●Fukushima 50
ごはんの時にアマゾンプライムで『Fukushima 50』を見ました。
映画に描かれているような福島第一原発の関係者の皆さんの奮闘は本当に大変だったと思いますが、まだ記憶に新しい出来事ゆえ、過剰な脚色を入れることが出来なくて、映画作品としてのカタルシスが殺がれている気がしました。
原発内でブルース・ウィリスが暴れたりするシーンはもちろんないですが、“ベント”という凄いらしい解決手段も何が凄いのか判らないうちに終わりました。
佐野史郎が演じる菅直人がなんだか偉そうに怒鳴るだけのジジイに描かれています。これは当時の与党がもう与党じゃないので、ディスっても大丈夫だからでもありますよね。
映画の最初に東日本大震災をやっちゃって、後は会議とかしているシーンが多いので、“ゴジラが出てこない『シン・ゴジラ』”感がありました。
福島第一原発の所長が渡辺謙というのも、さらにゴジラ感を強めることになりました。どっちも死にます。
“大統領に電話で報告するだけのアメリカ人”という登場人物もレイモンド・バーへのオマージュだと思います。
最後に野外で子供たちが遊んでいたりするシーンでオチを付けようとしますが、丹波哲郎の演説が被さってこないので、力づくの説得力を感じません。
自分がこの映画をきれいな眼で見ることが出来なかったのは残念ですが、泉谷しげる、ダンカン、吉岡里帆など僕でも名前を知っている芸能人の方々が大挙出演しているので、新春かくし芸大会のノリで楽しめました。我々は福島のことを決して忘れてはならないという思いを新たにしました。