2011-02-28

昼間は普通に仕事。

夕方、予約していたBoris with Merzbow『Klatter』を引き取りに新宿ディスクユニオンに。ついでにHM/HR館に行ったら中古盤5枚買うと20%引きをやっていました。JUCIFER / SHOW OF BEDLAMスプリットとかGILLAN『GILLAN’S INN』とか、買いもらしていたものを買いました。

…と思ったら『GILLAN’S INN』は曲が多いツアー・エディションというのが出ていて、しかも中古盤とあんまり値段が変わらないです。今日買ったやつにはジェフ・ヒーリー参加の「Demon Eyes」が入ってないし。なんだか損をしたようで気に入らないのですが、買い直すかというと微妙です。もう中古盤なんか買わねえ!(うそ)

I’ll Be Your Mirror @新木場スタジオコースト

GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR / DIRTY THREE / FUCK BUTTONS / AUTOLUX / Boris / BOREDOMS

『All Tomorrow’s Parties』が日本初上陸。いかにも外国人が好きそうな日本のアーティストが並びますが、実際に外国人が選んだそうです。ヒット・シングルがなくて一緒に歌えなくて踊れないタイプのバンドばかりで、ソールドアウトと発表されても事前にはピンと来ませんでしたが、本当に満員!

トップバッターBOREDOMSは6人のドラムスを従えて登場。全身から「何かが起ころうとしている」感を発散して、このイベントがただのライヴではない、何かとてもスペシャルなものだと宣言します。

Borisは新作発売前で、昔の曲メインに新曲が1曲。最初が「Farewell」。2曲目の新曲「フレア」で退出していく観客の数が凄かったです。あんたらそんなにアニソンが嫌いか?それでも演奏自体は良いもので、最後「  」でかなり観客のノリもリカバリーしていました。「フレア」はある日突然変なことを始めたわけではなく、3曲目「Statement」とスムーズに連なっていたのが面白かったです。

GODSPEED YOU! BLACK EMPERORはタイムテーブルだと2時間枠になっていて、誤植かと思ったら本当に125分間やりましたが、緩急をつけた展開で長く感じさせませんでした。とはいえ後半になると終電を気にするのか飽きたのか、帰って行く観客がけっこういました。

屋外のセカンド・ステージでは灰野敬二、ENVY、MELT BANANAという、これまた外国人が好きそうな日本人勢。『Independence D』でもそうだったけど、ここは観客がたくさん入るとステージが全然見えなくなるし、メイン・ステージの合間に覗いても最後列で音だけ聴くはめになるので、ばっさり切り捨ててメイン・ステージに専念しました。

1430~23時過ぎの8時間半、音楽に深く沈み込んで超楽しかったです。

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THE HEADS公式サイトで限定盤CD『RELAXED REHEARSAL TAPES』が発売になりました。

去年『RELAXING WITH THE HEADS』の2枚組CDリイシューが実現しましたが、ファンジン『Optical Sounds』のTHE HEADS特集を読んでいたら、『EVERYBODY KNOWS WE GOT NOWHERE』3枚組CD!と『UNDER SIDED』2枚組CDリイシューが計画されているそうです。後者にはピール・セッション音源も入れるとのこと。いつになるか判りませんが、楽しみです。

武富健治『鈴木先生』第1巻

イマドキの漫画もチェックしようと思って『鈴木先生』第1巻を読んでみました。絵柄が徳南晴一郎に似ている気がしたのですが、中身は全然違いました。ごはんを食べるときに左手を机の下に隠す生徒に対してウンコトークをかます話でした。もう10巻まで出ているそうで、続きを読むかどうかは判りません。

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”風太郎”=GK金沢自作自演疑惑。いやあくまで疑惑は疑惑ですが。

Brian Walsby『Manchild 5』

『Manchild』シリーズの第5巻第3巻第4巻にはMELVINSの未発表音源CDが付いていましたが、今回は付いていません。でも80年代をノースキャロライナ州のパンク・シーンの真っ只中で過ごした作者が初期CORROSION OF CONFORMITYと交流したりする漫画が面白いです。今回はテキスト部分が増えたので、ほどほど英語が読めないときついです。

水島新司『ドカベン・プロ野球編』第2巻(コンビニ版)

『ドカベン・プロ野球編』第2巻(コンビニ版)は山田世代のプロ入り1年目オールスター戦。今や作者の脳内で繰り広げられるペナントレースを描き散らすだけの、日本のヘンリー・ダーガーとなった感のある『スーパースターズ編』ですが、この頃はまだファンの興味を惹く内容です。セリーグのチームに入った不知火・土門・中・犬神と山田が対決したり、不知火&山田、土門&微笑のバッテリーが実現するなど、けっこう嬉しいです。

唐沢なをき『まんが極道』第5巻

そして『まんが極道』第5巻の最初のエピソードは、志を同じくする漫画家集団のリーダー格だった”ガタさん”が清く正しいこども漫画に固執するあまり、キャラ萌えやエロ描写を得意とする後輩たちに追い抜かれていき、連載を失って死んでいく話。『愛知り』の直後に読むとやりきれないです。

藤子不二雄(A)『愛…しりそめし頃に…』第10巻

『愛…しりそめし頃に…』第10巻が出ました。第9巻が出たのが2009年6月なので、1年半ぶりの新刊です。トキワ荘メンバー達を待つ黒い運命を暗示するエピソードが増えてきました。テラさんは”清く正しい”こども漫画に固執し、暴力的な漫画の掲載を止めるよう編集部に詰め寄るなど、狂気に蝕まれていきます。赤塚氏は酒や女に溺れる予兆を見せます。つのだ氏は「こんど描く空手漫画」に向けて大山倍達との交流を始めますが、後に原作者との軋轢が生じることはご存じのとおりです。森安氏は出てきません。

QUEENS OF THE SONE AGE: QUEENS OF THE STONE AGE

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QUEENS OF THE STONE AGEのファースト『QUEENS OF THE STONE AGE』再発、去年から延期になって、もう出ないのかと思ったらちゃんと出ました。日本盤CDは紙ジャケだけどLPジャケではなくCDジャケを紙ジャケ化したというイレギュラー仕様。完全生産限定盤だそうなのでお早めに。山崎がライナーノーツを書かせていただきました。カタカナ表記がちゃんとジョシュ・ホーミ、ゼム・クルキッド・ヴァルチャーズになっています。今年はファースト完全再現ライヴも行っているそうで、ぜひ日本でもやって欲しいです。

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StonerRock Mailing Listが終了だそうです。

EARTH: ANGELS OF DARKNESS, DEMONS OF LIGHT 1

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EARTHの新作『ANGELS OF DARKNESS, DEMONS OF LIGHT 1』が出たのですが、これが素晴らしいです。『HEX: OR PRINTING IN THE INFERNAL METHOD』以降の路線を踏まえながら、幽玄たるギターとドラムスに深く沈み込むベースとチェロが加わり、奥行きと拡がりをもたらすことで、新たなディメンションへと導いていきます。最初の”書かれた”「Old Black」からラスト「Angels Of Darkness, Demons Of Light 1」まで、コンポジション(作曲)からインプロヴィゼーション(即興)へと流れ込んでいく作風は一聴すると穏やかなのに、聴く者の平衡感覚を揺さぶり続けます。神々しいです。ディラン・カールスンはインタビューなどでいろんなアーティストを引き合いに出していますが、本作のサウンドはどれにも似ていないという稀有な作品です。日本盤CDは山崎がライナーノーツを書かせていただきました。

メモっておきたいCD

出所第2弾。前作『BELUS』のドロドロさは希薄で、「Jeg Faller」「Valen」は哀メロをフィーチュア。音質もクリアーで、聴きやすさが賛否を呼びそう。僕は『BELUS』の方が好きです。

RADIOHEADやTHE MARS VOLTA同様、レトロ趣味に陥ることなくプログレッシヴなロックをやっています。ハードなギターも申し分なく、今年ベスト10候補。

去年出たやつ。ベン・ハーパー、ジョゼフ・アーサー、ダーニ・ハリスンによる一種のスーパー・トリオ。ベンはRELENTLESS 7では暑苦しい音楽をやっていましたが、これはアコースティックとヴォーカル・ハーモニーをフィーチュアしたフォーク・ロック。CSN&Yっぽい箇所も。良いです。

2011-02-22

EYEHATEGODのDVD『LIVE』が3月に出るそうです。

“the 88-minute production features multi-camera footage from 2009 (Baltimore, Maryland) and 2010 (Cleveland, Ohio), with bonus clips from the last show of their 2010 European tour and videos never before released on DVD”とのこと。

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HungerCityが復活してた。

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引っ越しのドサクサの中、MOUNTAINの『ROAD GOES ON FOREVER』と印字されたCD-Rが発掘されて、未発表音源!?と色めき立ったのですが、まあ当然のごとく『THE ROAD EVER GOES ON』でした。紙ジャケCDが出たときのサンプル用。

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MOUNTAINで思い出したけど、『ドロロンえん魔くん』主題歌は「Don’t Look Around」に影響を受けていますまいか。

2011-02-20

そういえば昨日MONARCH物販で予定されていたジャパン・ツアー記念EP『SORTILEGE』が売られていなかったのですが、間に合わなかったのでしょうか売り切れてしまったのでしょうか。『SABBAT NOIR』と同時期に録られた13分のドローン・ドゥームなのだそうです。欲しいです。

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TWISTED SISTER REISSUES

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TWISTED SISTERの以下7タイトルのライナーノーツを書かせていただきました。

彼らのアルバムで一番売れた『STAY HUNGRY』はワーナーが手放さないため今回の再発には入っておらず、やや歯抜けたラインアップとなっていますが、内容はどれも良いです。

今回の再発では『COME OUT AND PLAY』の魅力を再確認。特に「Be Chrool To Your Scuel」のやり過ぎ感が最高です。ディー・スナイダーとアリス・クーパーのデュエットで、ギター・ソロはブライアン・セッツァー、ピアノはビリー・ジョエル、サックスはクラレンス・クレモンス、ホーン・セクションはUPTOWN HORNSという無駄な豪華さ。しかもミュージック・ビデオには『ポリスアカデミー2/全員出動!』のボブキャット・ゴールドスウェイトが出演、特殊メイクはトム・サヴィーニ。巨額な制作費を投じたにも関わらず、首をかっ斬ったり腕が落ちたりする描写のせいでMTVで全然流れませんでした。その結果、アルバムも当時あまり売れませんでした。今回はそんな無駄なまでのやり過ぎ感を踏襲するべく、オリジナルLPの”飛び出すディー・スナイダー”ジャケットを完全再現しています。決して爆発的に売れるとは思えないタイトルなのに、ずいぶんとコストがかかった筈ですが、やる価値があることはやり過ぎる価値がある!という侠気を感じます。

それを考えると『LOVE IS FOR SUCKERS』を再発するというのもずいぶんと侠気を感じさせますが、改めて聴いてみるとなんだか迷走感が面白いアルバムです。後のWINGER~現WHITESNAKEのレブ・ビーチ全面フィーチュアという注目ポイントもあります。

ライナーノーツは全タイトル新規に書きました。全タイトルぶんをあわせると3万字ぐらいで、TWISTED SISTERについてはもう一生ぶん書いた気がします。しかしまだこれから発掘ライヴDVD3タイトルが出るそうです。ぜひ書かせて欲しいです。

そのうち『LIVE AT READING 1982』はレミーと”ファスト”エディ・クラークとピート・ウェイが飛び入りしている筈です。映像の断片だけ見ましたが、観客がバンドに向けてボトルとか土くれとかウンコを投げつけて凄いです。

2011-02-17

朝5時から某アーティストに電話取材の筈で電話したら、「ZZ TOPトリビュート用の曲を録っている」という理由でドタキャン。

それから原稿を書いて、泉岳寺でうちあわせ…と思ったら、品川で京急の反対方面行き電車に乗ってしまい、ノンストップで羽田空港国際ターミナルへ。遅刻して大変申し訳ありませんでした。

うちあわせ後に帰宅して、夕方5時から地元の喫茶店で別のうちあわせ。

夜2000からベン・ウォーターズに電話取材。英国ブギウギ・ピアニストで、最新作『BOOGIE 4 STU』はTHE ROLLING STONES初期ピアニストだったイアン・スチュワートに捧げるトリビュート作。3月30日発売。素晴らしい内容で、ボブ・ディランのカヴァー「Watching The River Flow」でSTONES全員withビル・ワイマンが参加しています。キース・リチャーズ&ロン・ウッドがデュエットする「Worried Life Blues」も極上です。

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アメリカの書店チェーンBordersが破産だそうです。今やアメリカにはBordersもタワレコもBlockbusterもありません。ニューヨークのKim’s Videoも実質閉店してしまったし、タイムズ・スクエアにあったヴァージン・メガストアは今ではフォーエバー21です。寂しいです。

新宿ヴァージン・メガストアも渋谷HMVも今ではフォーエバー21です。

Boris: New Album

去年10月、Borisのアツオ氏が「俺はアニソンをやりたいんだよ!」と熱く語っていましたが、3月16日発売のニュー・アルバム『New Album』の「フレア」と「Tu, la la」を聴いて、その本気ぶりを再確認しました。日曜の夕方にお茶の間で流れそうな曲です。

ちなみに同時発売のアナログ盤は5曲がCDと別テイクになるそうです。

ゲイリー・ムーアについて

2010.4.212010.5.25の日記の続きです。

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ゲイリー・ムーアという人とは、彼の音楽とインタビューを通じてしか繋がりがありませんでした。

彼がどんな日常を送ってきたか、ほとんど知ることはありませんでした。

インタビューにおいても、彼の音楽とギターについて訊くだけで、あっという間に時間が過ぎ去っていきました。彼の私生活について触れることは、滅多になかったです。

僕にとっても、その方が楽しかったです。

それでも彼のギターは、どんな言葉を弄するよりも雄弁にその人生を物語っていました。

そのプレイを通じて、彼の喜び、悲しみ、怒りはダイレクトに伝わってきました。

そういう意味では彼はどんなアーティストよりも、自分のプライベートな部分を露わにしてきました。

ゲイリーが亡くなって、最初に思い出したのは、彼が早起きだったことです。

初めて彼にインタビューしたのは1995年5月19日でしたが、日本時間の午後5時に電話しました。イギリス時間だと午前9時です。終わってからBON JOVIを見に東京ドームに行きました。余裕で間に合いました。

彼と初めて対面インタビューしたのは1997年4月20日、場所はロンドンのHalcyon Hotelでした。この時もインタビュー開始が午前10時でした。

それ以外のインタビューでも、開始時間が早かった記憶があります。

1990年代後半、当時の所属事務所の女性も「ゲイリーは毎朝決まった時間に起きるし、スケジュールを組みやすい」と言っていました。

むしろ僕の方が、訊きたい質問があまりに山ほどあって、最後は時間オーバーで「ゴメン、この後もう1本インタビューがあるんだ」「そろそろ出かけなくっちゃ」と言われてしまうのが常でした。

ゲイリーは自分の仕事に対して、常に真摯な姿勢をとってきました。『OLD NEW BALLADS BLUES』(06)、『CLOSE AS YOU GET』(07)、『BAD FOR YOU BABY』(08)と3年連続でアルバムを発表したとき、「毎年アルバムを出して、ツアーを行うなんて、働き者ですね」と言ったら、こんな答えが返ってきました。

「60年代のミュージシャンは、1年に2枚アルバムを出すのが普通だったんだ。1年に1枚なんて、怠け者なぐらいだよ」

ただ、そう言ったあと、彼は自分の言ったことに照れたのか、クスクス笑っていました。真面目一辺倒の堅物ではなく、時にジョークも飛ばす人でした。

彼が亡くなってから1週間、僕は普通の生活を営んできました。

原稿も書いたし、インタビューもしたし、ごはんも食べました。引っ越しもしたし、病院のお見舞いにも行きました。

音楽について書く仕事に就くほど音楽を好きにしてくれた、自分にとって重要な位置を占めるアーティストがもういないという事実は、常に重くのしかかってきましたが、自分の人生は続いていきます。

ゲイリーは「Business As Usual」で「so many have gone, but I know it’s just business as usual」と歌っています。

これは決して去っていった人々を突き放しているのではなく、彼らへの思いを胸に、いつもの日常を続けていくつらさを歌っているのだと思います。

数々の友を失いながら、ゲイリーは常に前に進んでいきました。

これからは我々が、彼のいない毎日を歩んでいかねばなりません。

きのうと先週、2回に分けて引っ越しをしました。

段ボール箱に荷物を詰めるあいだ、ずっとゲイリーのCDを聴いていました。

レコード棚、CD棚、本棚の中には彼の作品や、彼の写真が載った本や雑誌がたくさんありました。

そのひとつひとつに注意を払っていたら引っ越しが終わらないので、感情を押し殺して段ボール箱詰めを続けました。

でも、レコード棚の裏から1994年、BBM『AROUND THE NEXT DREAM』店頭用ディスプレイが発掘されたときは、さすがに涙が出ました。

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17年前、東芝EMI(当時)のオフィスにあったのを、頼みたおしていただいたものです。

ゲイリー・ムーアの音楽を聴き、彼の参加したレコードやCDを集め、たまに彼のギター・フレーズをコピーすることは喜びでした。

とりとめのない文章ですが、僕の人生を、そして世界中のファンの人生をより豊かなものにしてくれたゲイリーに、本当に感謝します。

PS:彼はニュー・アルバム制作に入る前にスペインで休暇をとっていたと発表されましたが、去年後半スタジオで作業していると聞いていたのは何だったのでしょうか…。プリプロダクションとか?