PEARL JAM 20

PEARL JAM原稿を書くにあたって、『PEARL JAM 20』を見ました。エディ・ヴェダーとカート・コベインのチークダンスが泣けます。デビュー20周年記念映画ですが、やはり美味でジューシーな部分は最初の10年にすべて詰まっています。もちろん21世紀に入って出したアルバムもいずれも良いのですが、最初の2枚は神の領域に達しています。

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【メモ】今日届いたもの。THE HEADSの『ENTEN ELLER』とMELVINS / TOTIMOSHIのスプリット7″のA面B面色違いヴァージョン。100枚限定でMELVINS側が紫、TOTIMOSHI側が白。

キニーブートレグの件

新宿キニー(後にディスクランド)といえば、かつて日本の海賊盤文化を担った店です。こことかここをご覧になれば若い人でも、この店の重要性が判ると思います。

キニーブートレグは1970年代後半に生まれ、一時期はマトリックスにMARCと付けていましたが、その後は作品ごとにカタログ番号がバラバラになっていました。しかし1980年頃からUD65XX、続いてETS25XXとXL15XX~16XX(並行して使っていた)というカタログ番号が付与され、ひとつの”レーベル”として機能するようになります。1986年頃になるとカタログ番号は再び作品ごとにバラバラになり、1988年にジャケットの紙質がザラザラのボール紙みたいなのに変更。同じ1988年にはブートレグCDへと移行していきます。ちなみに初のキニーCDブートレグはIMPELLITERIの日清パワーステーションのやつでした。数々のブートレグCDをリリースした後、キニー改めディスクランドは1993年(頃?)に閉店します。その後継店であるディスク・ロック・プレイスがオウム真理教系で、ブートレグで得た金を教団に流しており、1997年に逮捕された事件はブートレグ界を揺るがしました。

何で突然キニーねたを書いたかというと、家にある資料の中から自作キニー・ブートレグLPリストが発掘されたからなのでした。

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おそらくこれを作ったのは1986年頃です。こんなものを調べている高校生って気持ち悪いというより、何が何だか判らないです。ソースは自分で持っているLPとか中古盤店でメモしたりとか、Hot Wacksも参考にしています。

1986年以降のタイトルは載っていないし、内容もおそらく不完全だと思われます。先日、このメモを発見したときは、他のデータも調べて、パソコンに入力して発表しようと思いましたが、そんな時間はないし面倒臭いのでやめます。このリストを踏み台にして、より完全なリストを誰かが作ってくれることを願っています。

こんなものも発掘されました↓。後期キニーはフリーダイヤルまで持っていたのですね。

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ところでブートレグはアーティストの権利を侵害するので売ったり買ったりするのはやめましょう。

NADJA / VAMPILLIA / ENDON @渋谷O-NEST

Sky Burial / The Bungled & The Botched // Long Dark Twenties

NADJAは40分ちょっとのライヴ。時間的には短め?とも思えましたが、音が幾重にも幾重にも重なり、凄まじい密度の濃さでした。これから曲目は日によって変えていくそうです。

エイダン・ベイカーのルックスはWWEのダニエル・ブライアンと似たタイプでした。リア・バッカレフはアーティスト写真だとサブカルっ娘ぽく見えたけど全然そうではなく、アメリカの農家の若奥さんといった感じでした。2人とも、ちょっと立ち話した限りとても良い人たちだったので、これから始まるジャパン・ツアーで、街で見かけたらセイハローしてみましょう。

物販のCDの種類の多さはさすがNADJAでした。『RADIANCE OF SHADOWS』や『THE BUNGLED & THE BOTCHED』デジパック再発盤など、いろいろ売られていましたが(CDは一律1,500円、DVDは2,000円)、終演後に物販コーナーを覗いたら一気に減っていて驚きました。きっと大人買いした人が何人もいたのだと思います。あとTシャツは3種類。

VAMPILLIAとENDONのライヴも楽しかったです。今週はシャルルマーニュ・パレスタイン、不失者という濃い公演が続きましたが、それを締めくくるに相応しいライヴでした。これから大阪→広島→福岡→和歌山とツアーが行われますが、絶対見に行った方が良いですよ。

観客動員は良好で、日本にこんなにたくさんNADJAファンがいるのか!と驚きました。

2012-01-26

RIOTのマーク・リアリが亡くなったそうです。

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SOULFLYのマックス・カヴァレラに電話取材しました。3月中旬にニュー・アルバム『ENSLAVED』が出ます。毎回充実したアルバムを発表して、最高なのが当然みたいな感じがあるSOULFLYですが、今回はそれを超えて最高です。新ドラマーのデヴィッド・キンケイド(元MALEVOLENT CREATION)も爆裂しまくりです。

Charlemagne Palestine @渋谷WWW

シャルルマーニュ・パレスタイン初来日公演に行ってきました。

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開演1時間前ぐらいからステージ上をうろうろして、観客をハンディカムで撮影したりしていました。MacBookは開演前の音源を流すだけで、ライヴ本編はピアノ・ソロ75分でした。

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THIN LIZZYの『NIGHTLIFE』『FIGHTING』のデラックス・エディションが3月に出るそうです。両アルバムとも初リマスターで、超嬉しいです。ボーナス曲が一部『AT THE BBC』と重複しているのが残念ですが、『NIGHTLIFE』のゲイリー・ムーア参加の未発表デモ、『FIGHTING』の未発表曲/デモが楽しみです。ボーナスは以下のとおり:

●NIGHTLIFE

She Knows (BBC Session 3/10/1974)

Sha-La-La (BBC Session 3/10/1974)

It’s Only Money (BBC Session 3/10/1974)

Philomena (BBC Session 3/10/1974)

Dear Heart (BBC Session 23/10/1974)

Banshee (BBC Session 23/10/1974)

Showdown (Demos With Gary Moore)

Still In Love With You (Demos With Gary Moore)

It’s Only Money (Demos With Gary Moore)

Showdown (Unreleased Alternate Take)

Still In Love With You (Unreleased Alternate Take)

●FIGHTING

Half Caste (B Side Rosalie)

Rosalie (US Album Mix)

Half Caste (BBC Session 29/05/1975 )

Rosalie (BBC Session 29/05/1975)

Suicide (BBC Session 29/05/1975)

Ballad Of A Hard Man (Unreleased Alternate Take)

Try A Little Harder (Unreleased)

Fighting My Way Back (Unreleased Alternate Take)

Song For Jesse (Unreleased)

Leaving Town (Unreleased)

Blues Boy (Unreleased)

Leaving Town (Unreleased)

Spirit Slips Away (Unreleased Alternate Take)

Wild One (Unreleased Alternate Take)

Bryan’s Funky Fazer [Silver Dollar] (Unreleased)

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そんな一方で昼、女子会が開かれていたそうです。

DAN DEACON: BROMST

明日はダン・ディーコンのライヴですが、僕は行けないので、アルバム『BROMST』を聴きました。「Baltihorse」はチップマンクスとかトッポジージョとかおしりかじり虫を思わせてどうも好きになれないのですが、「Get Older」のキラキラが飽和していくサウンドは神の裾を一瞬掴んだ気にさせてくれます。

戦火の馬

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『戦火の馬』を見ました。スティーヴン・スピルバーグ監督。3月2日全国公開。こないだ『タンタンの冒険』が公開されたばかりですが、スピルバーグは『ジュラシック・パーク』と『シンドラーのリスト』、『ロスト・ワールド』と『アミスタッド』、『宇宙戦争』と『ミュンヘン』という具合に、娯楽大作と真面目系作品を間を置かずにワンツーパンチで公開するのが珍しくないです。第1次世界大戦を背景に、運命に翻弄される馬を描いた作品で、感動させられます。馬がたくさん死んでかわいそうで泣きます。後半のクライマックス、主人公の馬が凄い熱演を見せるシーンの舞台が1918年のソンムの戦いですが、ソンムといえばヴェルダンと並んで死亡者が多く、イギリス軍の死傷者はヴェルダンよりも多かったそうです。

THERAPY?: TROUBLEGUM

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THERAPY?の2011年10月29日、ドイツのドルトムントVisions Festivalでのステージを『Rockpalast』で放映した『TROUBLEGUM』全曲演奏ライヴが最高でした。

1994年の彼らのアルバム『TROUBLEGUM』は1990年代UKロック最高峰のひとつである名盤なのです。曲の素晴らしさはもちろんのこと、「Hellbilly」の「you just want to be Jesus without the suffering」とか「Femtex」の「Masturbation saved my life」など、素敵なフレーズ満載の歌詞も秀逸です。

THERAPY?といえば1995年4月9日に新宿リキッドルームでSICK OF IT ALL、SUPER JUNKY MONKEY、GRUBBYという顔ぶれで来日公演を行いましたが、ゴリゴリのSICK OF IT ALLの後にメロディアスな彼らがプレイするのはちょっと不利で、かなり盛り下がってしまった記憶があります。さすがに「Nowhere」の時は盛り上がりましたが。僕はその前、1994年6月4日にドニントンのモンスターズ・オブ・ロック・フェスで見て、その時最高にかっこよかったので、日本での不完全燃焼ぶりが残念でした。

あと思い出に残っているのは、1996年1月4日にダブリンでフィル・ライノット10周忌ライヴ『King’s Call』というのがあって、そのアフターショーがLillie’s Bordelloという飲み屋で行われたのですが、男子トイレで誰かがウンコしていて、酔っぱらった僕が「誰が入ってるんだ!開けろ!」とガンガン扉に蹴りを入れたら、中からアンディ・ケアンズが出てきたという出来事でした。

2012-01-23

21日にMegaUploadが閉鎖となりましたが、続いてFilePostとFileServeが閉鎖。まあ元々、音源/映像/テキスト/ゲームなどを無断うpしてアフィ代とかプレミアム垢とかで儲けるという極悪なやり方で、到底容認できるものではなかったので、閉鎖も納得ではあるのですが、この流れだとDimeadozenとかが閉鎖に追い込まれても決しておかしくないわけで不安です。「Dimeadozenはオフィシャルリリースされていない音源しかうpしてないし利潤を追求していない!」という理屈などFBIの前には通用しないと思うのです。

モンスターズ/地球外生命体

『モンスターズ/地球外生命体』を見ました。ご存じ怪獣が(ほとんど)出ない怪獣映画。感想は後ほど書きますが、あまり面白くなかったです。

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昔どこかのイギリスだかの雑誌に”フォルクスワーゲン・パサートのカーステで聴く音楽”としてフィル・コリンズとかスティング、それからブライアン・アダムスの鼻糞バラードが挙げられていました。具体的にブライアン・アダムスの鼻糞バラードとは書いてありませんでしたが。要するに中産階級ぐらいの人がセカンド・カーで聴く音楽ということみたいです。今ではアデルとかCOLDPLAYがそれに該当するのでしょうか。パサートに該当する車が何なのかは知りません。

JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL 2012

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日本の初夏を彩る伝統のフェスティバル(第1回は1986年)、ジャパン・ブルース&ソウル・カーニバルが今年も開催されます。

今年のヘッドライナーは去年、奇跡の初来日公演が実現したジョニー・ウィンター! 2度目の奇跡があるとは誰が予想しえたでしょうか? しかも今回は大阪・名古屋・札幌まで向かう全国ツアー! さらに東京公演ではサニー・ランドレスも参加。 ジョニーの最新アルバム『ROOTS』で共演している2人なので、日本でもジャムが実現する可能性大です。もちろん希望的観測ですが。

去年は震災などの事情によりフェス自体が行われなかったので、今年の開催が決まって嬉しいです。

  • 5月23日(水)大阪:なんばHatch  Johnny Winter
  • 5月24日(木)名古屋:名古屋ボトムライン  Johnny Winter
  • 5月26日(土)東京:Zepp Diver City  Johnny Winter / Sonny Landreth  16:00 / 17:00
  • 5月27日(日)東京:日比谷野外大音楽堂  Johnny Winter / Sonny Landreth / 国内アーティスト(仮) / ゴトウゆうぞうワニクマ デロレン&マキ、ゲスト:安富祖貴子  14:45 / 15:30
  • 5月29日(火)札幌:Zepp Sapporo  Johnny Winter
  • 5月30日(水)川崎:Club Citta Kawasaki  Johnny Winter

総合問い合わせはM&Iカンパニーまで。

ところで現時点での最新作『ROOTS』、前作『I’M A BLUESMAN』(2004)、そしてソロ・デビュー作『JOHNNY WINTER』(1969)現行紙ジャケCDでは山崎がライナーノーツを書かせていただいています。

いよいよ来週!『いいにおいのするNADJA JAPAN TOUR2012』

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いよいよ来週に迫ったNADJA / VAMPILLIA来日公演(こないだ書いた日記)。ライヴ会場で先行発売されるVAMPILLIA+NADJAコラボレーション・アルバム『the primitive world』がまた頭がツーンと来るほど良いです。既に「Northern Light」がネット公開されていますが、アルバムの中核を成す23分16秒の「Icelight」がもう極楽浄土。脳を内側から瓦解させていく8分6秒の「Anesthesic Depth」も良いです。

そんなわけで来週は天国に触れに行きましょう。

詳細は http://iinioi.com まで!

  • 2012.01.28@渋谷O-nest   Nadja / Vampillia / ENDON
  • 2012.01.29@心斎橋鰻谷Sunsui   Nadja / Aidan Baker / Vampillia / knellt / boneville occident
  • 2012.02.01@広島CLUB QUATTRO   Nadja / Aidan Baker / Vampillia / speaker gain teardrop / jailbird Y / CONCRE
  • 2012.02.02@福岡Voodoo lounge   Nadja / Aidan Baker / Vampillia / AZMA shoegaze explosion / asoboys / マクマナマン / trial error / HYDROPHOBIA / PAIPANPUNK / DJ/ okafxxxx / Perform/鬼塚緑
  • 2012.02.03@和歌山Rubluck cafe   Nadja / Aidan Baker / Vampillia / Apsu And more 【food】からだが温もるスープ

  • 2012.2.05@落合soup   Aidan Baker Solo / ASTRO & SACHIKO / Chihei Hatakeyama & Cal Lyall / Hasegawa-Shizuo

ところで来月リリースされるNADJAの2枚組コンピレーション『EXCISION』(今でもアマゾンで1,223円)ですが、収録曲の出典は以下のとおりです:

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  • Jornada del Muerto 17:22  NADJA / Aidan Baker / Leah Buckaleffの『TRINITY』
  • Perichoresis 19:38  NADJA / Aidan Baker / Leah Buckaleffの『TRINITARIAN』
  • Spahn 19:48  5/5/2000とのスプリット『TUMPISA』
  • Kriplyana 19:00  NETHERWORLDとのスプリット『MAGMA TO ICE』
  • Autosomal (Version 2) 20:29  『BODYCAGE』vinyl
  • Kitsune (Fox Drone) 20:06  KODIAKとのスプリット
  • Autosomal (Version 3) 23:00  『BODYCAGE』vinyl
  • Clinging To The Edge Of The Sky 15:18  単独12″

ゆきやこんこん

今更ですが、2011年のパーソナル・ベスト10アルバムを発表しました

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映画秘宝今月号の「ベスト&トホホ10」に参加させていただきました。トホホに関しては”トホホというほどのダメ映画は見なかった”と書いたのですが、執筆陣が選んだトホホ10のうち7本見ていたのにちっともトホホだと思わなかったのがちょっと痛恨です。別に痛恨でもないけど。みんな『スーパー8』が嫌いなんだなあ。それよりベスト30のうち10作しか見ていなかったことを反省。しかも1位を見ていませんでした。今年はもっとたくさん映画を見たいと思います。

別冊宝島:プロレス黒い霧

別冊宝島『プロレス黒い霧』を読みました。(株)ノア・トータルコーポレーションの話題など、特ダネがあります。2ちゃん発信ネタもあちこちにあるものの、いろんなスレを全部見ているわけにも行かないので、まとめ本として役に立ちます。秋山準が馬場元子と連絡を取り合っている話も、秋山ブログを読んでないので知りませんでしたし。真樹先生逝去や新日ドームなど今年に入ってからの最新ニュースを押さえているのは〆切的に凄いですが、急いで作ったせいか”時津風邪部屋”などの誤変換や、どこぞのゴシップ本を”クリス・ベノワ自伝”と書くなど、妙なミスもありました。あとぶっちゃけ飲み屋の雑談みたいな記事もあり、ちょっと前と較べると密度が薄まった感があります。しかしかつての新日やWJネタがププッと笑えるものが多かったのに対し、ノアや全日ネタはじっとりしていますね。

ドライヴ

映画『ドライヴ』を見ました。3月31日公開。

つまんなくないけど面白くもないです。全編低温です。シリアスなクライム・ムービーを狙っているのかも知れないけど、シリアスなのと辛気くさいのは違うと思います。バイオレンスもカーチェースもおっぱいも出てくるのにこの温度の低さは何なのかと。主演のライアン・ゴズリングは寡黙というより不景気でした。サソリスタジャンとか爪楊枝とか、細かいネタがさらに温度を下げます。サントラもフニャチン。

米ローリング・ストーン誌は2001年のベスト1位とかにしていますが、これだったら同じdriveでも『ドリヴン』とか『ドライヴ・アングリー』の方がずっと面白かったです。

最後にアレハンドロ・ホドロフスキーに感謝が捧げられていますが、何か関係あるのでしょうか。

二十四時間の情事

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『二十四時間の情事』を見ました。1959年公開。フランスから来た女優のエマニュエル・リヴァが広島で岡田英次とコーマンします。岡田英次はコーマンした後、何だか上から目線で「君は広島を知らない」「君は何も知らない」と偉そうですが、女が明日フランスに帰ると知ると「もっと君といたい」とか言い出して、いつまでも追いかけてきます。女は大戦中に故郷ヌヴェールでドイツ兵とコーマンしたので戦後、敵とハメたビッチとして丸刈りにされたりした過去があります。で、女も岡田英次のことはまんざらではないので、滞日最終日にもコーマンします。ずっとコーマンしてればいいのに、2人は”TEA ROOMどーむ”というコーヒー&洋酒の店(ラーメン屋みたいな提灯が玄関にある)で話し合います。それから夜の街をうろついて、女のホテルに戻って、さあコーマンだと思ったら、「あなたの名はヒロシマ」「君の名はヌヴェール」。終わり。

ちなみに”TEA ROOMどーむ”は原爆ドームの近所に実在して、エマニュエル・リヴァが撮影時に撮ったスナップを集めた写真集『HIROSHIMA 1958』にも載っているそうです。

柳沢きみお:俺にもくれ

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ベチ先生の『俺にもくれ』前後巻を読みました。タイトルがあまりに秀逸なので前から気になっていたものの、わざわざ買うのもなあと躊躇していたのですが、ふこをさんが「名作」と言うので背中を押されて読んでみました。

ベチ先生の漫画、ちゃんと追っているわけでもないのですが、近年の作品は、最初は真面目に描いていても途中から絵もストーリーも荒れだして、ヒットシリーズである『翔んだカップル21』とか『特命係長只野仁ファイナル』ですら容赦なくテキトウになっていくのが凄いです。最近読んだ『夜に蠢く』はかなり初期段階から金・女・中出し・酒・寿司・焼肉・ラーメンなど、おっさんの欲望をコラージュしたバロウズ的な衝撃作品でした。一度テキトウな終わり方をしたのに『続~』で再開されて、さらにその場の思いつきのようなエンディングを迎えた大傑作です。ブックオフの105円コーナーで見つけたらぜひ。

で、『俺にもくれ』ですが、主人公が家族を捨てて東京に来て、歌舞伎町で「人生よろず相談室」を開くという話でした。電子書籍サイトだと自分探しの話みたいに書いてあったけど、別に自分探しはせず、いろんな事件に勝手に巻き込まれて、話の流れでヤクザの組長になってしまいました。やはり最後は特にオチをつけることもなく終わるのですが、2冊でコンパクトに終わるので、さほど投げやり感はありません。ところで『俺にもくれ』というタイトルの意図は最後まで判りませんでした。