隣の家の少女

みんな大好きジャック・ケッチャムの『隣の家の少女』が映画化されてDVDになりました。

この話の魅力はカタルシスがないことで、首がチョキーン!とか血がドピュー!というような派手さを排除、じわじわともどかしい不快感でプッシュ。元ネタは1965年にインディアナ州で起きたシルヴィア・ライケンス殺人事件ですが、ケッチャムは半ば意図的に現実にあったことより加害者側の行為を和らげて、真綿で絞めるようなイヤさを演出しています。(現実では「I A PROSTITUTE AND PROUD OF IT」だった腹部の彫り込みを「I FUCK FUCK ME」と短くしてみたり、女の子の性的魅力が残存することを示すためにレイプしてみたり。実際のシルヴィア事件ではモノ扱いだったので性的虐待はナシでした)

映画ではどうかというと、まあ予測は出来たことですが、さらに表現が和らいでいます。ウンコ食べさせないし。ただそれは一長一短で、刺激的でないがゆえに、胸にドロドロした塊が痞えるという効果もあります。主人公の少年がまったく感情移入不可の顔立ちだとか(原作同様、女の子を助けようとしないし、大人になってからもイジイジ悩んでいる)、女の子も可愛くないとかの煮え切らない要素も嫌度アップ。

派手さもショックもないため、それをアリとするかナシとするかで本作の評価は変わってきますが、ギリギリ”つまらない”の半歩手前で留まっていると思います。

やっぱりラストは救いがないし、映画でドゥームな気分を味わいたい方にはおすすめ出来ます。

ところで役に立ちそうな英文参考資料

投稿者:

yamazaki666

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