月: 2008年1月
ベストいろいろ
2007年パーソナル・ベスト・アルバムはここで書きましたが、以下でもいろいろベストを選ばせていただきました。
自分のはともかく、他の選者さんのベストを見るのは楽しいですね。
ちょっと前に出た本だけど、洋楽ロックの1960年代・70年代・80年代ベスト、1960~89年ベスト・アルバム。
2007年ハード&ヘヴィ・リイシュー・ベスト10。
2007年ブルース・ロック・ベスト5。
映画オールタイム・ベスト10。
1位を『キング・コング』にして編集部さんに送ったら、誌面で『キングコング』(1976)とされてました。
キングなかぐろコングなんだから当然1933年版に決まってるでしょうが (-“-メ)
さらに5位にした『スカラムーシュ』も1952年版を念頭に置いてたのに(1923)となってて泣きそうになりました。
公開年を併記しなかった僕が悪いのかも知れんけど、一言訊いてくれればいいのに。(´ヘ`;)ハァ
【追記】3月号で訂正を出していただきました。
2007年映画ベスト10。
KTL: LIVE IN KREMS APRIL 2007
KTLの2007年4月30日、ドイツKremsでのDonaufestivalの模様を収めたLP『LIVE IN KREMS APRIL 2007』(Editions Mego 086)を入手しました。
アナログオンリー500枚限定で、我が家のは184番です。
この日のライヴ音源はKTL LIVE ARCHIVEからMP3を落とすことが出来ますが、LPはきっちりミックス&マスタリングされていて、音の迫力と各パートの分離が段違いです。
KTL最高曲?の「Theme」も収録していて、大音量で聴くとどこまでも持っていかれます。
さらに見開きジャケットの内側と封入ポスターにはかっこいいライヴ・ショットが載っていて、フェティッシュな所有欲も満たしてくれます。
まずMP3を聴いてみて、これをもっと凄い音で聴いてみたい!と思ったらぜひ押さえておきましょう。
で、ふとEditions Megoサイトを覗いたら、Stephen O’Malley & Attila Csihar: 6°FSKYQUAKE CDという作品も出ることを知りました。ひえー
VISIONAIRE 53: SOUND
アメリカのファッション/アート系雑誌というかオブジェに近い『VISIONAIRE』については8月31日にも書きましたが、”音”を特集した『VISIONAIRE 53: SOUND』、やっぱり買ってしまいました。お金がなくなりました。
限定4,000セット。我が家のは3,011番です。
梱包を開けると、プラスチックのドーム状ケースが出てきます。
全116アーティストが提供する”音”が5枚の12″ピクチャー・ディスクに収録。それを完全収録したCD2枚とCDサイズのブックレットも封入されています。
バックナンバーではシャネルとかとコラボして話題を呼んできた『VISIONAIRE』ですが、今回はBMWとのコラボでもあるらしく、電池で走る自動車のミニ型自走式レコードプレイヤーも付けられています。
で、肝心の中身ですが、まだ全部は聴いていません。ちゃんとした曲だったりサウンド・コラージュだったり雑談だったり色々で、いずれも1~2分のもの。短すぎて、各アーティストの世界観に浸るには至らないです。ただ、ここでしか聴けない音源も多々あり、短いながらインパクトのある曲もあるので、マニアの方は泣きながら押さえる必要があるでしょう。本当は音だけ聴きたい人向けにCDだけ単体で売ってくれればベストなのでしょうが。
せめて15~20ぐらいピンとくるアーティストがないと、高い金を出して泣くハメになると思います。
とりあえず聴いたやつ:
- David Byrne: Polaroid Picture 歌もの。1’07″ながら充実。
- Lalo Schifrin: Eine Kleine Jazz Musik ジャズとクラシックを融合させた一発ネタ。
- Ryuichi Sakamoto: Karesansui アンビエント・インスト。
- U2: Human Rights 変なアンビエント・インストにあわせて権利だの自由だの語り。
- Nick Rhodes: Control Freak エレクトロニック・インスト。短いけど聴かせる。
- Mila Jovovich: Lady From Abbey まじめにレトロ調ナンバーを歌っている。
- Michael Stipe Featuring Miguel Bose: untitled スキャット入りインスト。
- Liza Minelli: The Sound Of Broadway 本当にブロードウェイの”音”。雑踏とかのザワザワした音の最後にイントロがかぶって終わる。
- Yoko Ono: Beat Piece 最初にヨーコが「listen to the heart beat」と言って、あとはずっと鼓動。
- Pet Shop Boys: Transfer 1’05″と短いけどちゃんとした曲。
- Courtney Love: Sunset Marquis ピアノ伴奏に乗せて普通に歌う曲。
- Towa Tei: One Minute Of Love フックのある踊れる曲。
- Vashti Bunyan: Homesick 1972 Gibson from Los Angeles アコースティック・ギター・インスト。
- UNKLE: Tired Of Sleeping (edit) 『WAR STORIES』シークレット・トラックの短縮版。
- SUNN O))): Ultra Orthodox Caveman リミックス。いつものSUNN O)))激ヘヴィ・ドローン。1’45″で突如ブツッと終わる。
- Mark Mothersbaugh: Granny’s Last Solo Trip To The Grocery オルゴール風の懐かし調インスト。
- Nigo Featuring Teriyaki Boyz: Tokyo 6am 偽アシッド・ジャズみたいなの。
- Laurie Anderson: Etherharp ハープみたいなのを使ったアンビエント・インスト。
- Malcolm McLaren: Ride A Fashion Horse Part 1 ブルースをサンプリングしたエレクトロ・ダンス・インスト。
- Dan The Automator: Chaos Theories スクラッチばりばりのインスト。
- Experimental Audio Research With Delia Derbyshire: Synchrondipity Machine (From An Unfinished Dream) スペーシーなインスト。
- Thurston Moore And Kim Gordon: Intermittent Overload Of Electric Toothbrush And Hairdryer とっかかりのないノイズ。
- David Sylvian: Before And Afterlife アルヴェ・ヘンリクセンのトランペットをバックにデビシルがしゃべる。
- Andrew W. K.: 62nd Sex Change ヘヴィ・ドローンみたいなのをBGMにアンドリューWKがハァハァオナニーする声モノ。
ちなみにコジャレ系セレクトショップのコンランショップでも通販を受け付けていますよ。SUNN O)))がコンランショップで売られる日が来るとは!
AVENGED SEVENFOLD @新木場スタジオコースト
1820~1930ぐらい。
G.G. ALLIN『全身ハードコア』映画公開記念GIG:OUTLAW SCUMFUC TRADITION
THE WRESTLER
プロレス界を描いた1974年制作の映画『THE WRESTLER』をDVDで見ました。たぶん日本未公開。
プロモーター、フランクは各団体のエースが集結する”プロレス版スーパーボウル”を企画。全米のプロモーター達(ヴィンス・マクマホン・シニアとか)と相談しています。
ただ各プロモーター達はフランク派のエース、マイク・ブラード(ヴァーン・ガニア演じる)がロートルでハゲだということに難色を示し、新世代のイベントに相応しいエースを出すべきだと主張します。
そんなとき、ロード・ブレアースが「イギリスに凄いレスラーがいるぜ」とフランクに紹介してきたのがビリー・テイラー(ビル・ロビンソン演じる)。
ロビンソンはダブルアーム・スープレックスでニック・ボックウィンクルを葬るなどして、その実力を見せつけます。
ガニアとロビンソンは一緒にトレーニングしたりして友情を育みますが、結局”プロレス版スーパーボウル”出場権を賭けてリングで戦うことに。そして…!
…という話。
一応”演技”しているガニアとロビンソンは役名で出ていますが、他のレスラーは大半が実名で登場します。
ダスティ・ローデスとディック・マードックが酒場で飲んでいるとハロルド坂田ともう一人東洋人(誰か判りませんでした)がやってきて「カラテstrong!レスリングweak!」と挑発、大立ち回りを演じるシーンでは、バーテン役でハードボイルド・ハガティが友情出演。
またマフィアが控室でフランクに「大金を賭けたからガニアに負けさせろ」と強要しようとするとクラッシャー・リソワスキーとディック・ザ・ブルーザーが乱入、大暴れしたりします。
レイ・スティーヴンスが若手にトップロープからニードロップを落としたら死んじゃった、などというシリアスなエピソードも。
ワフー・マクダニエルやスーパースター・ビリー・グラハムもゲスト出演しています。
中でも興味深いのがガニアが主催するレスリング・キャンプのシーン。それ自体が”プロレスとは何か?”を説明する素材となっています。
まずミュンヘン五輪メダリスト、ダン・ゲイブルがアマレスのムーヴを講義。続いてウィルバー・スナイダーとエディ・グラハムがリングに上がり、それを教材にガニアがアマレスとプロレスの違いを説明します。
さらにロビンソンがジム・ブランゼルを相手に投げや関節技をエキジビジョン。アキレス腱固めも披露します。
プロモーターが主人公なのでオフィスも登場、写真入りで「特別参加:ジャイアント馬場」とあるポスターが貼られたりしています。この映画内ではガニアは”マイク・ブラード”を名乗っているのに”ヴァーン・ガニア”と写真入りで載ったポスターが貼ってあるのはご愛敬ということで。
ガニア自身がプロデューサーとして名を連ねており、オールド・アメリカン・プロレスのファン必見というのに加え、引退間近のアスリートの哀愁と最後のチャレンジを描いた佳作です。
輸入盤DVDで見ることが出来ますが、ジャケットの若いマッチョレスラーはいったいどこの誰なんでしょうか。
新日本プロレス:レッスルキングダム in東京ドームII
新日ドームに足を運ぶのは1998年4月4日以来。ほとんど10年ぶり!
会場に入ったらスタンドの3分の2ぐらいが閉鎖されていて思わずドキッとしました。
観客動員の公式発表は2万7千人。過去最低だそうですが、これからも毎年ドーム興行を続けてもらいたいです。380人とかになったら凄いです。
内容は…ぃゃぁ 面白かったですよ。
永田さんの珍顔芸がドーム級になっていました。ペイッ!
黒薔薇忌
Down from the glen came the marching men with their shields and their swords
ULTRAVOX: The Whisky, Los Angeles 19790315
SUCH HAWKS, SUCH HOUNDS – Scenes From The American Hard Rock Underground
ここでも書いた現代アメリカのドゥーム/ストーナー・スペース・ロック・シーンについてのドキュメンタリー映画『SUCH HAWKS, SUCH HOUNDS』(John Srebulas+Jessica Hundley監督)が遂に完成、見ることが出来ました。
超凄いですよ!!
PENTAGRAMのジェフ・オキーフがSIR LORD BALTIMOREやDUSTについて語り、FATSO JETSONのマリオ・ラーリとトニー・トーネイがカリフォルニア砂漠のデザート・ロック黎明期を振り返り、SLEEP~HIGH ON FIREのマット・パイクが『JERUSALEM』制作時にもらった前金をマリファナ代に遣ってしまったという噂の真偽について証言するなど、マニア心を揺さぶるインタビューの数々はもちろん、ライヴ映像もSUNN O)))(withアッティラ)、HIGH ON FIRE、THE HIDDEN HAND、COMETS ON FIRE、FATSO JETSON、EARTHLESS、OM、DEAD MEADOWなどを収録。
マニア感涙の汁が垂れっぱなしなだけでなく、流れもテンポも良く、1970年代から現在に至るまでのアメリカン・ハード・ロック裏街道を描いたドキュメンタリーとして完成度の高い作品です。
インタビューを受けている人達は以下のとおりです(抜けがあるかも):
- Scott ‘Wino’ Weinrich (The Obsessed, Saint Vitus, The Hidden Hand etc)
- Scott Reeder (Kyuss, The Obsessed etc)
- Matt Pike (Sleep, High On Fire etc)
- Ian Christie (author)
- Mario Lalli (Fatso Jetson)
- Eddie Glass, Tom Davies (Nebula)
- Greg Anderson (SUNN O))))
- Mark Arm (Mudhoney)
- Jack Endino (producer)
- Stephen McCarty (Dead Meadow)
- Geof O’Keefe (Pentagram, Bedemon)
- Chris Hakius, Al Cisneros (Sleep, OM)
- Lori S, Joey Osbourne (Acid King)
- Isaiah Mitchell (Earthless)
- Ethan Miller (Comets On Fire)
- Noel Van Harmonson (Comets On Fire)
- Mike Eginton (Earthless)
- Mario Rubalcaba (Earthless)
- Joe Preston (Earth, Melvins, Thrones)
- Tony Tornay (Fatso Jetson)
- Larry Lalli (Fatso Jetson)
- Laurel Stearns (desert resident)
- Chris Kosnik, Bob Pantella, Finn Ryan (The Atomic Bitchwax)
- Michael Gibbons (Bardo Pond)
- Brandon Stosuy (journalist)
- Jenny McGee (TV Eye)
- Billy Anderson (producer)
- Tony Presedo (TeePee Records)
- Arik Roper (artist)
- Josh Martin, Randy Huthy (Pearls And Brass)
- Stephen McCarty, Jason Simon, Steve Kille (Dead Meadow)
- Trinie Dalton (journalist)
- Stephen O’Malley (SUNN O))), KTL etc)
- Seldon Hunt (artist)
- Malleus (artist lab)
- Stacie Willoughby (artist)
- Michael Gibbons, Isobel Sollenberger, John Gibbons (Bardo Pond)
もうこれだけで必見だということがお判りいただけるかと。
MELVINSやNEUROSIS、FU MANCHU、MONSTER MAGNETなど談話が収録されていないバンドについても写真やジャケ写、CDからの音源などでフォローされています。
サンディエゴでEARTHLESSのメンバーがやっているレコード店Thirsty Moon Recordsも出てきます。ぜひ行ってみたいです。
一方、以前公開された予告編にはカリフォルニア砂漠や森、トウモロコシ畑などの映像が含まれており、それはそれでムードを出していたのですが、完成した本編はインタビューやライヴがぎっしり詰め込まれていて、イメージ映像は大幅にカットとなっています。
まだ完成したばかりなので、今年各地の映画祭に出品して、いずれ北米ではDVD化されると思います。
ただ日本公開/DVD発売に向けて唯一にして最大の問題は、あまりにマニアック過ぎて、看板となるスターがいないということです。
PENTAGRAMが延々とフィーチュアされていて素晴らしいですが、それを喜ぶ人がどれぐらいいるか?と。
しかしぜひ大勢の人に見てもらいたいので、何らかの形で日本でも見ることが出来るよう、動いてみたいと思います。
ケータイ小説
スティーヴン・キングの『セル』を読みました。携帯電話で毒電波を受けた人たちがムキーと発狂して周りの人たちの首をへし折ったりする話。後半かなり様相が変わってきますが。
上下巻で長いけどさくさく読めるし、面白かったです。AC/DCとかエミネムとかブリトニーの名前も出てきます。
今年の抱負
2008-01-01
今年もよろしくお願いします。