとつであることを身体で感じました。
EARTH、CELTIC FROST、ENTOMBEDと並んでイアンク・ドゥミトレスクとジェラール・グリゼーをインスピレーション源として挙げているのが面白いです。
1曲目「Agharta」のスピーカーを揺るがす低音イントロに思わず身構えます。握りしめた拳が血色を失い、白くなっていくのが判ります。
「Agharta」は英語詞なのですが、アッティラの語りが現世から切り離された隔絶感を生み出します。Tunnel(トンネル)を”テューネル”と発音したり。
2曲目「Big Church [megszentségteleníthetetlenségeskedéseitekért]」イントロを聴いたとき、まさか!?と、全身の体毛が逆立ちました。
全4曲54分、「Alice」の最後の1音の残滓が静かにスッと消えたとき、自分の魂も抜け落ちるのを感じます。
今月の来日公演を成功させて、新作に伴うジャパン・ツアーも実現させて欲しいです。
5月29日発売。
ジャケット・アートワークはリチャード・セラの「Out-Of-Round X」(1999)。ちなみに
Out-Of-Round V
Out-Of-Round XII
Out-Of-Round XV
Out-Of-Round XIX
もっとネットを探せばあるかも知れません。ノラウマvsピストルのおまわりのバトルを思い出しました。